日山協主催 上級山岳指導員養成講習会(福島県白河市 聖が岩)

日付 2017/10/28~29 天候 曇り/雨   武藤
   

   最新の登攀技術取得を目的として、現在神奈川岳連で受講している指導員養成講座とは
 別に、日本山岳協会主催の上級山岳指導員養成講座を受講した。(参加者:12名)
 
 本講習会は、各セクション共に丁寧な説明もとくになく、検定委員の方が、1回実施した後に、
 即、検定となった。
   
最初の検定は、外岩(聖が岩:3~4級、20m)のリードと、支点構築、懸垂下降を、的確に実施出きるか否かの判定が行われた。
※只、登るだけではなく、登攀前、登攀中、ビレーポイント到着時、懸垂下降中に、どの様な点に
  注意して行う必要があるか、後進に指導する様にしながら行う事が要求された。

 次の検定は、ダイナミックビレーの実践。
 65kgのタイヤを落下させて、制動確保が出来ているかを確認された。
 ※ガッツンビレーのリスク等について、再認識することが出来た。
 
ダイナミックビレーと合わせて、 墜落時のフリクションノットを利用してのロープの登り返しも
実施した。

29日に、墜落時のビレーヤーのテンションからの自己脱出と要救助者の引き降しの検定に
備えて、薄暮の中、各自1回つづ練習を行った。


29日は、台風の影響で酷い雨降りになってしまった為、小さな室内壁で、朝8:00より昨晩練習したビレーヤーの自己脱出と引き降しの検定を実施した。


各種の検定終了後、座学として、講師として来ていた、堤信夫さんの支点構築の関する、講義が
1時間ほどあった。


2日間の登攀技術検定並びに登攀における安全・理論の講義であったが、有意義に受講することが出来た。
次回は、2月に鳥取大山で氷雪技術の検定会に参加しようと思っております。
 

北岳バットレス登攀

日付 2017/10/9~10 天候 快晴 参加 武藤(CL)(投稿)、冨沢

 【紅葉真っ盛りの南アルプス、国内で二番目の高峰北岳にてクライミング!!】


 通常なら2泊3日に日程で余裕をもって登攀計画を立てるが、休みの関係で2日間の日程で
 完登を目指した。
 
 9日7:00頃、ラッキーな事に芦安温泉バス停下の駐車場に空きがあり、装備を整え、乗り合い
 タクシーで広河原に向かう。
 紅葉の白根三山の山並みを眺めながら、広河原まで1時間の林道を走る。
 

 8:30広河原着、荷物確認を行い、吊橋を渡り、広河原山荘にて水を補給して、白根御池小屋
 キャンプ場までの急坂を登る。
 10:45分頃に白根御池に到着し、テントを設営、しばしの休息をとり、11:30頃に明日のルート
 の偵察に出発する。

 八本歯の登り口近くまで大樺沢を詰め(1時間)、D沢らしき大岩の脇より枯れ沢、草つきを登り、
 5尾根支稜、Dガリー大滝部に到着(30分)
 4尾根上に1パーティーの登攀者が遠望された。
   ※雪渓が全くなく、渡辺-阿波パーティーのアタック時とは全く違っている様だ。
 北岳バットレス初見の冨沢さんに、バットレスの主要ルートの説明を行い、日が蔭ると少々寒く
 なってきたので、早々にキャンプ場に戻り、生ビールで喉を潤す。
 


  明日は、登攀を終え、キャンプサイト撤収、16:40最終バスへ乗車の遅れることが出来ない
  タイムスケジュールで行動しないといけない為、16:00頃に夕食の用意を行い、暗くなる頃には
  テントに入り就寝となった。
  
  10日、2:30起床、4:00出発、日の出直後の5:50頃登攀下部岩壁の登攀を開始した。
  

  第四尾根までの下部岩壁は、第五尾根支稜を登る。Dガリー大滝側を登ってしまい、濡 れている上に、支点も全くなく、また岩も脆く怖い緊張を強いられて、2P登りきる。 
 支尾根を登ったあと、横断バンドまでの1Pを冨沢さんが安定感のある登攀をする。
 

  横断バンドを2P半程度ロープを延ばし、Cガリーに入る。

  砕石状態の不安定なCガリーを慎重の登り、4尾根と記述してある赤ペンキの濡れた左上する
  汚いスラブを登り、4尾根取り付きに8:15頃に到着する。
  
  初めてのビックルートにヤル気満々に冨沢さんが1P目をリードする。出だしにカムを決めて
  クラック沿いに登っていく。

  Ⅲ~Ⅳ級の岩場をツルベにて快適に登り、マッチ箱のコル懸垂点に到着。


 シングルロープ1本で20mの懸垂をしてDガリー奥壁に降り立つ。
 Ⅲ~Ⅳ級のカンテと垂壁を2P登り、枯れ木のテラスに到着する。
 

 本ピッチは高度感があり、四尾根のハイライトピッチであろう!
 

