2019.1.12-13 金城山北尾根 (その1)

日付 2019/01/12(土)-13(日)  参加 鈴木(CL、投稿)、塚越、宮崎、越野、中村
アルバム :https://photos.google.com/album/AF1QipPPVH5MD6R4o5AVog8jxBeMhWfRO73xCmF9EEch

金城山北尾根 って、結構ミーハーな対象だと思っていたのだが、メーリスに流した山行予告への反応は意外なものだった。
「どこの山?」「どんな本に載ってたの?」
どうやら、あまりメジャーな山ではないらしい。すくなくとも茅ヶ崎では。

それならと、「go○gle」と「Yah○o」で検索してみた。
どちらも、最新の記録は2006年。
まさかそれから登った人がいないわけでもあるまいが、どこを登ったと言ってはネットに上げ、どこを登れなかったと言ってはブログに上げ(←俺たちだ・・・)、フルカラーの厳選ガイド本が売れる、近頃の文化?からかけ離れた存在であることは間違いない。

これはひょっとして「食○ログ」や「ホ○トペッパー」には載らない、隠れた名店なのかも。

ちなみに(前置きが長くなるが)ネット情報でわかったことは二つ。
・懸垂下降が1か所出てくる
・あとは雪の状態次第
さしづめ「この寿司屋に入ったら玉子焼きを頼むべし」「味は仕入れ次第」といったところか。
前評判どおりの結果を期待する向きには敬遠されるだろう。

できれば然るべき山岳会の年報でも調べに行こうと思っていたのだが、時間が作れず、今回はこの情報で我慢することにした。

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1日目 晴れ

そんなマイナー?なルート、しかも計画書に「トレースがついていたら隣の尾根に変更」とか但し書きしてある計画でも、参加してくれる人はいた。それも4人も。

水無沢を挟んで左が水無コース、右が今回の北尾根(塚越さん作図)。
今年はまだ少ないそうだが、北面にはいちおう雪がついている。

夏の登山口へと続く農道にはトレースはなく、第一関門はクリア。かといって新雪のラッセルというわけでもなく、条件はよいようだ。

末端から北尾根へ。さっそく岩峰が現れ、右を巻き上がる。尾根をはずれると膝くらいのラッセルになり、ところどころトップは空身で進む。

続く600mへの登り。ぬーっと切り立った岩峰が現れ、ビビる。
けれども、よく見ると歩いて通過できるルートがあり、ひと安心。
このあたりからルートファインディングが楽しくなる。
所詮は正面突破か、右から巻くか、左から巻くかの三択なのだが。

前進、前進、前進。
踏みこむと軽く膝上まで潜る。急斜面では雪に頭を突っ込んでのラッセルだが、そこそこ締まった湿雪で1,2回蹴りこめばしっかり固まってくれるので、見た目ほどの辛さはない。
ただ、つま先が反り上がったタイプのワカンは蹴り込みが利かないようで、皆苦労していた。
私は東京のさかいやオリジナルの反りのないワカンを愛用してきたが、今回の山でバンドが切れてしまった。今はもう作っていないそうだ。
現在流通しているものより一回り大きく、爪に厚みがあり、バンドもしっかりしていて、この手の山にはめっぽう強い。
ぜひ復活させてもらいたいのだが。

閑話休題。
マッターホルン状岩峰というのはこのあたりだろうか。
今回は雪が安定していたので気にしなかったが、もう少し間隔を空けて歩くべきだったか。

急登が続き、もう核心部を越したんじゃないかと思う頃、ヤブから頂稜へ巻き上がると、そこは小さなキレットになっていた。
ははあ、懸垂ポイントというのはここだな。
カモシカも、こいつら何をするんだという目でこちらを見ている。

クライムダウンできそうだったのでビレイしてもらって下り、最後尾だけ懸垂下降。

目の前には次の岩峰があり、こちらは、もはやこれまでかと思うくらい尖っている。
が、巻けた。もちろん雪の付き方によっては巻けない。そういう時は、谷底まで懸垂して登り返すことになるのだろう。そんな記録もあったっけ。

二つの岩峰を背に進む。
このあたり、左右からルンゼが入り込んでいて雪面の起伏が読みづらい。ナイフリッジだと思ってロープをつけて行ったら岩壁の基部の平坦地だったり、雪壁を登っていったら隣は易しいリッジだったり。
とにかくルート探しが楽しくて仕方がない。
それもこれも、天気のおかげだ。無風快晴、おまけに北面なので日射しで雪が腐ったりしない。吹雪いてたら、こんなところ登れないよなーと思う。僕らはラッキーだ。

そろそろ核心部も終わったかと思う頃、940mあたりに平坦地があり、今日はここまで。

目標の1150mまでは行けなかったけれど、もう200m登れば、あとは歩くだけだ。
なかなか楽しいルートだったなー。
明日の昼には下山だなー。
風呂と、へぎそばと・・・。
妄想をふくらませながら、宮崎さん仕込みの鍋に舌鼓を打つ。(つづく)

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