日付 2016/8/19-20(金土) 参加 相原(CL)、塚越、久野、穴井(投稿)
アルバム:
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行程:8/19 越後三山森林公園(6:00)-サナギ滝(12:00)-大滝上BP(16:30)
8/20 大滝上BP(5:00)-越後駒ヶ岳(10:00)-クシガハナ経由-越後三山森林公園(14:00)
天空から落ちる水(オツルミズ)の如く直瀑を連ねる"サナギ滝"5段 200m
昨年9月に挑戦し、崩壊雪渓の前に為す術もなく敗退を喫したオツルミズ沢へ。
カグラ滝、サナギ滝、大滝を筆頭に攀じれども攀じれども現れる長大な直瀑群、頼りない草付きに身を預ける気の抜けない高巻きの連続、簡単には突破を許してくれないゴルジュに崩壊スノーブリッジ、噂に違わぬ内容の濃さは上信越を代表する屈指の茗渓でした。
8/19 6:00 本日のオーダーは前回の敗退時と同じ4名にて。越後森林公園に車を止めて準備を済ませ、一同リベンジを期して出発する。前週の利根川本谷は雪渓無く、今回は安心と高をくくっていたが。。
6:30 林道を20分ほど歩いて入渓点へ。ここから第一核心のカグラ滝までは前回トレース済みの為、時間短縮も兼ねて巻き道へ。巻き道は林道を15mほど進んだところにある赤テープを伝い左岸から。
7:00 カグラ滝 80m下に着く。すぐ後続に2人組が来たため早速、滝に取り付く。前回と同様に下部をフリーで上がり、傾斜の強くなる残り1ピッチでロープを出す。右壁の草付きコンタクトラインを灌木でランニングを取りながら直上。塚越リード。
以降、同日程のパーティーはどうやら我々と2人組の2パーティーのようであった。
前日からの雨の影響もあってか、オツルミズ沢は濡れているところは総じてヌメっており嫌らしい。今回は相原、久野がステルスソール、塚越、穴井がフェルト靴を履いてきており、お互いにあーだこーだと言い訳を話しながら各々登りやすいところを登っていく感じとなった。
昨年(2015)の崩壊雪渓
8:00 前回の敗退地点。昨年はここから左岸を2ピッチ悪く高巻くも、懸垂も出来ずに行き詰ったが、崩壊雪渓は跡形も無く消えており、代わりに深く切れ込んだゴルジュが顔を覗かせていた。遥か最上段には核心のサナギ滝が見え、相当の標高差を伴っていくつもの滝が落ち込んいる。
20分ほど進んだ地点で水流が左に大きく屈曲する箇所が現れる。目を疑ったが沢床には雪渓が僅かではあるが残っていた。ここで小休止を取る。
屈曲した水流はそのまま傾斜の強いゴルジュの形相をなしており、先には厳しそうな滝群が連ねっていた為、左のリッジから高巻くことに。浮石多数で落石に気をつける。後続の2人組はこの滝群(ニセサナギ滝?15m、5m、12m)の左岸をハーケンを打ちながら突破していったようであった。
1時間ほどの巻きで適当なリッジを伝って沢床に戻る。フリーで降りたが結構悪く、後でロープを出すべきだったと3人で確認した。
沢床からは水流をトラバースし、15mのナメ滝は左岸のやせたリッジ伝いに登る。その後の40m、7m 3段は灌木等を伝いながら各々フリーで越えていくが、サナギ滝はまだ遥か上。登っているのに近づいている感じはせず。
10:00 ようやくサナギ滝 5段 200mの最下段ドームに着く。ハング部分は越えられそうにない為、右岸から上部まで高巻くことに。休憩の後、2人組に先行してもらい、我々は取り急ぎアルコール燃料を補充することとする。巻き道はそれなりには明瞭。
高巻き途中から日差しが強くなり、暑い。早くも燃料を切らした者が出始める。頼りない草付きを選びながら集中力を切らさないよう、慎重に。
サナギ滝落ち口まで4ピッチを残した地点からロープを出す。1ピッチ目は出だし被り気味だが草付きを交えた直上。沢中に残置ハーケンはほぼ無く、灌木で取ったり打ったりする。塚越リード。相原、久野はステルスソールを生かして左の岩が露出した箇所をフリーで抜け、ビレイ点で合流した。
2ピッチ目。水流方向に右上気味に登る。高度感は抜群で快適。穴井リード。
3ピッチ目。水流際へトラバース。灌木があるので安心できるが、絶対に落ちれないので念の為ロープを出した。相原リード。
4ピッチ目、今回の核心ピッチ、Ⅳ級。落ち口まで、水流の左に走る凹角のオフフィズサイズのクラックをスタンスを拾いながら登る。核心部はスタンスが高く、レイバック気味に登った。最後は凹角を直上せず、途中でカンテに移り直上した。残置ハーケンが3枚。穴井リード。
