神ノ川 伊勢沢 沢登り

日付 2016/8/16(火) 天候 曇り 参加 相原、他1名
八月のオツルミズ沢の足慣らしとして近場で大滝登攀が味わえる伊勢沢に向う。神ノ川ヒュッテ手前の駐車スペースに車を止めて、林道を約30分で曲がり橋に到着。曲がり橋すぐ先の大岩付近から、踏み跡(明確)を辿り入渓点へ。途中トンネル入り口の頭上に大きなスズメバチの巣があり、注意必要。
曲がり橋
大岩
入渓点
しばらくして最初の2段6m。左から上部は残地ロープあり。フリーで問題なし。
10m滝。ロープをだし左から。残置2本あり。やや脆い
50m大滝は50mロープで左の凸凹から1pで落ち口へ。残置ハーケンは2枚と少ない。下部はカム1個と潅木でとる。傾斜はきつくなく真ん中はテラスになっており、フリーでもいけなくはない感じだった。1pで行くと、ロープいっぱいの為落ち口に良いビレイ点がなくカム2個で支点を作る。2pなら上部の立ち木でとれる。水流すぐ左のカンテのルートの方が難しい登攀ができるだろう。

詰めでは枝沢がいくつかでてくるが水流のある沢に入ると滝場が続きまずまず楽しめる。
藪漕ぎなく登山道へ合流し姫次から袖平山を経由し駐車場へ戻る。
 

剱岳チンネ左稜線

日付 2016/8/19-21(金土日) 天候 晴れ 参加 瀬沼(CL)(投稿)、斉藤
アルバム:https://goo.gl/photos/JFH18HzjidN6XNoRA

今年は雪が少なく雪渓のコンディションが非常に悪い為、熊の岩からのアプローチができず剣岳から北方稜線経由での山行となった。

コースタイム 8/19 室堂11:00~剱澤キャンプ場14:00
         8/20 剣澤キャンプ場2:00~剱岳山頂4:30~チンネ左稜線取付き6:45
              チンネの頭12:00~剱岳山頂15:00~剱澤キャンプ場18:00
         8/21 剣澤キャンプ場6:30~室堂9:00

コース状況  剣岳山頂までは一般ルートなので問題なし、北方稜線は特に難しい所は無いが、
         踏み跡が多数ありルートファイディングが難しい、三の窓の雪渓のトラバースは今回  
         は所々アイスバーンになっておりアイゼンが必要(軽アイゼンでOK)、チンネ左稜線
         は、ハーケンも打ってあるがカムがあった方が安心(キャメロット0.75~1#)、ハー  
         ケンには、ヌンチャクが入らない所が多く細引きが多めにあった方がいい。ルート全    
         体では浮石も少なく快適に登れる。基本的にはガバの連続。チンネの頭からの懸垂 
         は3ピッチで池の谷ガリーに下りれる。
         ※クライムダウンも可    
                                                                           
 トンネルを抜けるといよいよ黒部ダム。これからの山行を思い浮かべ胸が高まる。

 そんな 中、現れたのが黒部ダムのゆるキャラ「くろにょん」、この写真を撮るのに順番待ち(意外と人気)。
室堂は快晴。気温も20℃ぐらいで快適。
 ライチョウが出迎えてくれる。立山はライチョウが本当に沢山いる、この自然を大切にしていきたい。
 剣澤キャンプ場。
 夜中の2時に出発。台風も接近中で午後の天候は不安定。午前中にチンネ左稜線を抜けたい所  だ!
 剣岳山頂。ゆっくりはしていられない、先を急ぐ。

