夏合宿 黒部上廊下―北アルプス縦走 読売新道~水晶岳~雲の平
~太郎山~折立
メンバーCL水島(伊)SL塚越 簑島 高橋
8月5日 夜出発
8月6日(土)明け方3時頃 扇沢駐車場着~黒部ダム~奧黒部ヒュッテ泊
8月7日(日)熊の沢出合~下の黒ビンガ~奧黒部ヒュッテ~読売新道~
赤牛岳8/6幕営
8月8日(月)赤牛岳~水晶岳~雲の平キャンプ場泊
8月9日(火)雲の平~薬師沢小屋~太郎平小屋~折立
今回の合宿は有名な上の廊下なので少々トレーニング不足だが参加させて頂く事にした.沢登りは主に丹沢だけしか経験が無く水量が胸まである沢など初めてであり不安と期待が入り交じった複雑の心境だった。
扇沢駐車場で車の回送サービスがあるらしく警備員から内容を聞いていると丁度 業者の方が現れた。話をして扇沢から折立までの車の回送を申し込んで急いでトローリーバスに乗り込む。そして黒部ダムから黒部湖沿いに平の渡しまでブナ林を歩く 平坦な道なので歩きやすい 平の小屋に到着すると雨は本降りになっていた。無料の渡しに乗り梯子が続く長い山道を歩き奧黒部ヒュッテに到着、こちらに登山計画書を提出して一晩を過ごした。
6日 朝3時半起床 朝ご飯を食べて上の廊下に向けて出発する。最初の徒渉は胸までの水量であり かなり緊張したが流されずに済んだ。 水が綺麗なので足下がよく見える。 次の徒渉は4人でスクラムを組んで渡る なるほど4人なら強い流れでも恐怖感が薄れる。朝方の川の水は冷たく体も震えてきた。遡行を初めて約二時間、川の真ん中で青いヘルメットの様な物体がかすかに揺れているのが見えた。 「もしかして・・・!」
不安は的中、 遠目でも既に亡くなっているのが分かった。 激流の中州の岩に引っ掛かっており 水量が増えると更に流されるので 「とりあえず流されない場所まで引き上げよう」との事で激流の中州まで塚越氏がザイルを繋ぎゆっくりと進む ようやく遺体に繋ぎ流しながら川岸に戻す。全員で持ち上げて高台まで運んだ。 後で分かった事だが沢や渓谷専門の写真家らしい ご冥福を心から申し上げます。
警察に通報する為に奧黒部ヒュッテまで引き返し富山県警のヘリコプターを確認する。
全員のモチベーションは下がり このまま再び上廊下に行く気は薄れてきていた。 車は折立まで回送してしまったので扇沢まで戻っても仕方がない 折立まで行く方法はと考え 読売新道から水晶~鷲羽~黒部五郎と尾根伝いに行く事に決まり午前10時頃から読売新道を歩き始める。 この読売新道がくせ者で急登と蒸し暑さでヘトヘトとなる。 やっと森林限界に来たところでドシャ降りに見舞われ 8/6の標識があるところでやむなくビバークをする事になった。テントを設営すると雨は止み なんとブロッケン現象を見る事が出来た。 登山ルートは変わってしまったが仕方がない前に進むだけである。
登山地図を眺め稜線ルートより雲の平経由の方が時間を短縮出来るので雲の平経由で行く事になる。 庭園が広がりなかなか良い場所である。薬師沢小屋の下りは滑って難儀したが太郎平小屋までの登りは尾瀬の様な雰囲気で清々しい。そして下山予定より一日早く下山した。
今回の合宿は予定を大幅変更したので 雲の平~太郎山など良い場所だがエスケープルートの気がして今ひとつ楽しめなかった。 多分、上廊下を遡行してもイマイチ楽しめなかったのではないかとも思う。
昨今の登山ブームで毎年山岳事故は増え続けている。中年真っ盛りの自分自身も気を付けるとともに多くの登山者の安全を願う。
簑島
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