12:00 サナギ滝落ち口にて適当な岩角でビレイし、フォローを迎え一安心。 先行の待ち時間含め下から2時間ほどでサナギ滝を抜ける。
サナギ滝を抜けると再びゴルジュ帯に突入する。行けるとこまで突破するも、ゴルジュが厳つくなったところで右岸を2ピッチ高巻くことに。トポによれば通常はサナギ滝上から大滝までのゴルジュ帯は灌木ビバーク覚悟で右岸を大高巻きするそうだ。
1ピッチ目、出だしに錆さびのハーケンを見つけるがヌメっており悪いため、後続にザックを託し空身でロープを伸ばす。50m一杯でなんとか灌木まで届きビレイ。穴井リード。
2ピッチ目、最短距離で沢床に戻るべく、下降気味にトラバース。際どい草付きにぶら下がる格好になり非常悪い。フォローが落ちて振られると15mほどの直瀑めがけて激突しかねる。相原リード。先行していた2人組は悪く見えた左岸を上手く巻いたようであった。
その後のゴルジュ帯は登れる滝が多く、泳ぎやへつりを駆使して突破していく。
泳ぎ中にマムシが流れてくるハプニングもあったが、相原さんの絶叫と気合で乗り切る。
14:30 本日最後の核心、大滝 80mが見えてきた。いい加減、登りに飽きが入り始めるが、大滝上には快適なBPがあるとのこと。小休止を挟みアルコール燃料を補給する。トポでは右璧が登りやすいとあるが、先に取りついている2人組は左壁を攀じっている。見た目にも左壁のほうが乾いていて登りやすそうだった。下部は取り付けそうにない為、30分ほど右岸を巻き、落ち口まで3ピッチほど残した中間地点に懸垂で降り立つ。
1ピッチ目、2ピッチ目は好きなところをフリーで上がれた。
3ピッチ目から傾斜がやや強まり、ロープを出す。水流際はやはりヌメっており、一瞬ではあったが雨も降り始める。ステルスソールの相原さんは少し手こずったか?ハーケンを打ちつつ突破していく。相原リード。
落ち口から谷を望む。落ち口手前で右璧に移り、大滝を超えればBPはもうすぐ。
16:30 大滝上BP 左岸からは明瞭な支沢が落ち込んでおり、開けた出合いは薪も豊富に取れ快適。増水にも耐えらそうな石畳の上に荷物を広げた。
夜には好天となり懸念していた雨にも降られることはなかった。星空も輝き、やはり沢の夜は良いと感じながらタープは広げず眠りにつく。夜半、谷を吹き下ろす風が強まりシュラフカバーではやや寒かった。
8/20 オリンピックのラジオ中継を聴きながら支度を済ませ5:00出発。出だしから微妙な高巻きを交えながら、10m~30mの滝が10段ほど続く。登れる滝は登り、巻くところは巻く。巻きは良くない滝が多かった。源頭の雰囲気が出てくるもまだまだ先は長そうで気は抜けない。
6:30 泳ぎの水が急に冷たくなる。「流石に今回は雪渓なんてないよね?」「朝だから冷てんじゃねーの?」などと冗談も飛ばしながら、しばらく進むと不気味なスノーブリッジがひょっこり顔を覗かせていた。
スノーブリッジは100mほどが2つ。後から聞くと2人組は前日に上を巻いたそうだが、SB童貞を2名含む我々パーティーは朝ということもあり、迷わず潜ることとする。入り口はしっかりしていたが、奥に進むにつれ抜け口は崩壊寸前の模様。ゴルジュは厳つさを増し、へつりや泳ぎを交えつつ、冷や汗で突破。メンバーの動作がみな異常に素早く、的確であった。
抜け口は雪渓が崩壊しており、異様な光景。スノーブリッジは潜るか、巻くかの見極めを正しく行なわないといけないと痛感した。
雪渓を抜けた後も、10m程の滝が続く。 2時間ほどでようやく稜線が見え始めると水量は少なくなり、いよいよ源頭が近づいてくる。
8:00 2段 8m 最後の滝手前は河原上になっており、よいBPとなっている。2人組はここまで前日に足を伸ばしていた。小休止を挟む。
源頭部は癒し系のナメが続く。谷が開けてくると気持ちも安心してきた。
10:00 小屋の水場から右岸にあがり、駒ノ小屋に到着。晴れたりガスったりという天気であったが、登山客で賑わっていた。装備を解除し、大休止。
燃料も補給する。山頂はもう目の前。
10:40 越後駒ヶ岳山頂。前回、苦杯を舐めたメンバーと無事にリベンジでき、充実した山行になった。
下山はクシガハナを経由し2時間ちょうどで林道へ。1時間ほど歩いて駐車場へ戻った。
相原さんオススメの五十沢温泉(混浴)に入り、帰途についた。