アルバム :https://photos.google.com/album/AF1QipOCKrPwcTkBHna9qOnvk6A89Y84GavvYDwQRoNC
私の中での今回の旅のひそかな最大の目標は、モンブランにトラバースルートから登頂することでした。
現地入りしてお天気予報を見ると、初日以降は下り坂。一旦雪が積もってしまうとトレースもなくなるし、コンディションが悪くなってしまうため登頂は難しくなってしまう。複雑な気持ちで、ツーリストオフィスでコスミック小屋の予約を済ませる。
案の定登頂予定日までのお天気は今一つ。宿泊前日に小屋にリコンファームの電話をし、天候について尋ねると、雪とのこと。コスミック小屋入りする日は丁度パリ祭の日だったため、メンバーからはどうせダメなら小屋はキャンセルして、街でイベントを楽しもうという意見も出る。
行ってみてダメなら仕方ないが、行かずに諦めるのは悔いが残りそうで、話し合いの結果わがままを言って、ダメもとで行ってみることにしてもらった。
14日の日中は各々ショッピングやパリ祭のパレードを楽しみ、この日帰国の相原君を見送る。
夕方のロープウェイでミディ山頂へ。案の定外は真っ白で吹雪いている。初日に来た時とはえらい違い。
ホワイトアウトで小屋までもたどり着けるかやや不安だったが無事に到着。小屋の入り口にはギア置き場があり、その奥には靴を置く広いスペースがあって便利。
レセプションで受付を済ませると、明日はどこに登るのかと聞かれる。モンブランに行きたいのだけどと伝えると、案の定新雪が30センチ積もっているので行かない方が良いと言われた。
小屋は出発の時間によって朝食が1時、3時、5時、7時に分かれており、部屋も同じ出発時間の人でまとめるシステム。受付の時に朝食の時間を決めなければならない。明日はモンブランに登る予定の人はいるのか尋ねたところ、1時に2人、3時に5人いるとのこと。みんなで顔を見合わせ、とりあえず3時にして行くだけ行ってみようということになる。
夕飯まで部屋でくつろぎ、食堂へ。可愛らしい装飾に立派なキッチン。小屋に泊まる経験ができただけでも来て良かったな。
夕食はコース料理で、スープ&チーズ、とまとのオーブン焼き、マッシュポテトにお肉。デザートはマスカルポーネ。どれも美味しいけど日中食べ過ぎてみんな食が進まず(笑)。私は高度順応を気にしてスパークリングウォーターにしたけど、みんなはビールで乾杯。逞しいなあ。
夕食を楽しんでいると、同じテーブルに座っていた人に明日はどこに行くのと話しかけられた。モンブランに行くだけ行こうと思っていると答えると、明日登るのは死にに行くようなものだと言われる。声をかけてくれた人は山岳ガイドさんでした。モンブラン・デュ・タキュールは丁度雪崩が起きやすい斜度で、2週間前にも雪崩で人が亡くなった話などを語られる。そんな話をきき、明日はやっぱりやめておこうというムードに。窓の外はまだ雪が深々と降っている。お天気予報は明け方から晴れの予定だけど止むのだろうか…。親切なガイドさんは、新雪が積もっていても行けそうなルートを地図を出して教えてくれ、明日はそのルートに行ってみようということで落ち着いた。
ガイドさんが連れているお客さんとも少し歓談。二人はデンマークとハンガリーから来ているとのこと。デンマークは平らな国で、一番標高の高いところでも数百メートルらしく、高山病で頭痛がすると言っていた。なんとシャモニーに来てからアイゼンを初めて履いたとのこと。こんな何気ない会話も旅ならではで楽しい。
翌朝は3時の朝食に間に合うように起床。外は満点の星で、シャモニーの街の夜景が綺麗にみえる。こんな登山日和なのに登れないなんて…。小屋の朝食は温かい飲み物以外はセルフサービス方式。ハンドルを回すとシリアルが出てくるマシーンが面白い。家にも欲しいな~。
朝食後、せっかく早起きしたので日の出をみようと早々に身支度をして外へ。新雪が積もってトレースのない斜面を歩くのは気持ちが良い。日の出を待ちつつ写真を撮っていると、早朝モンブランへ出発したパーティーが次々と引き返してくる。やはりコンディションは悪いようだ。
当初ガイドさんに教わったルートに行くつもりだったが、雪のコンディションを気にして簡単な雪稜に行くよりも、朝一のロープウェイで降りて、今回まだ行っていない赤い針峰群にクライミングに行ってみることを提案。みんなの賛同が得られ出発することに。
途中グランドジョラスの近くからの日の出を満喫。山々が日の光でオレンジに染まって綺麗だ。昨日はどん底まで沈んだみんなのテンションも、この美しい景色に一気に最高潮になる(笑)この景色がみれただけでも、コスミック小屋まで来て良かった。いつかはあの格好良いグランドジョラスにも登ってみたい。
ミディの山頂駅近くまで登り返し、赤い針峰群方面をみると、なんと2000m峰にも関わらず積雪がある。クライミングは厳しそう…。それでもどこか行けるところに行こうとロープウェイに乗りこむ。
結局雪の降っていなそうなブレバンに再度行き、楽しめたので結果オーライであった。
帰国の日、シャモニーからジュネーブへ帰るバスの中から、太陽に照らされて光るグーテ小屋がみえ、モンブランに登れなかった悔しさがじわじわとこみあげてきた。
今回は計画段階では、モンブランも登れたら登ろうという曖昧な意気込みであったため、事前のトレーニングにも気合が入らず準備不足であった。今回登れなかったのは、きっとまだ登るのは早いよ、ということなのだと思うことにした。
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