今回は岡田さん希望のアルパインに便乗させて頂きました。
岡田さん同様、谷川も本ちゃんも初めてのことで、今までの訓練が身になっているのか、
また、それが通用するのかが心配でドキドキでした。
前日夜11時半に塚越さん宅に寄ってから谷川のロープウェイ駐車場を目指したのですが、
GWの時とは違い渋滞も無く快適に午前3時頃到着しました。
例のごとく、小宴会をしてから就寝し起床は何と朝5時です。
5:50a.m.出発です。
天気も良く今日は暑くなりそうなどと話しながら歩き始めました。
5:57a.m.谷川岳登山指導センター着。
ここで塚越隊長が登山計画書を提出(ポストに投函)。
登山計画書を提出したことで、気持ちはクライミングモード全開に。
一ノ倉沢出合に行く途中の橅の群生。
この緑には心癒されました。
7:00a.m.一ノ倉沢出合で登攀の身支度をして出発です。
レイヤリングに少し困る位、日差しが強かった~。
一ノ倉沢出合、かつて体験したことが無い強い威圧感を感じました。少し気持ち悪くも・・・。
また、前に後ろに数パーティが来ており混雑が予想されます。
7:30a.m.噂に聞いたヒョングリの滝も無く、無事にテールリッジ基部に到着。
ここでクライミングシューズに履き替える。
テールリッジ登り始めの斜面で岩が崩壊している所があり、ホールド等には注意が必要でありそうだが残置ロープもあり心配しなくても登れます。
ガイド登山の為か、至る所にハーケンが打ってあった。
しかもルールがある様に3箇所ずつ。
8:40a.m.南稜テラスに到着。
畳三畳位の広く安定したテラスです。
前に3人のパーティが取り付いているので暫しの休憩。
いよいよ我々の登る順番が来た。
私は武藤さんと組ませて頂きました。
1P位はトップをしたいと思っていたら、「鈴木さん、トップね」と武藤さんが言って下さり、登攀開始。
1P4級は逆層のフェースを一段上がり、チムニーを登るのですが、ザックを背負ってのチムニーは最初戸惑いました。
気合でクリア~。
2P終了点。
2P3級は急ですがホールドの豊富な快適フェース。
3P1~2級はよく踏まれた草月で、頭上にハングのある岩の基部まで登ります。
4P三級は頭上のハングを避けてフェースの左を登るらしいのですが
私は直上に近い左ルートで登りました。
ロープの流れを考えて短めにピッチを切りました。
早くも懸垂で降りて来るパーティがいた為もあります。
塚越隊長(左)
「いいから行け!」を何度も言わせてしまいました。
5P四級はここから大きく右に出て高度感のある馬の背リッジの直上します。
支点がやや少ない感じが・・・。
馬の背リッジの右、奥壁側が切れた所でカンテに移りますがロープの流れを考えてここで切りました。
最後はかなりのランナウトです。
ここから滝沢のスラブが良く見えました。
三スラが一番長く、またスケールが一スラ・二スラとは違います。
6P五級は短い距離ですが段差のついた地点で一旦ピッチを切りました。
最後の垂壁が無雪期の核心部。
ホールドが微妙に外傾していましたし、足がかりになる人の頭大の岩は浮いていました。
私を含め皆がそれに足を一度は乗せたらしいですよ。
本ちゃん初めて、ダブルロープ初めての岡田さん。殆どトップを登ってました。
最後の所で足が出ず悩んでいたら、下から「覚悟決めて行け~」と隊長の声が・・・。
フリーでは毎度言われているのですが、谷川に来ても言われてしましました。
覚悟決めて足上げると上のガバが取れます。
取れたらこの壁は終わったも同然。
6P終了点。
流れの悪いクリップにも柔軟に対応してくださった影の隊長?武藤さん。
色々有難うございました。
武藤さんと私は安全を考え烏帽子岩までは草付をロープを付けて登りました。ここは南稜終了後2つある核心部の一つらしいです。
多少しみだしがあるので濡れていないところを選んで登り、また注意深く見ると踏み跡やハーケンがあります。
尾根上に出ると踏み後が明瞭になりますが、一ノ倉尾根と合流した先の5ルンゼの頭は脆い岩場で支点も余り無い状態です。
余りにも脆いのでここは落石に注意です。トップは落とさぬ様に登る必要があります。
国境稜線に向かう途中①。
国境稜線に向かう途中②。
我々の事を注意しているのか直ぐに帰らない救助ヘリ。
草付、簡単な岩、潅木の中の急登を抜けると一ノ倉岳頂上左肩に出ます。
3:30p.m.国境稜線。
登攀用具を外して久々のトレッキングシューズへ。
4:20p.m.の・ぞ・き
高度感ありませんが、本当はスパッと落ちてます。
4:56p.m.谷川岳オキの耳
5:10p.m.谷川岳トマの耳
トマの耳から肩の小屋(5:15p.m.)に行く間に雪渓が何度か出て来たのですが、
ジャリジャリで持って行った6爪アイゼンも余り効かなかった。
ストックとアイスバイルにて後ろ向きで慎重に降りました。
らくだの背(7:02p.m.)ここで小休止。岡田さんの疲労状態から武藤さんよりビバーク案が出ましたが「降りる!」の一声で降りることに決定。塚越さんが暗くなる前にらくだの背は通過しておきたいとのことで急いで通過しました。へっ電での通過は更に時間が掛かるくらい悪い登山道でした。
8:14p.m.道標
時間が掛かっている割には降りていない。
腕時計の高度計を見ると憂鬱に・・・。
9:15p.m.林道に出る。
もちろん辺りは真っ暗です。
指導センター(9:31p.m.)