 枯れ木のテラスからの20m程度の怖いトラバースにビビリ、武藤がリードを変わる。
 一見、怖い様だがカンテ上にはガバが連続して安定してトラバースが出来る。
最終ピッチⅣ+は、トラバースを譲ってもらったお返しに冨沢さんがチャレンジ!
体が放り出される様な感じの傾斜だが、ランニングピンも随所にあり、安定して
チムニー状のクラックを越えていく。
最終ピッチを越えた、草付部でロープを外し、登攀終了12:30頃
行動食と水分補給をして、重い体を引きずりながら、北岳頂上を目指す。
13:15に頂上到着、到着予定時刻を若干オーバーしたが、たぶん最終バスの射程時間内で
あろう!
頑張って下山しました~
貸切状態のバットレス登攀、充実しました。

※※※

登攀の感想(冨沢投稿)
どこに行きたいかなど、これといって強い願望はなく、みんなが行くところに行ってみたいという安易な気持ちで北岳バッドレスへ。下見で見たバッドレスはここをツルベで登れるのか不安になった。翌日、第5尾根支稜登攀は緊張で体が硬かったが第4尾根主稜登攀の頃にはズンズン登ることが出来た。しかしマッチ箱のコル懸垂後、カンテ上のクラックと枯れ木のテラス後のトラバースで怖さが出てしまいリードを武藤さんに代わってもらう。セカンドで登れば何てことないところだった。『怖いかも』と一瞬思い出すと登れなくなってしまう今日このごろ。北岳の頂上に着いた時にまたバットレスに来ようと思った。

セルフレスキュー講習(レッジにて)

日付 2017/10/15(日) 天候 雨 参加 柴田、瀬沼、阿波、久米、富沢、大熊、武藤(記)
 
 雨降りが続いていたので、15日日曜日は、クライミングジム”レッジ”での自主練習となった。

 10月7日(土)にプロ山岳ガイドから学んだセルフレスキュー技術の復習を兼ねて、下記の
 事項について練習をおこなった。
  1.トップ墜落時のミュールノットによるロープの仮固定
     ※助けを呼びに行く場合に最低限知っておくテクニック
  2.ATCを使った、固定ロープの登り返し
  3.懸垂下降による墜落者の救助
  4.フリクションノットによる自己脱出(登り返し)
     ※マルチピッチで墜落し、中吊状態になった場合に必要
 
  

   頭で解ったつもりでいた事が実践を行う事によりさらに、理解が深まり有意義な時間でした。
   今後も、指導者講習会で学んだ事を、山岳会へフィードバックしていきたいと思います。

2017.10.7-9 錫杖岳「見張り塔からずっと」(完登編)

日付 2017/10/07-09(土日月) 天候 初日雨、後晴
参加  宮崎(CL)、穴井、つか(投稿) 
初日夜に、山口、相原、久野、早川合流

最終日は1ルンゼ冬の下見、Little Wing等々企みあったが、昨日の敗退で全員で本峰を目指すことに。6:00過ぎ出発。

下部は今日もいろいろ探ったが分からず。
あとで調べたところでは3ピッチ目あたりから水流沿いに行くのが正解だった!?
この2日間は常に濡れていたので考えが及ばなかった。

というわけで下部は省略。核心の大洞穴から。

先行したユーセイ、つか組は1ピッチ目、濡れていた下半分を避け入口のリッジ沿いを登り途中から正規ルートへ。
出だしから1段上がったあとはノープロとなるが、そのあたり5.7程度なのでこれはこれでOKかも。

