奥秩父・ヌク沢左俣右沢→甲武信岳



 沢登りのシーズン到来です



日時:2015.5.29(金) 曇り
参加メンバー:Sさん(CL・重盛友人)、重盛さん(SL)、山口E(投稿)
行程:7:00 ヌク沢橋 → 8:00 ヌク沢出合 → 9:30 二俣 → 9:40 奥の二俣 → 10:30 大滝下段 → 12:40 大滝越え → 14:00 破風山主陵 → 15:15 甲武信岳山頂 → 15:50 下山開始 → 18:30 ヌク沢橋


会の山行から遠ざかってしまっていて、もはや山岳会に入っていたことを忘れかけていましたがずっと興味のあった沢登りの話が出ていたので、これだ!と初沢登りながら便乗させてもらいました。




6:00過ぎくらいに 道の駅 みとみ に着きまったり準備をし、まったり出発。
天気はピーカン晴れとはいきませんでしたが、新緑の季節ということもあって林道歩きがとても気持ち良い。




途中登山届けを提出し、ヌク沢橋の右手にある近丸新道へ進む。
トロッコのレールや鉱物がいたるところに散乱している。

堰堤


8:00 ヌク沢出合
入渓ポイントですがここに降りてくるまでちょびっと悪い。
沢装備になる前に若干水にドボンしました。


沢装備を整える重盛さん
夜勤明けとかなんとか・・


堰堤をいくつか越えると二俣に出るので左に進み最後の堰堤を越える。

歩いて暑くてしゃあないので水の中をバシャバシャ進んでいくが本当に気持ち良い。
ネオプレンの靴下ではないSさんは悲鳴に近いような声で寒がっていましたが、ネオプレン靴下の重盛さんと私は寒さを感じず。
さすがに顔や手に水がかかると冷たいですが。








滝っぽいのもちょくちょく現れるようになり沢登り感がズンズングイグイと。

丹沢の方に比べるとここは滑り(ぬめり)があるらしく、その洗礼をテュルンテュルン受けまくる。
乾いたところを歩くんだよー、水の中のほうが滑らないこともあるよー、足はフラットに置くといいよー、凸凹になってるところに足をおくんだよーなどなどアドバイスをもらう。でもやっぱり一人テュルンテュルン。


「こういうところに〜」





10:30 大滝下段
左側から。ぺーぺーなのでロープを出してもらう。なかったら確実にドボンでしたね。
Sさんと重盛さんは大滝感がないね、的なことを言っていて、「まぁ下段だから大したことないだけで上の段に行けば『おぉ〜〜〜!!!』ってなるような滝が待ってるんだよきっと」と続けて言っていました。


写真は確か大滝直前の滝・・?(あやふや)


10:40 大滝中段

「おぉ〜〜〜!!!」


台本があったんじゃねってくらい完璧な流れですね。

もうね、もうね、下段の引き立て役の見事さといったら!
そのくらい中段のダイナミックさは素晴らしいです。威風堂々ってこういうこと・・?
というか沢登りってこんなとこ登るんだ。

そしてここでまさかのGoPro電池切れ。
ここ登ってること撮らないでどこ撮るのって山行なんですが、トゲトゲしてて触ると痛い変な葉っぱとか無駄に撮影してたら電池なくなってしまったよ。




重盛さんのカメラもお家でお留守番してるとのことなので、写メでお届けします。


大滝中段 4級
Sさんリード


を見守るビレーヤー重盛さん



Sさんリードで真ん中から。(ロープ8mm60m)
階段状になってるから平気平気ー!的なことを言いながら、中部に打ってあったハーケンに支点を一つ作ってササッと天空へと消えて行きました。
消えて行きました。

あぁん!?

無線機持ってこなかったのと、同じ会でないためビレー解除の合図を前もって決めていなかったので若干ここから大変なことに。(反省)
ロープもいっぱいいっぱいで、Sさんvs重盛・私で軽い綱引き合戦をしばし楽しんだのち、もうしゃあないのでタイブロックを私にセットし、重盛さんが後ろからついてくる形で探り探りセカンド出発。

1ピン目直下のトラバースが初心者にはね、なかなかハードでね、もう、うんともすんともいわない。
パントマイムみたいな動きをひたすら繰り広げてたら、下から重盛さんがザックやお尻を押してくれたり、足押さえてくれたりと神の一手が出るわ出るわ。
終いには、

\ ヌンチャク持っちゃいなー!/

とお告げが。はい。


ちょうどSさんのいるところ


上に登り切ると開けた場所に。
2P目もSさんで、右から左岸へのトラバース。さっきからトラバースって言葉使ってるけど正しい使い方出来てるのかは正直謎。
高度があるので見てるだけでもヒヤヒヤする。
動いている時はなんともないけどやはり立ち止まっていると結構寒く、手が震えてくる。
ビレー中や待ち時間はサッと防寒着着た方がいいですね。

