2017.6.17 谷川岳一ノ倉沢(烏帽子奥壁 中央カンテ)

日付 2017/06/17(土)  天候 晴れ  参加者 越野、斉藤、山口絵、武藤(投稿)

16日 23:00、湘南地方出発し2:00頃に谷川岳ロープウェー駐車場に到着、3:30まで仮眠をとり
斉藤君と合流して、一ノ倉沢出合いに向う。
途中、登山指導センターに寄り、登山届を提出する。


文句の付け様の無い、好天に恵まれ雪渓をテールリッジ目指して登る。
雪渓の量は、5月上旬の登山解禁直後の時期ほどあり、雪渓を利用したアプローチが快適、快適。

テールリッジ上も危うい箇所にしっかりした残置のロープがFixしてあり、安心して登れる。
テールリッジを詰め、人気の衝立岩中央稜取り付き部には2~3パーティーがいた。

中央稜を横目に烏帽子奥壁側にトラバスーして中央カンテ取り付き部に到着。
早々に登攀準備をする。我々のパーティー後に2名の方が到着したが、ノンビリ登る為、先陣を
譲った。
一ノ倉沢デビューの絵理ちゃん、少々緊張気味で普段の笑顔が硬い。プラスして登攀前に、
今日は全てツルベで登るので、そのつもりで!と念押したので、ますます硬くなった。

1P目、濡れた岩と嫌らしい草付きの登攀。簡単ではあるがランナーが取れなく、少々緊張する。
2P目は、中央カンテと凹状からの落石が集中するところを登る為、素早く登る。



3~4PはⅣ級程度の快適なフェイス。
5P目にⅤ級のチムニーがあり、7P目に5.10a程度のフェイス+クラックを順調に越えて、懸垂岩までの
左上する草付き混じりで懸垂岩を目指す。
11:45頃、懸垂岩到着(中央カンテ登攀終了)
12:15頃まで、昼食&休憩&観望をとり、懸垂下降を開始

上から先陣者の行動を望むと、懸垂下降後の南稜下降点までのルートが判明せずに、右往左往
していた。上から、南稜終了点方向について声を掛けるが、それでも時間が掛かっている。
(懸垂下降後に先陣者の心境が痛いほど解った)

35mの空中懸垂を経てルンゼ内に着くと、岩が濡れていて傾斜がありまたまた、ビレーの支点も
心とも無くて悪い下降をして、南稜に続く、不安定な踏み後を見つけ、笹を掴みながらトラバスをする。
南稜終了点より、6ルンゼ内を4P(25m)下降し、南稜ルートに合流して南稜テラスに降り立つ。
南稜テラスより、1P濡れたスラブを懸垂下降して、烏帽子岩取り付き部を緊張して通過し、
テールリッジを経て、雪渓上に降り立つ。
※下降は、横浜のマウントスポーツクラブ(古屋さん他6名)の方と協力して下降しました。


長い長い一日でした。
14時間の行動、お疲れ様でした。


***


初谷川登攀の感想(投稿:山口)

三スラやら鬼スラの言葉は何回も聞けど、未だ見たことのなかった一ノ倉沢。
今年に入ってから少〜しずつマルチのルートで指導してもらい、(あんまり)満を持して(ないけど)谷川登攀へ。

本チャンデビューは18歳の時の烏帽子沢奥壁 中央カンテ だったというムトウさんとペアで。
思い出の地ですね。ちなみに2回目の本チャンルートは憶えていないそうで、やっぱりデビュー戦は脳裏に焼きつくみたい。ってわけで私も今日の中央カンテは自分のクライミング史に残る大事な日なんです。
…GWに行った小川山の左稜線も本チャンか?とりあえずあれは足の痛みでチムニー以外全部忘れた。

偶数ピッチをやらしてもらったけど奇跡的に簡単なピッチが続いた。
それでも高度感やら基本ランナウトの状況にビビり、足がビートを刻みまくって遅い遅い。

あとは今日みたいな快晴の日でも最初の数ピッチはヌレヌレだったのでしばらくはクライミングシューズの底をズボンで拭きながらの登攀だった。ここは天候に関わらず基本潤いに満ちたルートなんだろう。

7P目 核心のⅤ- はもちろん、次の8P目のクラックもムトウさんに当たり前のようにやってもらったんで【中央カンテ オールツルベで完登】では断じてないのだが、そこはご愛嬌ということで。

ちなみに核心前の6P目は大快適なルートでジャングルジムよろしくな感じだったのだが、終了点直前でルーファイをミスし左に行き過ぎてしまい、気付いたら手足のホールド全部浮石って状態でビックリした。完全に詰んだかと。
人知れず今日一番の核心。
死ぬ思いでクライムダウンして右のカンテ沿いから復帰。

この決死のクライムダウンから悪い意味で更に慎重になり、とれるランニング全部とろうとしたら、案の定地獄の底から体を引っ張られているようなロープの重さになり辟易した。

地獄の使者との綱引きなんかで自分の時間泥棒具合が気になったが、12時前には終了点へ。
これ以上ない快晴の中、みんなでのんびりと休憩。

昼食後、中央カンテの終了点から南稜の取り付きテラスまで長い懸垂を終え、テールリッジまでの岩場を下りはじめるが急なガレ場に完全にビビってしまい、皆2足歩行の中、一人、手足尻の5点支持でとても迷惑をかけた。
諭吉はたいて良いアプローチシューズを買っても、このテクノロジーに自分のテクニックとメンタルが追いつかない。
みんなが心配そうに度々立ち止まり心配そうに見てくる中、5点支持で慎重に下っていたら、ユニコーンの角のような鋭い小枝を尻で踏んづけておニューのパンツに穴があいた。

ベンチレーションかな?


その後の尻に穴が空いた状態の中、フィックスロープを使って下降する時に下から心配そうに見てくる仲間の視線は割と核心でした。
どうもありがとうございました。

***

個人的に先週三つ峠でロープワークと岳ルートでマルチを経験しておいたのが本当に良かった。
北穂東稜でもそうだったが、プルージックが全然効かない&効きすぎて動かないってのを嫌という程経験したので、今回は懸垂のバックアップをマッシャーにしたらとても快適だった。

反省点はたくさんあるが、一番心残りなのは今回たくさん懸垂をしたのに自分でロープのセットを1回もしなかったことだろうか。懸垂セット時の注意点アレコレがいまいち掴めてないので次回はしっかりやりたいと思う。


本当に良い経験をさせて頂きました。進歩スピードは正に亀ですが、今後ともどうぞよろしくお願い致します♡

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