正規ルートにこだわった、くのちんはびしょ濡れの中、余裕だったそうな。

ところが後続はえらい騒ぎ、セカンドにも関わらず選手交代入るは、はたまた荷揚げまでする始末---


2ピッチ目は凹角からスタートするがその後、フェースを右にトラバース。
さらにそこから左上する。プロテクション凹角出てから途中まともに取れたのは1箇所のみ。
ひさびさに痺れた、、、個人的にはこのピッチ、5.9Rで良いかと思う。

去年春に苦労したジャンダルム飛騨尾根を望みながら、1時間以上待った。
こうして見ると飛騨尾根、結構凄いとこ。
2ピッチ目を相原が登って来たところで先に進むとする。

残り山頂まで3ピッチだが、「Ⅱ級スラブ~Ⅲ級草付き~5.7草付、凹角」を例によって間違え「Ⅱ級スラブ~Ⅳ級藪~5.10a凹角」となり、まともな写真ないので以下頂上からの写真。

山頂から見た2ピッチ目終了点とⅡ級スラブ

正解のⅢ級草付き~5.7草付、右手の藪には入らずスラブ沿いトラバースから草付へ


全員山頂へ辿り着いたのは16:00前。
前日医大生におもてなしのお礼に頂いた「ゆべし」美味しゅうございました。


以下「山頂標識、ピッケル、ミニチュア杓状」があるP2で記念写真撮りまくるバカども。




P1を16:00過ぎに出てヘッデン行動考慮すると、車に戻るのは22:00前くらいになるかと思われたが、、、


錫杖沢の岩小屋

逃げ足は早かった。牧南沢を1時間半で下り天幕撤収後、車に19:00前に無事到着。

今回ルート研究不足、落石他有り、反省しきりの山行でもあった。
やはりアルパインはフリーの延長で来ると痛い目に遭うのである。

2017.10.7-9 錫杖岳「見張り塔からずっと」(敗退編)

日付 2017/10/07-09(土日月) 天候 初日雨、後晴
参加  宮崎(CL)、穴井、つか(投稿) 
初日夜に、山口、相原、久野、早川合流

3連休初日、雨の中1時間半かけ入山。6人用テント担ぎ上げ張るも場所悪く浸水。
焚火する元気もなくテントで茅ヶ崎恒例のしゃぶしゃぶ(肉は各自持参)をたらふく食した。結果的に暗くなっても雨止まなかったので正解。後発隊は22時過ぎに騒がしく合流。

翌朝5:50「注文の多い料理店」狙いの相原、久野、早川を残し早々に出発。

「注文の多い料理店」の壁はびちょびちょに濡れていたが、北沢は風が通るためか取付き付近はほぼほぼ乾いていた。
1,2ピッチ目はユーセイリードでリンクして登りザキミヤ、絵理ちゃんペアを待つ

3ピッチ~5ピッチ目は判然としなかった。

メンバーそれぞれの思惑あり「見張塔」のルート真面目に下調べして来なかったため、中央稜を詰めすぎ、小洞穴を大洞穴と勘違い怪しいルートに取付いた。
                   小洞穴

ユーセイが1ピッチ行ってみたものの如何せんボロボロ。ここでやめておけば良かったものを続いて取付き、最後には業務用オーブンサイズの落石まで落とす始末。深く反省。
                背景が烏帽子岩

結局1ピッチ登ったところから懸垂で下りたが、今度はロープ回収不能なりユーセイがタイブロック2個使いで登り返し回収。携帯でルート研究し大洞穴が見えるところまで右俣沢を下りた。
この時点で13:30、時間も時間なので右俣沢をこのまま下りようかと探るが悪そう。ここでまた携帯取り出し、烏帽子岩基部を巻いた記録を発見。そこから左方カンテの終了点に下ることにした。

                  大洞穴

烏帽子基部へ懸垂。


烏帽子岩から左方カンテ方面への途中で

本峰P1、P2と烏帽子岩。(大洞穴がバッチリ見える。)



ルート間違えておいて言うのも何だが、左方カンテや注文登ったら終了点から30分頑張って、この景色を満喫した方が良い。錫杖岳上部の岩場概念が良く分かり何よりも達成感が違うであろう。

最後は注文を懸垂順番待ちしながら下降し終了。


天場では既に戻っていた3人と合流し、若干の焚火と今宵は絵理ちゃんのにんにく塩鍋をご賞味。
東京から1人で来ていた医大生も交え、10月にしては暖かい夜を外で過ごした。