中段2P目は支点は作らずにサクッと終了。

しかし支点がないため途中で落っこちたら左岸のSさんのいるところまでターザンの如く振られ落ちるらしい。
えっと・・富士急のアトラクションかな?
んで私が落っこちたら反動で重盛さんも一緒に逝くのでダブルターザンになるとのこと。
ドドンパ越えまったなし。

しかもSさんが登り終わった後、途中に倒れてた巨木がバランスを崩し、凄まじい音を立てながらバキバキに割れて落ちていった。
まるで、今からお前たちはこうなるんだぞと言っているかのように・・。
それを見ていた重盛さん、「やだー、登ってる時にあんなの落ちてきたら泣いちゃうねー」と。かわいい。

ただ今回もそんな重盛さんから神の一手が炸裂して富士急ハイランド開園とはなりませんでした。


そのままグズグズな左岸から大滝上段へ。高度差200mの大滝をトポ通り2時間でクリアしたら最後に8mのナメ滝を越えあとはずっとナメ歩き。
ところどころ羽虫が凄まじく、不本意ながら何匹か食べてしまったような・・。





源頭まで進み、沢をつめるために装備を整え、羽虫じゃなくきちんとした文明人の行動食を摂る。
Sさんは「孤高の人」の文太郎が干し魚と甘納豆を行動食にしていたのに感化されて、今回フルーツグラノーラのみで参戦。
結果として、フルグラで十分戦えるらしい。

そのまま右手から沢をつめていき、(個人的に)道なき道を進んでいく。
道なき道すぎて、これヤバくないですか?と聞いたら、藪漕ぎだからね〜と。
えっ、これが(驚愕)
ずっと藪漕ぎというものをしてみたかったんですが、私のイメージしていた藪漕ぎというのは緑が生い茂ったところをモサモサかき分けて進んでいくというもんでしてね。
実際はこんなアジの骨せんべいの群れみたいなところを進んでいくんですか。
靴下に穴があきました。


14:00過ぎ 破風山主陵
時間に余裕があったら甲武信岳へよるオプション付きの山行だったのでこのまま行くことに。
私は登山経験がほとんどなく、山頂に立ったこともほんの数回なので甲武信岳登頂に大きな期待を寄せる。

が、甘かった。

寝てるか食ってるかの生活の人間にはかなり厳しい道程でした、甲武信岳。同じような自堕落生活の方は要注意ですよ。

Sさんと重盛さんが静かに涼しい顔で登るなか、私の荒い呼吸音が鳴り響く。
膝に手ついてブヒーブヒー日和るたびに、前後の二人から、「大丈夫だよ、ゆっくりね。」と大きな愛情のサンドイッチ。
ポークサンドの完成です。

途中、雪がまだ残る甲武信小屋に寄り、小屋番の方に声をかけ荷物をデポし、最後のもう一踏ん張り。登りの一歩目でもう瀕死。
爆弾でも持ってるのかっていうヨボヨボスピードで進んでいると先頭を歩いていたSさんが、ほら、と前を指差して道をあけてくれた。
よく分からなかったのでとりあえず目の前の石に抱きついたら、「三角点じゃなくてその奥!」と。
三角点に抱きついたまま奥に目をやると甲武信岳山頂の標識が。


15:15 甲武信岳登頂


終始優しい言葉をかけてくれた右から坂本さん(Sさん)、重盛さん
 こっち向いて!



みんなでハイタッチをして興奮するなか、山頂からの景色は、





まっしろ。予算のないアニメか。
まぁ燃え尽きたということで。


15:50 徳ちゃん新道 下山開始
甲武信岳から徳ちゃん新道少しまでは残雪地帯がちょこちょこありました。

重盛さんが、「 コブシの下山は長い。テン泊装備で2時間ちょっとくらいかかって長すぎてもう二度とくるもんかって思ってたのに・・・(また来ちゃった)」と恐ろしいことを事前に言っていまして、
でもSさんは、「下山(ダッシュで)1時間くらいだよ」と希望のあることも言っていて、じゃあ正味2時間くらいかな?と余裕ぶっこいてたら、下山早々に私の両膝が火吹いて爆発して、まぁ進まない進まない。
足取りが完全に志村けんのコントのひとみ婆さんのようになりながらヌク沢橋までの1100mを下っていきます。



晴れ間がちょろっと


結果として下山に3時間くらいかかりました。
二人から下山時のアドバイスや励みの言葉をたくさんもらい、休憩もたくさん挟みながら、なんとか18:30に下山完了。
コブシの行程が本当にキツくて長くてメインである沢登りをしてたことを完全に忘れる始末。
沢登りしたの先週だったっけ?みたいな。大滝中段の威風堂々とはなんだったのか。



今回はSさんと重盛さんが行きたかったという200mの大滝・ヌク沢に連れて行ってもらい結果として大迷惑をかけてしまいました。
自分の欠点や足りないところが嫌という程見えてきましたが、次に繋げるために参加し経験できて本当に良かったです。
また一緒に山へ行く時は連れて行ってもらうだけでなく、メンバーの一員として少しでも行動できればなと思っています。
そのためにはやらなきゃいけないことがたくさんありますねー。楽しみです。


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