池ノ谷ガリーを下る。かなり足場が悪く、時間が掛かってしまう。
三の窓からチンネ左稜線を望む。
チンネ全景。
三の窓の雪渓トラバース。今回はアプローチシューズに軽アイゼン。ソールが硬く、キックステップが出きればアイゼンなしでも行ける。
取付きからチンネ左稜線を望む。
1ピッチ目 斉藤リード快適の登る。
3ピッチ目。フォローで登る。
6ピッチ目のフェイス。最高の青空と最高のルート。しかし後立山の峰々には笠雲が!
核心のピッチ、斉藤リード。この頃から風が強くなり雨もパラツキ始めた、早く登らなくては!
強風でザイルが横に流される。そんな中、問題が発生!ザイルが足りなくなる(50mロープ)
見た目で結構長いなと思ったが、案の定足りない。斉藤さんにセルフを取ってもらい、最上部のテラスまで登りクリア!(核心ピッチは2ケ所ビレイポイントがあるが50mロープの場合は最上部で)
核心ピッチ。フォローで登る、基本的にはガバの連続なので落ち着いてホールドを探せば難しい所は無し。距離が長いのでヌンチャクは多目に準備した方が安心。
核心ピッチの後は、ナイフリッジが続く。かなりの高度感。



チンネの頭。岩の上に立とうとしたが、雨も降り風が強いのでやめました(ビビり)笑い。
斉藤さん お疲れ様でした。今回も安定感のあるクライミングで安心して登る事が出来ました。
帰路の北方稜線。まだまだ気を抜けません。
剣岳山頂まで戻って来ました。この頃には天候も回復し青空も!後は一般道を下山するだけ、しかし長い。

下山の日の朝。もっとこの場所に居たいな!
ブロッケンも見る事が出来ました。
帰りもライチョウが見送りに!
今回の山行は、三日間とも天候に恵まれ最高でした。さすが「岩と雪の殿堂」と言われるだけあって本当に岩だらけ!下山中は「しばらく剣はいいかな~」なんて思っていたが、このブログを書いている時には、今度は剣の「どのルートを登ろうかな」なんて思っています。本当に最高の山でした。


2016年8月19-20日 越後駒ヶ岳 オツルミズ沢

日付 2016/8/19-20(金土) 参加 相原(CL)、塚越、久野、穴井(投稿)

アルバム:https://goo.gl/photos/hK6rvcarFZcC4V6H6

行程:8/19 越後三山森林公園(6:00)-サナギ滝(12:00)-大滝上BP(16:30)
   8/20 大滝上BP(5:00)-越後駒ヶ岳(10:00)-クシガハナ経由-越後三山森林公園(14:00)

天空から落ちる水(オツルミズ)の如く直瀑を連ねる"サナギ滝"5段 200m

昨年9月に挑戦し、崩壊雪渓の前に為す術もなく敗退を喫したオツルミズ沢へ。
カグラ滝、サナギ滝、大滝を筆頭に攀じれども攀じれども現れる長大な直瀑群、頼りない草付きに身を預ける気の抜けない高巻きの連続、簡単には突破を許してくれないゴルジュに崩壊スノーブリッジ、噂に違わぬ内容の濃さは上信越を代表する屈指の茗渓でした。

8/19 6:00 本日のオーダーは前回の敗退時と同じ4名にて。越後森林公園に車を止めて準備を済ませ、一同リベンジを期して出発する。前週の利根川本谷は雪渓無く、今回は安心と高をくくっていたが。。

6:30 林道を20分ほど歩いて入渓点へ。ここから第一核心のカグラ滝までは前回トレース済みの為、時間短縮も兼ねて巻き道へ。巻き道は林道を15mほど進んだところにある赤テープを伝い左岸から。

7:00 カグラ滝 80m下に着く。すぐ後続に2人組が来たため早速、滝に取り付く。前回と同様に下部をフリーで上がり、傾斜の強くなる残り1ピッチでロープを出す。右壁の草付きコンタクトラインを灌木でランニングを取りながら直上。塚越リード。
以降、同日程のパーティーはどうやら我々と2人組の2パーティーのようであった。


