2019.1.12-13 金城山北尾根 (その2)

ブログが長くなってきてしまった。
1泊2日(+予備日1日)の山なのに。
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2日目 曇り

今日も無風で視界良好。多少の雪はちらついても、大きな崩れはない予報。
予備日の分の肉とほうれん草を放り込んだ豪華ラーメンをかきこみ、ヘッデンをしまって出発。
平和なラッセルを5人で回してゆく。

尾根が入り組んでいてわかりづらいが、我々は正面の岩峰を右から巻いてすぐに稜線に戻る。
この手のルートどりにもだいぶ慣れてきた。来た甲斐があったというもんだ。

あれ?
なにやら見栄えのするリッジになってきた。難所はまだ続くのだろうか。



スコップを振り回してのラッセル。非常に効果的。
本人は大まじめで片方のスタンスに立ちこんで、要するにクライミングのつもりなのだが、写真ではご覧のとおり。


あれれ・・・?
おかしいな、核心部は昨日で終わったと思ったのだが。
たぶん、昨日皆で軽口を叩きすぎて金城山の神様が怒ったのだろう。
都合4ピッチロープを出し、荷揚げ、肩がらみ確保、木登り、岩登り、いろいろやって、やっとこさ1100mの頂稜に乗った。

さすがにもう何も出てこないでしょ、と思いつつ、神の御怒りが怖いので口をつぐんで歩く。
それがよかったのかどうか、あとは快適な雪堤歩きで1150m地点へ。

さっきまでの苦労がウソのような林間ハイキングとなり、脛前後のラッセルに飽きたころ、山頂に到着。



解放感満点の広々とした山頂で、本日初めてのまともな休憩。
軽口も復活した。よーし、今日中に下りるぞ!!

でもこの解放感、ちょっと危険な香りが・・・


嫌な予感は的中するもの。
ルートファインディングが核心の下りで、ガスがやってきた・・・

金城山名物の岩峰の巻きで、シュルンドを避けて岩峰の縁を歩いていたら、向こう側の雪庇が
ズドン!
と落ちた・・・

岩峰からの急斜面の下りで、60㎝の深さに弱層があり、念のため一直線に一人ずつ降りた・・・

ようやく目的の長崎尾根に乗ったら、我々を嘲笑うかのようにガスが消えた・・・

金城山の神様は、わざわざ大変な思いをしに神奈川からやってきた珍客をもてなすために、最後まであの手この手の接待をしてくれたようだった。

結局、入山から下山まで、人間とも、人間の足跡とも出会わなかった。
出会ったのは、巧みなルートファインディングで尾根を行ったり来たりするカモシカと、ウサギ、キツネの足跡だけ。

茅ヶ崎に入会して初めてリーダーを志願した今回の山。
拙いリーダーだったが、一緒に過ごせた仲間、留守を預かってくれた仲間のおかげで、なんとかここまで来ることができた。

事前にわかった二つの情報は、必要にして十分だった。
あとは行ってみてのお楽しみ、という未知こそが今回の山の最大の面白さであり、その未知を克服する力量を問われているという実感が、前進し、あるいは立ち止まる力になった(たいていは前進していたけれど)。
これからも、茅ヶ崎の仲間とともに、隠れた名ルートを訪ねる山旅を続けてゆきたい。


長崎尾根末端の神社は秋葉山神社というのだと、通りかかった地元の方が教えてくれた。
除雪された車道へと延びる参道の正面に、もう沈んだはずの夕陽が、ちょっぴり眩しかった。

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1/12 中川新田8:00―北尾根取付8:50―岩峰(10m+10m+歩き+40m)14:00-15:00―930m天場15:20
1/13 出発6:30―核心部(10m+歩き+20m+25m+歩き+10m)7:30-11:20―金城山12:30-55―秋葉山神社17:00

お疲れさまでした!!

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