北アルプス 唐沢岳幕岩左方ルンゼ

日付 2015/03/28(土)天候 快晴 参加 塚越(CL)、久野、武藤(投稿) Photo Commnent

2015年アイスクライミングのシーズン終いとして唐沢岳幕岩左方ルンゼに挑戦するチャンスに
恵まれた。当初の計画では初日は“大町の宿”までのアプローチとし、2日目にアタックする予定で
あったが、日曜日は荒天の予報が出ていたので、遅くなる事を覚悟で、日帰りでのアタックに切り替えた。
小生は、27日は職場で飲み会があり早い時間の出発が出来ないので、無理を言って、24時に出発
時間としてもらった。
一路、圏央道~中央道を通り、葛温泉の道路終点に4時に到着した。隣には大阪泉州山岳会の
若者パーティーがおり、同じく左方ルンゼを狙うとか。彼らは、1泊のとかで大荷物を背負っての
アプローチだ。
4:30分に出発、七倉温泉までの舗装道路をテクテクあるく。約40分ほどで黒猫のいる七倉温泉に到着し、登山届をポストに投函して東電の保全道路を高瀬ダムに向う。約1時間半でダム下の唐沢出合のダム公園に到着して身支度を行い、雪山に踏み入れる。

途中、堰堤、金時の滝の高巻き行い、幕岩正面壁が望める場所に着く。この国内屈指のロングルートがある幕岩には20代の頃幾度となく通い、20mの大ハングのルートを含め主要なルートはほぼ
登った。まさか、この年齢で積雪時期に来れるとは思ってもおらず、感激もひとしおであった。
正面壁のあまりの大きさのせいか、なかなかB沢に到達できす、四苦八苦する。
ワシの滝の淵を登りB沢のデブリを越えて、数百メーター登るとやっと、左方ルンゼが目の前に
姿を現した。9:00に到着した。腹ごしらえのあと早々に、登攀具を身に着けアタックを開始する。

F1?は氷がほとんどなく、岩と雪のミックス。F2はⅤ級で右側がシャンデリア状態且つ水の滴りが酷い状態であったが、塚越リーダーが苦とせずにリードする。F3は傾斜は強くはないがシッカリとした氷となっており久野さんが少々苦労しながらリードしていく。F4なのかよくわからない氷の塊をムトウが適当に越えて60m程度ロープを伸ばし、アックスを雪面に差して落ちない事を前提とした、不安定なビレーをする。その上は、日差しのあたる氷を登り、最終ピッチは雪面+氷結した雪面を登り、立ち木でビレーを取り実質上の13:00に攀終了となった。

天候が素晴らしく良く、遠望があり後立山から裏銀座につながる稜線の一部が真正面に眺められ
足元には高瀬ダムの緑色の水面があり最高の条件下のもとでのクライミングを行うことが出来た。
最近の記録では同ルート下降が多い様であったため、迷わず懸垂下降をの準備にはいった。

※泉州山岳会は稜線まで出てB沢のコルを下降するとの事で、上部の向かって雪面を登っていっ  
  た。
途中ロープが引っかかったり、好ましい懸垂ポイントがなかったりして意外の時間が掛ってしまい
B沢に降り立った時間が3時過ぎとなったしまった。
※泉州山岳会のパーティーは我々より早くB沢に到着しており、かすかな踏み跡もありロープを
    使う程の悪い個所がなかったとのこと。
登攀具を仕舞、行動食を食べ速やかに下山を開始する。
1時間半ほどで唐沢出合に到着し、長くてダルイ車道歩きをして、18:30頃に葛温泉の駐車場に着いた。

2015/03/21八ヶ岳石尊稜(アルパイン)

日付 2015/3/21(土) 天候 晴れ時々曇り 参加 阿久津(CL)、重盛、早川浩、久野(投稿) Photo Commnent

 5:30美濃戸-06:50赤岳鉱泉-08:20石尊稜取付き-12:30石尊峰-14:50行者小屋-15:50美濃戸

私にとって3度目のバリエーションルートとなりました。天候もまずまず良く、 よい登攀日和でした。アルパインでつめた山頂からの景色は普段の縦走時から眺めるそれとは違い、やみつきになりそうです!

 美濃戸までの林道は随分と雪が解けていました。さて、出発です。

随分と天気が良く、小同心等が映えていたので皆 撮影に夢中。

 ここ数日の暖かさのせいか、アイスキャンデーは解け気味で、この日は登攀制限がかかっていたようです。


 赤岳鉱泉から行者小屋へ向かう道からそれて、大同心中央ルンゼ、小同心ルンゼ、三又峰ルンゼを横切り石尊稜取付きへ向かう。

取付き部。正直私は予習不足で取付き部が良くわかっていませんでしたが(反省。。。)阿久津リーダーはじめ皆さんが写真等を元に判断され、無事に取付き開始。


 登ってます。スラブばかりでホールドもそんなに悪くなく、ある程度余裕をもって楽しめました~。しかし、核心部である下部岸壁、上部岸壁は雪が殆ど無く、雪があったほうが簡単だった気がしました。

阿弥陀様が綺麗でした。

  
雪稜を歩く、重盛、早川ペア。景色もよく気持ちよさげです。

早川さんナイスポーズ!