前日からの雨の影響もあってか、オツルミズ沢は濡れているところは総じてヌメっており嫌らしい。今回は相原、久野がステルスソール、塚越、穴井がフェルト靴を履いてきており、お互いにあーだこーだと言い訳を話しながら各々登りやすいところを登っていく感じとなった。

 昨年(2015)の崩壊雪渓
8:00 前回の敗退地点。昨年はここから左岸を2ピッチ悪く高巻くも、懸垂も出来ずに行き詰ったが、崩壊雪渓は跡形も無く消えており、代わりに深く切れ込んだゴルジュが顔を覗かせていた。遥か最上段には核心のサナギ滝が見え、相当の標高差を伴っていくつもの滝が落ち込んいる。

20分ほど進んだ地点で水流が左に大きく屈曲する箇所が現れる。目を疑ったが沢床には雪渓が僅かではあるが残っていた。ここで小休止を取る。

屈曲した水流はそのまま傾斜の強いゴルジュの形相をなしており、先には厳しそうな滝群が連ねっていた為、左のリッジから高巻くことに。浮石多数で落石に気をつける。後続の2人組はこの滝群(ニセサナギ滝?15m、5m、12m)の左岸をハーケンを打ちながら突破していったようであった。

1時間ほどの巻きで適当なリッジを伝って沢床に戻る。フリーで降りたが結構悪く、後でロープを出すべきだったと3人で確認した。

 沢床からは水流をトラバースし、15mのナメ滝は左岸のやせたリッジ伝いに登る。その後の40m、7m 3段は灌木等を伝いながら各々フリーで越えていくが、サナギ滝はまだ遥か上。登っているのに近づいている感じはせず。

10:00 ようやくサナギ滝 5段 200mの最下段ドームに着く。ハング部分は越えられそうにない為、右岸から上部まで高巻くことに。休憩の後、2人組に先行してもらい、我々は取り急ぎアルコール燃料を補充することとする。巻き道はそれなりには明瞭。
高巻き途中から日差しが強くなり、暑い。早くも燃料を切らした者が出始める。頼りない草付きを選びながら集中力を切らさないよう、慎重に。

サナギ滝落ち口まで4ピッチを残した地点からロープを出す。1ピッチ目は出だし被り気味だが草付きを交えた直上。沢中に残置ハーケンはほぼ無く、灌木で取ったり打ったりする。塚越リード。相原、久野はステルスソールを生かして左の岩が露出した箇所をフリーで抜け、ビレイ点で合流した。

2ピッチ目。水流方向に右上気味に登る。高度感は抜群で快適。穴井リード。

3ピッチ目。水流際へトラバース。灌木があるので安心できるが、絶対に落ちれないので念の為ロープを出した。相原リード。

4ピッチ目、今回の核心ピッチ、Ⅳ級。落ち口まで、水流の左に走る凹角のオフフィズサイズのクラックをスタンスを拾いながら登る。核心部はスタンスが高く、レイバック気味に登った。最後は凹角を直上せず、途中でカンテに移り直上した。残置ハーケンが3枚。穴井リード。

12:00 サナギ滝落ち口にて適当な岩角でビレイし、フォローを迎え一安心。 先行の待ち時間含め下から2時間ほどでサナギ滝を抜ける。

 サナギ滝を抜けると再びゴルジュ帯に突入する。行けるとこまで突破するも、ゴルジュが厳つくなったところで右岸を2ピッチ高巻くことに。トポによれば通常はサナギ滝上から大滝までのゴルジュ帯は灌木ビバーク覚悟で右岸を大高巻きするそうだ。
 1ピッチ目、出だしに錆さびのハーケンを見つけるがヌメっており悪いため、後続にザックを託し空身でロープを伸ばす。50m一杯でなんとか灌木まで届きビレイ。穴井リード。

2ピッチ目、最短距離で沢床に戻るべく、下降気味にトラバース。際どい草付きにぶら下がる格好になり非常悪い。フォローが落ちて振られると15mほどの直瀑めがけて激突しかねる。相原リード。先行していた2人組は悪く見えた左岸を上手く巻いたようであった。

