2019.1.6 大同心沢~小同心クラック

日付 2019/01/06(日) 天候 晴れ  参加 阿久津(CL)、久野、穴井、鈴木(投稿)
 アルバム :https://photos.google.com/album/AF1QipOKMqjytpcogHH1l7l3JozBsRL79fPhAjSLY4ng


今年最初の山は八ヶ岳に行ってきました。

阿久津さんに出してもらった4つの候補のなかから、いちばん無難そうなルートを選んだつもりでしたが・・・

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0時、湘南発。美濃戸に3時半に着き、さっそく登り始める。鉱泉への道のそこかしこに倒木やら土砂に埋まった橋やらがあって、昨年の台風のすさまじさがうかがえる。



大同心沢に入るとようやく明るくなってきた。

小滝の下でヘッデンをしまい、アイゼンとバイルを出す。私は今シーズン新調の新・クォークを加え、ようやくダブルアックスの格好になった。反対側のバイル(今はなきアズター)にはグリップレストがないので、小指がかかるとこんなに引っ張りやすいものかと、ひとり感動。
今日は気持ちよく登れそうだ。(と、この時は思った)


見えてきた大同心大滝。ぶっ立ってます。



阿久津-鈴木、穴井-久野の順に、まずは最下段を登り、左のハング下まで。

A型で登るんだよ、と教えてもらうが、身体はもちろん教科書通りには動かず、よたよたとビレイ点に辿り着く。

上段は、遠目に見た通りのぶっ立ちっぷりで、講習会でしか氷に触ったことのない私には、正直難しいのかどうかもわからない。。

阿久津さんから取付く。が、すぐに戻ってきて、空身で再スタート。シーズン初バーティカルの体には辛いようだ。


今度は順調に中段を越え、垂直部分にスクリューを決めてロープを伸ばす。
でも、核心の傾斜はいったんパンプした前腕を受け付けず・・・選手交代。


続いて久野さん。
キマってます!

ここでもシーズン初バーティカルの罠にはまり、空身に切り替える。
粘りに粘ってトップアウト!

穴井さんにはスクリュー回収&バックロープを曳いて登ってもらう。

久しぶりのうえに重労働で、さすがの穴井さんもきつかった様子。

そして鈴木のフォロー。この頃には先人の苦労が氷柱に刻まれて引っかけで登れる状態になっており、フィフィで休み休み、どうにか登り切ることができた。
もっとも、休み休みのくせに前腕はパンパン。これをリードできるようになるにはどれだけ通い込んだらよいのだろう。
学生には道具が高すぎ、社会人にはシーズンが短くて休みが足りない・・・アイスはなかなか難しい。



すっかり日が高くなってしまったので、先を急ぐ。



ひとつめの滝。


ふたつめの滝。
もうみんなお腹いっぱいで、とりあえず一番易しそうなラインを登った。

視界が開けてきて、源頭が見渡せる。本流にはまだ滝が出てきそうな雰囲気だったが、ここから左のルンゼに入って大同心基部を目指すことにした。

ルンゼ内で先頭を気持ち良く進んでいた時の鈴木。

でもここは、右の草付を拾えばラッセルゼロで済んだらしい。で、余計なラッセルが祟ったのか、私はこのすぐあとにペースが上がらなくなり、あっという間に使いものにならなくなってしまった。
同時に襲ってくる猛烈な空腹感。
ああ、シャリバテか、と気づいた時にはすでに遅く、なんてことない草付を、力尽きて落ちるんじゃないかと恐怖に震えながら這い上がる。


大同心基部で行動食を食べまくって少しだけ復活し、なおもふらふらしながら小同心基部へ。



時間も時間なので、小同心クラックは空身で。


真っ黒。
取付のフェースが核心だそうだが、ホールドスタンスが丸見えなので、困ることと言えばアイゼンが悲鳴をあげることくらい。上部で左へトラバースするという箇所はよくわからず、凹状をひたすら登って行ったら小同心の頭に出た。



横岳の稜線はすぐそこだが、今日はここまで。
結局ほとんど無風の一日、それでも立ち止まるとすぐ震えがくる寒さだった。


下降は凹角にロープが挟まりそうでおっかなかったが、久野さんの絶妙なルートファインディングで無事回収できた。
クラックの大同心側に2P目の下降支点あり。



往路の恐怖が抜けない鈴木は大同心まで戻る自信がないと駄々をこねて皆を困らせたが、腹を満たして見る景色は往きとはだいぶ違って見え、亀の歩みながらどうにか無事に大同心稜へ復帰できた。


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高難度クライマーの先輩たちには、シーズンはじめの大同心大滝に打ちのめされてよい刺激になったようでした。
私にとっては未知の領域で、課題を見つけに行った山でしたが、登攀技術以前に山を歩く体力がないという残念な結果でメンバーに迷惑をかけてしまいました。
今年はゲレンデ通いや下界のトレーニングで満足せず、山に通って体力をつけるよう心掛けたいと思います。


皆さんありがとうございました!



美濃戸4:05-赤岳鉱泉5:30-6:00-大同心大滝(10m+20m7:00-10:40-小同心クラック(30m+30m+20m13:0-14:30-(懸垂40m+40m)―小同心基部15:20-赤岳鉱泉16:20-17:00―美濃戸17:55

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