2015/10/3-10/4 北岳バットレス【ピラミッドフェース・第四尾根主稜】

日付 2015/10/3-4(土-日) 天候 晴れ  参加 阿久津(CL)、相原、久野、穴井(投稿)

10/3(快晴) 5:30芦安市営駐車場-6:45広河原-9:30白根御池小屋-12:00バットレス下部岸壁取付き-14:30第4尾根取付き-15:45白根御池小屋

10/4(晴れ) 3:00白根御池小屋-5:15バットレス下部岸壁取付き-6:30第4尾根取付き-10:30マッチ箱のコル-11:30第4尾根終了点-12:00北岳山頂-13:00白根御池小屋-15:00広河原


若手だけでアルパインルートをやってみたいねと、かねてから声を掛けていただいていた阿久津さんの企画により実現した、北岳バットレスのクライミング。全員が初めてのバットレスにも関わらず、快晴の秋空のもと存分にクライミングを堪能してきました。


10/3 前夜発にて3:00に芦安に到着。紅葉ハイシーズンということもあり、殆ど満車状態の中、2時間の仮眠を取り、乗り合いタクシーにて広河原へ。雲ひとつない快晴の中、まずは白根御池小屋を目指す。


高度を上げるにつれ色づき始めた紅葉に目を取られ、小屋までの急登の尾根もキツさも忘れて登った。



 9:30 白根御池小屋に到着。久野さんと共に早々とテントを設営する。小屋の人に訊くと今日はまだ、バットレスへ取り付いたパーティーはいないとこと。少し遅れて小屋に上がってきた阿久津さんと相談し、取り付いてみて行けそうだったら、3日のうちに第4尾根をやって山頂を踏んでみようという運びになった。


準備を整え、いざ出発。取り付きまでは1時間半ほど。



大樺沢をつめ、D沢に一旦入った後、すぐC沢との間の尾根上を詰めるはずであったが、バットレス沢を詰めてしまったため、上部のザレ場でトラバースを強いられた。


下部岸壁の取り付き点、1ピッチ目。ピラミッドフェースの左隣のルート(第5尾根支稜?)から取り付く。Ⅲ級ほどの岩場を3ピッチ繋げて、第4尾根取り付きへの横断バンドへ出る。




13:00 下部岸壁から、ピラミッドフェースを見上げる。右のリッジ、第4尾根を見上げると所々、人影が。どうやら大渋滞のようである。時間も考慮し、この日は当初の予定通り偵察ということにして、下降することにした。



鳳凰三山に黄昏れる久野さん



午後に入り、日が陰ると急に冷え込みを感じた。



15:45 白根御池小屋に戻って乾杯。この後、仕事を終えて飛ばしてきた相原さんも合流し、盛り上がったが、前夜発ということもあり皆さんお疲れのようで、17:00前には次々と寝袋に消えていった。





10/4  前日の混雑状況から、早めに出発しようということで、1:30に起床。さすがに他のテントは誰一人起きていないようであった。粛々と準備を済ませ、3:00に出発した。天気予報は外れ、この日も天気は晴れとなった。


第4尾根取付きまでの下部岸壁は前日のルートで登る。


7:00 横断バンド。この先の崩壊気味ハングを上方に行くとピラミッドフェース取り付き。ハングくぐり、トラバースすると第4尾根下部リッジ取り付きへ出る。



当初は4人共にピラミッドフェースを登攀する予定であったが、時間・メンバーの体調を考慮して、相原・久野組がピラミッドフェース、阿久津・穴井組が第4尾根主稜に分かれて登ることとなった。


第4尾根下部リッジ。主稜への大テラスへ出る前に、下部リッジを4~5ピッチ登る。下部リッジ2ピッチ目のきれいな岩にまっすぐ走るクラックは第4尾根の中で一番厳しく感じた。




第4尾根主稜3ピッチ目 白い岩のクラックを登る。




9:30 第4尾根主稜4ピッチ目の出だしで、ピラミッドフェース組と合流。
逆層のフェースにフリクションの効かず苦労したらしいが、ほぼ同タイミングで合流した。


第4尾根主稜4ピッチ目。ピラミッドフェースの頭を右に巻いて、リッジを右上。この後、核心の三角形の小垂壁を1ピッチ挟んで、マッチ箱の上に着く。


マッチ箱から懸垂下降(20m)でコルへ。懸垂下降時にできるだけ、高い位置に降りないとその分、登り返すはめになる。



第4尾根主稜6ピッチ目。4尾根のハイライト地点を登る阿久津さん。
高度感は抜群で、素晴らしい眺め。コルから凹角のクラックを15mほど登り、そのままリッジを50m一杯伸ばしたが、枯れ木テラスまでは届かず、手前でピッチを切った。



第4尾根主稜7ピッチ目。枯れ木テラスから2010年の大崩壊箇所を、脆いナイフリッジ沿いに伝い、最終ピッチの城塞ハングの下までトラバースする。所々足の置き場がないが、リッジが立っていてガバなので、安心してトラバースできた。



最終ピッチはDガリー奥壁城塞正面側のチムニー、Ⅳ+。リードで登らせてもらった。少々被り気味ではあったが、ホールド・スタンスは豊富であった。狭いのでザックが引っ掛かると厄介。



チムニーを抜けた上のハイマツでビレーし、全員が登るのを待って登攀終了となった。




12:00 ハイマツ帯を20分の程の歩きで山頂へ。みんなで乾杯すると達成感もひとしお。




下山は草すべり経由で御池小屋へ。テント撤収し山頂から2時間半でのスピード下山となった。


4人ともに初めてのバットレスであったにも関わらず、本チャンでの素早い行動を心がけ、計画通りに登攀でき良かったです。秋晴れの好天の中、充実したクライミングができました。
企画いただいた阿久津さん、有難う御座いました。

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