その後のゴルジュ帯は登れる滝が多く、泳ぎやへつりを駆使して突破していく。
泳ぎ中にマムシが流れてくるハプニングもあったが、相原さんの絶叫と気合で乗り切る。


 14:30 本日最後の核心、大滝 80mが見えてきた。いい加減、登りに飽きが入り始めるが、大滝上には快適なBPがあるとのこと。小休止を挟みアルコール燃料を補給する。トポでは右璧が登りやすいとあるが、先に取りついている2人組は左壁を攀じっている。見た目にも左壁のほうが乾いていて登りやすそうだった。下部は取り付けそうにない為、30分ほど右岸を巻き、落ち口まで3ピッチほど残した中間地点に懸垂で降り立つ。

 1ピッチ目、2ピッチ目は好きなところをフリーで上がれた。

3ピッチ目から傾斜がやや強まり、ロープを出す。水流際はやはりヌメっており、一瞬ではあったが雨も降り始める。ステルスソールの相原さんは少し手こずったか?ハーケンを打ちつつ突破していく。相原リード。

落ち口から谷を望む。落ち口手前で右璧に移り、大滝を超えればBPはもうすぐ。

 16:30 大滝上BP 左岸からは明瞭な支沢が落ち込んでおり、開けた出合いは薪も豊富に取れ快適。増水にも耐えらそうな石畳の上に荷物を広げた。

夜には好天となり懸念していた雨にも降られることはなかった。星空も輝き、やはり沢の夜は良いと感じながらタープは広げず眠りにつく。夜半、谷を吹き下ろす風が強まりシュラフカバーではやや寒かった。


8/20 オリンピックのラジオ中継を聴きながら支度を済ませ5:00出発。出だしから微妙な高巻きを交えながら、10m~30mの滝が10段ほど続く。登れる滝は登り、巻くところは巻く。巻きは良くない滝が多かった。源頭の雰囲気が出てくるもまだまだ先は長そうで気は抜けない。

 
6:30 泳ぎの水が急に冷たくなる。「流石に今回は雪渓なんてないよね?」「朝だから冷てんじゃねーの?」などと冗談も飛ばしながら、しばらく進むと不気味なスノーブリッジがひょっこり顔を覗かせていた。

 スノーブリッジは100mほどが2つ。後から聞くと2人組は前日に上を巻いたそうだが、SB童貞を2名含む我々パーティーは朝ということもあり、迷わず潜ることとする。入り口はしっかりしていたが、奥に進むにつれ抜け口は崩壊寸前の模様。ゴルジュは厳つさを増し、へつりや泳ぎを交えつつ、冷や汗で突破。メンバーの動作がみな異常に素早く、的確であった。

 

抜け口は雪渓が崩壊しており、異様な光景。スノーブリッジは潜るか、巻くかの見極めを正しく行なわないといけないと痛感した。


 雪渓を抜けた後も、10m程の滝が続く。 2時間ほどでようやく稜線が見え始めると水量は少なくなり、いよいよ源頭が近づいてくる。

8:00 2段 8m 最後の滝手前は河原上になっており、よいBPとなっている。2人組はここまで前日に足を伸ばしていた。小休止を挟む。

源頭部は癒し系のナメが続く。谷が開けてくると気持ちも安心してきた


 10:00 小屋の水場から右岸にあがり、駒ノ小屋に到着。晴れたりガスったりという天気であったが、登山客で賑わっていた。装備を解除し、大休止。
燃料も補給する。山頂はもう目の前。

10:40 越後駒ヶ岳山頂。前回、苦杯を舐めたメンバーと無事にリベンジでき、充実した山行になった。


下山はクシガハナを経由し2時間ちょうどで林道へ。1時間ほど歩いて駐車場へ戻った。
相原さんオススメの五十沢温泉(混浴)に入り、帰途についた。