2014-09-13~15 錫杖岳クライミング

日付 2014/09/13(土)~2014/09/15(月) 天候:晴れ 参加:武藤(CL)、塚越、宮崎、阿久津、重盛(投稿)
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3連休は上越のオツルミズ沢に行く予定でしたが、お天気予報が悪く急遽2日前に錫杖岳組に参加させていただくことになりました。7月に指を骨折して以来はじめての本格的なクライミングなのでちょっぴり不安ながらもドキドキです。色々な記録をみて、重宝しそうなカムの4番もGET。準備は万端!?

9月13日(土)
前日夜に茅ヶ崎駅に集合し、武藤号にて一路新穂高温泉へ。さすがに3連休で駐車場も混んでいます。明るくなってから準備を開始。ここで今回の食当阿久津君より食料の袋を受け取りますが、中をみるとキャベツとかまるごと一個入ってるけど…(笑)でもこれは序の口、ねぎ一束とかレタス二玉、梨一袋、トマト一箱などなど数々の食材があとでいっぱい出てきたので驚きました。大部分を荷揚げしてくれておそらくザックは30キロを軽く超えていたであろう阿久津君、どうもありがとう!

本日のテント場は錫杖沢出合い。1時間半程度の行程ですがいかんせん荷物が重くてペースはあがらず、途中渡渉ポイントでは宮崎さんがおっきなたんこぶをこさえるというアクシデントもありつつなんとか到着。のんびり出発したので、幕営適地にはすでにテントがたくさん。なんとか場所をみつけて、小高いところにテントを設営!夜落っこちないかなあ…。

テント場からは今回登る前衛壁が良く観えています。早速準備をして出発!1時間程で岩場の基部に到着。本日は時間もないので、入門ルートと言われている『左方カンテ』を登ることに決定!親切なお兄さんに取り付きを教えてもらいます。本日のオーダーは塚越さん、宮崎さんペア、武藤さん、阿久津君、重盛トリオに決定。私は骨折後のリハビリ山行なので3人チームにしていただいたのですが、武藤さん「今日は寝不足で調子悪いからリードはしないから」と一言。あれれ…?(笑)

1ピッチ目の取りつき


ということで簡単な1ピッチ目(トポの1~2ピッチ目途中(Ⅲ-Ⅳ級))を重盛リードでスタート。ここは灌木まじりで優しい。2ピッチ目(トポの2ピッチ目途中~3ピッチ目(Ⅳ-Ⅴ+級))は阿久津君リード。クラックからピナクルを越えてフェースを右上しますが、ピナクルを越えたあとのフェースがちょっと恐い。フレークっぽくなっている岩を使ってレイバック気味に登ります。
3ピッチ目(トポの4ピッチ目(Ⅳ級))チムニーは重盛リード。遠くからみたら難しそうでしたが、ホールドスタンスはたくさんあって一安心。でもザック背負っていると所々挟まってずり上がるのが大変^^;阿久津君も挟まって大変だったって言っていたけど重量級チームにはグレードアップ!?(笑)すぐ隣には5.11台のルートがあり登ったパーティーが懸垂で下りてきました。いつかはあんな壁も登りたいと思うのかな…。

3ピッチ目のチムニー

4ピッチ目(トポの5ピッチ目(Ⅳ+級)のフェースは阿久津君リード。基本ホールドスタンスはあるので難しくはないけど、傾斜が立っていて高度感あり。2か所ほど、怖い場所があり武藤さんよりレイバック気味で登るといいよと教えていただきなんとか突破。ここで今回の核心ピッチ(Ⅴ+級)に到着。最初の小垂壁の部分が難しそう…。順番的には私がリードですが「私は無理なのでリードしませんよ~」と言いつつ、どうしようかな…。行ってみようかな?でも難しそうだし…。なんて心の中で葛藤しつつ壁をじっと見つめていましたが、渋滞のため時間切れで本日はあえなくここまでとなりました。でも渋滞の待ち時間のおかげで重大な事実が発覚!!良かった良かった☆


核心ピッチの渋滞待ち。ちょっとした作業中(笑)
懸垂下降で基部まで下りてテント場まで戻る途中地蜂の巣があり、武藤さん3か所も刺されてしまいました。他のパーティーにも被害者が結構いて要注意です!
本日の夕食はきのこたっぷりの胡麻鍋。その他にもトマトのベーコン巻、なす田楽、魚の網焼き等豪華な食事を楽しみました♪みんな寝不足だったので20時30頃には就寝。塚越さん例により焚き火の脇でお休みタイムでしたが、今回テントの対岸で焚き火をしていたため、夜中に川にはまったら困るからと珍しくみんなと一緒にテントに帰還(笑)
 居酒屋阿久津の名シェフ
乾杯の準備もバッチリ♪

9月14日(日)
本日は錫杖岳の山頂を目指して『見張り塔からずっと』の予定。朝から豪華なサンドウィッチにてエネルギー充填!お天気も良くて絶好のコンディションです♪
 たき火であぶったパンは香ばしくって美味♪
準備OK、出発!