塚越さんが下山の報告?をする為、中に入る。
10:00p.m.谷川岳ロープウェイ駐車場を出発
初、谷川で南稜からの5ルンゼの頭、国境稜線、西黒尾根とかなり充実した山行が出来たと思います。
反省点ですが次回は中央カンテか変形チムニー辺りだと考えています。
が、もう少し流れを考えた支点の使用方法の研究が必要だと感じました。
あと、飲料水が足らなくなり隊長に少し頂きました(炭酸の無い透明な水)
過去にその様な事例は起こしたことが無いので、かなり反省しています。
まあ、その為か武藤さんに雪解け水を薦められ飲んだのですが、
あの埃っぽい感じも無く、ミネラルウォーター並みに美味しかったです。
最後に谷川デビューの方は是非、国境稜線まで行って欲しいと思います。
と言うのは南稜終了点以降にも核心が出てきて勉強になりますし、
頂上を踏むというのはやはり気持ちの良いものです。
皆様、お疲れ様でした。(鈴木)
十数年ぶりの無積雪期の一ノ倉沢。
昔と変わらない、衝立岩と烏帽子奥壁の威圧感がシビレさせる。
あの壁を登り今日中に頂上まで抜ける事ができるのか少々不安が頭の隅に残る。
今日のメンバーは、リーダーの11クライマーの塚越さん
テクニシャンの鈴木さん、本チャン初の岡田さんと
ヨレたリターンクライマーの小生の4人で雪渓を登る。
崩壊したテールリッジ、濡れた状態の悪い烏帽子奥壁の
下部を経て南稜テラスに着き登攀準備をおこなう。
近年は空いているのか、8:00の時点で2パーティーのみが取り付いている。アルパインクライマーは少ない。
久方振りの本チャンルート南稜6ピッチを緊張しながら攀り
約3時間で抜ける。その後、烏帽子尾根~崩壊が進む5ルンゼの頭を抜け、
大汗をかき笹藪を掻き分けながら、15:30分頃に一ノ倉岳頂上にたどり着く。
国境稜線上には残雪が残り、新緑と雪とのコントラストが素晴らしい。
一ノ倉頂上で一息入れ、ガチャを入れた重いザックを背に谷川岳に向う。
谷川岳~一ノ倉岳の中間部の“のぞき”部で一ノ倉沢を恐々覗く。随分な
高度を登って来たんだな~と一人で感心する。
やっとの思いで谷川岳頂上(17:00頃)に到着し、肩の小屋で宴会をとの
意見出たがリーダーに即却下され、後ろ髪を引かれつつ泣く泣く
西黒尾根の下降を開始する。軽登山靴で状態の悪い残雪を恐々と下降し、
足腰の疲れを庇いつつ、ゆっくりと下降する。途中、雪解け水で喉の渇きを
潤し、21:30に登山センターに到着することができた。
(本日の行動時間16時間あまり。。。。疲れた)
久方ぶりの本チャンルートの登攀をこなし、一ノ倉岳の頂上を踏んだことで
充実感がいっそう増すことができた。
パートナーの皆様、ありがとうございました。
武藤(記)
ありがとうございました。
本チャンデビューさせて頂きました!!
そして初谷川・初ダブルロープでした。
いい天気と素敵なメンバーに恵まれ、最高の一日でした。
すっごく疲れたけど 満たされた心で一杯です。
1P目からリードをさせて頂き、3P.5P.6Pもリードで行かせてもらいました。
出発前は 体が竦んで動けない自分を想像したいましたが なんと言う事でしょう!!
たまらない高度感がきもちイイ!! 雪稜とは違う開放感が有りました。
でも、ビレイはダメダメで、登はん中の塚越さんにビレイのロープが追いつかない有様。
こんな私とザイルを結んで エスコートして下さった塚越さん 本当にありがとうございました。
楽しかった岩登りはあっという間に終わり、国境稜線までの長がった事。
それでも、目の前に景色が広がる度に感動します!! 来れて良かった!!!
ひとしきり感動した後、最後の藪漕ぎでは 自分は後何時間動き続けられるのか少し心配に・・・
ヘロヘロになりながら、国境稜線へ到着。ここまで来たら後はは一般道!!もう大丈夫♪
・・・全然 大丈夫では有りませんでした。
まさか ここから6時間かかるとは誰が思ったでしょう・・・
私のナメクジ並の歩に3人を付き合わせてしまいました。
みなさん本当に ごめんなさい。
皆で、叱りながら 励ましながら 岡田を最後まで降ろしてくれてありがとうございました。
勉強不足とトレーニング不足に激しく反省をしています。
塚越さん 武藤さん 鈴木さん 本当にお世話になり ありがとうございました。
次回は少しだけマシになっている予定ですので またご一緒させて下さい。
岡田