 上部岸壁に取付く久野、と見守る阿久津さん。

 重盛様と阿弥陀様

雪稜にたたずむ阿久津様


 登頂の喜びを体いっぱいに表現するわれらが阿久津リーダー!

 ハイテンションな重盛さんと早川さん、と単独行の男性。お二人ともすっごく楽しそう!


 石尊峰登頂達成!

 地蔵尾根で下山します。むしろこっちのほうが道悪かったような・・・


行者小屋のテン場は大盛況!

 皆さんのおかげでとても楽しめました!おかげでアルパインにどっぷり浸かっちゃいそうな予感がします!!また宜しくお願い致します!(久野)

2015/03/21-22戸隠P1尾根

日付 2015/03/21~22(土、日) 天候 晴 参加 高橋(CL)、武藤、宮崎、塚越*(投稿) Photo Commnent 
21日7:45大楠川公民館 9:00二俣 14:00熊の遊び場 17:00テント場
22日5:30テント場 9:30P1山頂 13:00テント場 15:00天狗原 17:30大楠川公民館

2014年正月に軽い気持ちで八海山の縦走に高橋と出かけた。2日目絶好縦走日和となったにも関わらず、雪稜の懸垂準備、経験が無くあっさり敗退した。その時厳冬期の雪稜攻略がテーマとして頭に刻まれたものの、冬場はついつい身近なアイスクライミング三昧となっていた。

今回本格的な雪稜攻略としてスノーバー、スコップ持参で意気揚々、戸隠山域に踏み入れたが、結果的に時期遅く「きのこ雪」には会えず仕舞いであったが、登り甲斐のあるルートで満喫できた。普段足の向かない山域に踏み込むのはやはり楽しいし、いろいろ学べ必要なことだとつくづく思った。


登山大系どおり上楠川の公民館より入山。沢沿いに行くがスノーブリッジ数回、高巻有りとアプローチから辟易気味。それもそのはず、ダイレクト尾根末端の二俣から天狗原に上がらなければならないところを延々と沢を詰めていたのだ。

ようやく気づいて沢から上がってしばらくで「熊の遊び場」に着いたが、アプローチ間違え以外にも大きな勘違いを犯し関係機関にご迷惑お掛けしました。大変申し訳ございませんでした。(内容はこの場では控えます)
 

その後気を取り直し本日の泊り場「無念の峰」目指すものの時間切れとなり届かず途中で幕営。
この日尾根では2回ロープ出したが、1回目は早めにアイゼン履いて入れば出さずに済んだ。わかんは持って行かなかったがラッセルは脛から膝くらいまでだった。


翌日3時半起床し5時半出発。昨日後続パーティーが残業し、途中まで偵察に行って頂いたお陰でトレース有りの中、朝の締まった雪上を順調に進んだ。



左手に大きな岩の塊、マッチ箱を過ぎた後、雪壁を3ピッチ分程度進むと、いよいよ無念の峰、P1山頂、蟻の門渡りが望めた。小ギャップから7mほどの懸垂が必要となりスノーボラードを作り懸垂した。


この懸垂は雪が緩むと登り返しが出来なくなりそうだったのでロープを残置した。この時点では時間切れの懸念強く、とりあえず高橋、塚越で行けるところまでで進むこととなり残る2人は小ギャップで待機となった。

雪が締まっており門渡りは問題無し、その後記録ではきのこ雪の処理が必要な雪壁だが、近づいて良く見ると弱点有り、時間掛ると思えなかったので突っ込むことにした。最初の岩登り部分も立派な潅木に、ランナー取れ安心して登れた。

その直後の泥壁と雪壁でもう一度ロープを出した後は山頂も間じかに見れ、登頂成功を確信出来た。山頂の雪屁は通常左から巻いて登るらしいが、右手に裂け目が有りそちらへ進んだ。
ところがこれがただの裂け目では無く、巨大雪屁の重みに耐えられず、地盤から裂けた代物で有り、通過には肝を冷やしたが無事山頂へ辿り着いた。




山頂ではいつも通りビールで乾杯し景色を楽しんだ後、2人が待つ小ギャップへと急いで降りる。ロープ2回目出した雪壁は、スタカットで途中の潅木まで下り、そこから懸垂下降した。
その後蟻の門渡りへもう一度懸垂下降。ギャップへの登り返しも雪がそれほど緩んでいなかったので問題無かったがロープ残して置けば、余計な心配しなくても済む。




2人によると後続パーティは小ギャップまで来たが、時間切れで先に下山したとのこと。雪壁の下り苦手の宮崎さんフォローのため、懸垂必須な1ピッチ以外にも武藤さんが付いて5ピッチほど懸垂。
 
帰幕後、テントをたたみ昨日登った尾根を下降。本日は正解トレース有り、暗くなる前に予定どおり車に戻れた。
 

戸隠神社の奥の温泉で汗を流した後、お楽しみの蕎麦屋に向かうが既にどこも閉店となり、下山後最大のお楽しみはあえなく散った。昨日の「大きな勘違い」のバチが当たったとしか思えなかった。