出発してすぐに前日に顔見知りになったKクラブの方と挨拶。今日はどちらへ?なんて会話をしていたところ山頂に行くなら少なくとも12時間はみておかないと…とのこと。がーん…。下山のルートファインディングが難しくビバークするパーティーも少なくないとか。この時時刻はすでに7時前…ということであえなく断念。残念過ぎますが気を取り直して本日は人気ルート『注文の多い料理店』を登ることに。新調したカムの4番が役立つ時が来ました!

取りつきに着くとすでに2パーティーが登っています。順番を待ちながらゆっくり準備。本日のオーダーは武藤さん、阿久津君ペア、塚越さん、宮崎さん、重盛トリオ。
1ピッチ目(Ⅳ級)を重盛リードでスタート。簡単なピッチでも最初はやはり緊張します。1ピッチ目終了点のテラスで渋滞のために1時間くらいおしゃべりしつつ待ち。陽が当たらないので寒い~。ここで先行して3ピッチ目の核心をリードしている武藤さんより「至急塚越さん呼んで」との無線連絡(笑)核心のハングを乗っ越したあとのクラックが悪いようです。返答は「自分でなんとかしろ」でしたが…(笑)ここはさすがベテラン武藤さん、自分の力でちゃんと切り抜けました(^-^)v
1ピッチ目をリードする阿久津君



2ピッチ目(Ⅴ+級)は宮崎さんリード。クラック~ランぺのピッチ。最初の取りつきのところが高度感あって怖そうでしたが、とりついてみるとしっかりしたホールドがあって一安心。その後は斜上するクラックに体半分挟まりつつ、ずりずりとあがります。体が挟まっているので落ちる恐怖感はないけど、この身動きできない中リードでカムをセットするのは大変そう。今回はギアラックのどこにどのカムを並べるかとかギアの整理がすごく大事だなと実感。2ピッチ目終了点でも渋滞で体感では1時間くらいの待ち。自分たちの後にも3パーティーほど待っていました。待っている間に大きな落石が何回か落ちてきてヒヤッとする場面も…。たくさんの人が登っている時は特に注意が必要ですね。
2ピッチ目の取りつき部分、リードの宮崎さん


いよいよ核心ピッチの3ピッチ目(5.9)。ここは我らがリーダー塚越さんにリードしていただく。さすが塚越さん、あっさり核心も越えて行きました。
核心部のハングを乗っ越す塚越L

フォローの宮崎さんも最初のところでA0したものの、上部はすんなり通過。普段の練習の成果が現れて目にみえて成長していて頼もしいです^^

一方後に続いた私は後ろで待つパーティーからのプレッシャーもあり、最初からA0するつもりで気合いが足りなかったためカム掴みまくりでなんとか突破。あまりの情けなさに意気消沈。ほんとスミマセン…。来年はA0なしで登れるように頑張ろうねと宮崎さんとリベンジを誓うのでした!

4ピッチ目(Ⅴ+級)のワイドクラック~ハングのピッチは私がリードの順番でしたが、核心ピッチで意気消沈したため宮崎さんに行っていただく。最後のトラバースが高度感があって恐かった。5ピッチ目(Ⅴ+級)のフィンガークラック~フェースのルートは先行した武藤さん、阿久津くんからの難しくないから大丈夫との励ましもあり、気を取り直してリードさせていただく。ここは楽しく登れてちょっと元気を取り戻す^^;笑
5ピッチ目、写真で観ると難しそうだけど愉しい♪

最終ピッチはガレているので割愛して、ここから懸垂にて昨日登れなかった『左方カンテ』の核心部(Ⅴ+級)取りつきのテラスへ。テラスにいる他のパーティーの方々と話していたら、先行していたリードの阿久津君と、ビレーやーの武藤さんが一緒に降ってきてビックリ!?2人とも怪我がなくて良かった良かった。ここは最初の小垂壁を登るのにザックが邪魔なので、リードの塚越さんはぶら下げて突破。上部にあるチョックストーンを掴むまでが難しいですが、チョックストーンの下の溝にハンドジャムが決まるとの塚越Lからのアドバイス。確かにハンドが気持ち良く決まり、思ったよりすんなり突破できました♪この後は向かいの壁に突っ張ったりしつつフェースを登るなかなか面白いピッチでした。
 核心部を登る武藤さん

