今年初めての本チャンルートとして、谷川岳一ノ倉沢の烏帽子奥壁のルートにチャレンジした。
今回は、一ノ倉沢初デビューの宮崎さん、茅ヶ崎山岳会の期待のホープ阿久津君をメンバーに
加え、5名での山行となった。
土曜日の未明に湘南地方を出発、一路谷川岳ロープウェーイの駐車場を目指す。ほぼ予定通りの5時位に駐車場に到着し、荷物整理と共同装備を分担し、今夜の幕営地である一ノ倉沢出合を
目指す。登山指導センターに登山届を提出し、警備の警察官に挨拶をし、新緑の眩いマチガ沢を
経て6時半過ぎに到着する。
早速、今夜の宿泊サイトであるテントの設営を行う。ところが、M代表が、ない!ない!と慌てて
ザックをひっくり返してなにか重大な探し物をしている??
待てど探せど、テントの本体・フライは出てくるが、ポールが出てこない~なんとM会長がポールをお忘れになった様である。今夜はテントを被って寝る事になるのか?否か?またまた、登山指導
センターまで後退する事になるのか?覚悟を決めていると、M会長自ら工夫を凝らした茶巾テントが完成しました。寝るだけだから大丈夫だ~とのM会長の自己弁護のお言葉に納得した男性会員2名でした。
なんとかテント?も建ち、クライミングに出発する間際になり、食当の阿久津君が冷やして置いた食材が流れてしまった~とアタフタして側溝を探しており、偶然に最終側溝の淵に食材が引っかかっており窮地を脱することが出来た。
皆の衆、クライミング後の今夜の居酒屋の開店に期待すること大であった。
装備を整え、GO、GO!
テールリッジまで、雪渓を滑らない様に登る。傾斜が無いので気を付けて歩けばアイゼンは不要。
フィックスを頼りにテールリッジ上に上がりひたすら烏帽子奥壁を目指す。
久しぶりのテールリッジが悪く感じる。初デビューのメンバーに事故が多発していることを認識して
もらい注意喚起を促す。
中央陵取り付きを通過して烏帽子奥壁基部をトラバースして南陵テラスを目指すが、濡れているのと、落石が破砕した砂利が山積しており気が抜けない~こんなに悪かったかな??
ビビリミットが効きピッチが上がらない。
ヒヤヒヤもんで、やっとのこと南陵テラスに無事に到着、一同ホットしました。それにしても、人の気配が全く感じられず、貸し切り状態の一ノ倉沢。
阿久津+武藤
水島+重盛+宮崎の組み合わせで、取り付く。特に難しいところもなく、1P、2P、3Pとロープを
順調に伸ばす。
最終ピッチが核心のガッチリした壁、少々濡れており嫌らしい感じだが、皆フリーで終了点へ
グレードはⅤ+くらいでしょうか?
終了点に皆集合して、協力して同ルート下降を開始する。落石を落とさないように注意して懸垂
下降を5Pで南陵テラスに降り立つ。
これから、取り付き時悪かったバンドを下るのかと思うと、気が滅入りビビリミットのスイッチが入る。とにかく、悪かった。。。。。。
やっとの思いで烏帽子奥壁基部からテールリッジを通過して安全圏である雪渓の上に立った時には正直ホットした。
足を滑らせながら雪渓の上を出合に向かっていると、一足先に到着した水島会長が険しい顔で
お出迎えとなりました。
会長自らなに?なに?? 驚くなかれ、食料が食べられてしまった~との事?意味が理解出来ずにテント場に到着すると
こんな状態で、野菜類を除いて、バラ肉、ベーコン、ウインナー、味付け卵、焼きそばの麺、
バター、プリン云々が全て食べられてビニール袋だけが残っている状態でした。今夜と明日の食料が食い尽くされ、食当の阿久津君が途方にくれておりました。
群馬県のサルにやられたようです。たぶん単独犯では無く、複数匹の猿に食いつくされたのでは
ないのでしょうか?
各自が持ってきたつまみがあるので、とりあえず飲もうよ!との会長の一言ににより皆すぐに気を
取り直して、一の倉沢に乾杯となりました。
阿久津シェフがかじられなかった野菜をセレクトして野菜炒めを作ってもらい、美味しいと評判で
腹も満たし、夜も更けていきました。
翌朝の日曜日、インスタント味噌汁とスニッカーズ、お饅頭を朝食代わりに食べ、中央陵に向かう。
さすが日曜日、5時には数パーティーが雪渓を登って行っているのが解る。
昨日よりは天気が悪いような空模様だか、昼前後には出合に戻って来れる見込みのため、
あまり気にはならなかった。
本日の組み合わせは、重盛+阿久津、水島+宮崎+武藤で登る事になった。
3人パーティーでもピッチ毎にトップを変えて本番でのリード経験を付ける。
1P目、ピッチグレードⅣ級をザキミヤさんが安定した登りで順調にロープを伸ばしていく。先週の三つ峠の特訓と昨日の南陵登攀の成果か、ロープさばきも手早く的確に行い、着実に技量が付いて
いることが感じられた。
落石の恐れのあるピッチもあったが、皆注意を払い登っており、自らの落石の発生は無かったと
思う。高度感があるカンテを廻り込、スッキリしたフェイスからチムニーを経て上部のフェイスに
到達する。
これ以上は草付の登攀となるテラスを終了点として懸垂下降にとりかかる。
ロープ回収のトラブルが多発しているルートであるので、最新の注意を払い、下降ルートと支点を
選びながら下降を続ける。
幸いにしてロープが回収不能、登り返しになることはなかったが、気を遣う懸垂下降であった。
皆元気で出合に到着してお疲れ様でした。
テント場に戻ってきた所、写真のようなテープ張りがしてありました。(立ち入り禁止、立ち入り禁止)事件発生現場の規制ラインの様な感じ。。。
水上温泉で汗を流しサッパリして焼きカレーの大盛りを戴き、帰路に着きました。
達成感満載のクライミングでした~やはりアルパインは最高!!