頼もしい塚越L

最後は気持ちの良いフェース(Ⅳ級)のピッチのあと草付きを登りてっぺんまで出ました。本日の自分の情けなさを思うと気持ちは晴々とは行きませんが^^;やっぱり一番上まで来ると嬉しい☆明日は頑張ろうっと。
左方カンテの最終ピッチ
 終了点にてみんなで、青率高し(笑)
本日のメインディッシュはキャベツたっぷりポトフ&ベーコンの旨みたっぷりの焼きそば。山でこんなに野菜が食べられるなんて最高☆その他ジャガイモの塩辛がけや武藤さん差し入れのみりん干しの網焼き、塚越さん持参のムール貝、宮崎さん差し入れの美味しいさつま揚げ等々おつまみも盛りだくさんで焚き火を囲みつつ22時過ぎまで楽しみました。途中で阿久津君が懸垂のロープの流れをみてあげた栃木のMの会の皆さんより、美味しい冷酒とおつまみの嬉しい差し入れも♪どうもありがとうございました!
9月15日(月)
本日は下山日なので、時間のかからなそうな『1ルンゼ』へ。前日の反省(笑)を生かし朝4時に起床!眠いです…。本日の朝食は厚切りベーコン入りサンドウィッチ。これがとっても美味しかった。
朝から焚き火で暖まります
本日は錫杖沢を詰めるのではなく、1ルンゼの取りつきに出る(後で判明)ルートからアプローチ。それぞれのトポや持参した資料をもとに取りつきを探します。北沢フェース下の広場からトラバースすると下部の2ピッチが省略でき、最近は1~2ピッチ目はあまり登られていないようですが、せっかくなので最下部から。
本日のオーダーは宮崎さん、阿久津君ペアに塚越さん、武藤さん、重盛トリオ。1ピッチ目(Ⅳ級)は重盛リード。残置のハーケンもなく、カムがセットできそうな溝も少ないので、このルートで合っているのかなと不安を抱えつつ、結構なランナウトで登ります。ロープ残り5m程度で何とかセルフの取れそうな小さなハイマツのある小テラスへ出て一安心。さすがにハイマツだけでは心もとないので、小さい溝にエイリアンを二個セットして支点を作成。その後登ってきた塚越さん、武藤さんが結構悪いを連発したため、後続の宮崎さんが不安になりお助けロープ登場。気持ちってやっぱり大事なんですね^^;小テラスからの難しい垂壁を塚越さんリードで行っていただくと、ペツルのしっかりした支点があったとのことにて一安心。どうやら2ピッチ目(Ⅴ級)もつなげて登っていたようです。



3ピッチ目(Ⅳ-級)は武藤さんリード、4ピッチ目(Ⅲ級)重盛リード、5ピッチ目(Ⅳ+級)塚越さんリードで順調に進みます。この辺りは難しい場所もなくビレー点もしっかりしているので快適♪
 5ピッチ目をリードする塚越さん



5ピッチ目終了ポイント手前でまったりする宮崎さん

そしていよいよ本日の核心6ピッチ目へ。オリジナルのルートはハングを乗っ越すⅤ級、A1のルートのようですが、最近はその左のフェースを行くのが一般的なのか、ここだけしっかりしたペツルのピンがありました。ここはベテラン武藤さんがリード!下からみてるとすごく難しそう…。果敢にアタックする姿が格好良いです。

核心ピッチをリード中の武藤さん

アルパインクライマー武藤さんは、ペツルのピンがあっても木が一番信頼できる(笑)と立木でもランニングを取るために、難しい左のラインへ。右のラインの方が簡単だったようですが、カム回収のため強制的に私も左のラインを…。
7ピッチ目(Ⅳ+級)は重盛リード。このピッチはライン取り次第で難しさが変わるようです。私は左上してルンゼ~スラブを登りましたが、直上もできます。最終ピッチ(Ⅳ級)は塚越さんリード。ライン取りにもよりますが、トラバースが悪くて恐かった~。武藤さん曰くリーチがあると上部のガバに手が届いて難しくないそうです。
最終ピッチを登る塚越さん

終了点からは焼岳や穂高の山々が綺麗に観えて気持ち良かったです^^
 西穂高岳が向かいにくっきりと
下降前にみんなでパシャリ♪

下降は登ってきたルートを懸垂下降で。みんなで順番にロープをセットしたり回収したりと協力してスムーズに降りてこられました。
 
落石に注意して懸垂、高度感があって下降も愉しい

あとは温泉目指して下山するのみ!テントを撤収して下りは1時間ほどでスムーズに降りて来れました。
 最後にテン場でパシャリ
わざわざ遠回りして露天風呂を除きに行く塚越L、宮崎さんと一緒について行ったらみたくないものが見えてしまった…^^;

登山口近くの槍見温泉は外来入浴は14時までということで同系列の野の花山荘を紹介していただく。ちょうど登ってきたばかりの錫杖岳が露天風呂の目の前に観えるとても素敵な温泉でした☆




素敵なロビーからも錫杖岳がバッチリ観えます♪

最後は松本の十字路さんで、プチお疲れ様会をして帰宅しました。
黒生で乾杯♪運転してくれた阿久津君、どうもありがとう!

三日間良いお天気に恵まれてのクライミング&グルメ三昧、まだまだお世話になることの方が多いですが、みんなであーだこーだ言いながら登るのが本当に楽しかったです。来年こそは錫杖岳山頂に行ってみたいし、A0なしで登れるように精進したいと思います。一緒に登ってくださった皆さん、本当にどうもありがとうございました!









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