2018/9/22~24 紅葉の後立山縦走『爺ヶ岳~唐松岳』

〈メンバー〉
武藤(CL)、中村、濱野、落合(投稿)
〈行程〉
9/22(土)雨のち晴れ
信濃大町駅よりタクシーで柏原新道登山口6:00-爺ヶ岳南峰11:30-冷池山荘12:00
9/23(日)快晴
冷池山荘5:15-鹿島槍ヶ岳南峰6:50-五竜岳11:57-唐松岳頂上山荘15:24
9/24(月)曇り
唐松岳6:18-八方池山荘8:24-タクシーで信濃大町駅へ


小雨の中レインウェアを着込みいざ出発。随分前に買ったものだけど、今更ながら林家Pー子みたい、と自分で突っ込んでみる。


紅く染まった七竈や黄葉、途中虹の出現に足を止めながら雨の中をひたすら登る。種池山荘に到着直後は身体が震える程寒かった。雨が小康状態になるのを待って爺ヶ岳南峰に向けて出発する。ガスで何も見えん。そのおかげで雷鳥に逢えてラッキー。

この天候の中キレットを下るのは危険と判断し、今晩の宿は冷池山荘に決定。

小屋は満員御礼状態で、ロフトの寝床に案内されたが、隠れ家的な空間で快適に過ごすことができた。天井が低く、武藤さんは何度か頭をぶつけていた。私も後頭部を棚に思いっきりぶつけてしまい星が飛んだ。夕方から天気が回復し、剱や後立山方面を一望できた。小屋では濱野さんが濡れたズボンをストーブで乾かしている最中に穴を開けてしまうハプニングもあった。56箇所って。穴開け過ぎです(笑)


2日目。雲海の合間から昇ってくる御来光を眺め、鹿島槍から唐松まで縦走する。

途中で足が上がらなくなり、何度も挫けそうになるが、メンバーに励まされつつ、ヒーヒー言いながら登り下りを繰り返す。前を歩いていた武藤さん、後ろを歩いていた中村さん、濱野さん、ペースが遅くて申し訳なかったです...




唐松に向かう牛首辺りでは 、頭部外傷者をレスキューしている場面に遭遇した。

やっとの思いで唐松岳頂上山荘に到着し、幕営。翌日が十五夜だけあって、月夜が綺麗だった。
最終日は曇り空の中、唐松岳に登頂。山頂直下で雷鳥に会えた。八方ケルンであっという間にガスに巻かれ、リフトとゴンドラを乗り継いで下山の途に着いた。



帰路に武藤さんおすすめの『くるまや』に立ち寄り、蕎麦を堪能。蕎麦やきのこの大根おろし和えも然る事乍ら、馬のもつ煮が美味であった。あっと言う間の後立山縦走、お疲れ様でした&ありがとうございました。

2018/9/17-19 ジャンダルム(西穂→奥穂)

日付: 2018/9/17-19  天候:概ね張れ 参加:渡邉(CL)、安波(投稿)
アルバム : https://photos.app.goo.gl/Mk3z1878tKRM176d7

コブ尾根ノ頭付近にて

この連休はいろいろあって、また、天候にも翻弄された。1日目午前中は雨。あわよくば1日でジャンダルムを抜けて・・・厳しければ稜線ビバーク・・・なんて考えたが、天候が許さなかった。前日は富山~岐阜にいたため、観光後新穂高からのんびり入山。登り1600m、下り1000mの始まり。

【行動時間】
1日目:あかんだな駐車場→シャトルバス→新穂高バスターミナル→新穂高ロープウェイ→(50分)西穂山荘(テント泊)
2日目:西穂山荘-(60分)-西穂独標-(60分)-西穂高岳-(80分)-間ノ岳-(80分)-天狗のコル-(80分)-ジャンダルム-(80分)-奥穂高岳-(30分)穂高岳山荘(テント泊) ※9時間行動、休憩1時間強含む
3日目;穂高岳山荘→ザイテングラート→横尾→上高地バスターミナル→あかんだな駐車場

***1日目
天候:雨→ガス→雨→晴れ

1日目はのんびり午後から入山。晴れるか不安の中、なんの展望もない登山道を歩く。観光地なだけに晴れれば景色もいいのか?ついペースが上がり、休憩しよう、なんて思っている間に山荘到着。コースタイムの0.5。この2人にしていいペース。テントは10張りに満たなかった。そうそう、小屋の方が18時位に最新の天気予報や混雑予想、奥穂までの登山道の注意点等を教えてくれた!テン場の上から大きな声で。本当にありがたかったし、大変な安心材料になり感謝。

***2日目
天候;晴れのちガス気味

3時起きの5時半出発。放射冷却で非常に寒い朝。気温5度。3時に起きた時点ですでに出発しているパーティーもいるようだった。真っ暗で危ないのでは?と思わなくもない。

6時半、独標にて。ここまでは修学旅行生も来るらしく、マーキングが非常に多い。独標から西穂山頂までは11のピークがあるらしく、○○峰と書いてある。

7時、ピラミッドピークは8峰。

名もなきピークだがロケーションがいいので笠ヶ岳をバックに記念撮影。

7時40分、西穂高岳登頂。今日もいいペース。
西穂からの下りは最も事故の多いエリアとのこと。慎重に歩けばなんてことはないが油断は禁物。

険しいヤセ尾根が続く。所々に鎖が設置してあるが全てではない。ハイマツを掴むところも少しあったかな。

間ノ岳すぐ手前に、ツエルト一張りできそうな場所あり。

9時10分、間ノ岳。ピークらしいピークではなく、岩登りの途中にこんな感じに書かれているだけ。もう少しなんとか・・・とも思うが、フォントがかわいいのでOK.

ジャンダルムの迫力が迫る。

遠く槍が見える。絶景かな。

天狗の頭から下り、少ピークを越え、下りきれば天狗のコル。コルへの下降は80mあるとか。いつの間にか逆走スラブ、間天のコルを過ぎていた。(写真なし)間天のコルもビバーク可能。ただ、遭難救助時の臨時基地となるため整地してあるらしいので、空けたほうがいいかな。

岳沢小屋への天狗沢ルートを見下ろす。登ってこられる方もいたが、下降は勘弁。

10時半、天狗のコル。避難小屋跡らしい。どうやってこの状態に?ツエルトは3張りくらい可能。

天狗のコルから先は更に険しくなっていく。写真を撮っているくらいなので、見た目ほど怖くはない。マークは少なくなっていた。

天狗のコルから40分後、ツエルト1張り。

さらに30分、ツエルト一張り。

12時10分、ジャンダルムきたー!

ジャンダルムはザックを置いてピストンで。ジャンのペンキの通り飛騨側へ回り込む。もう一度ペンキが出てきたら頂上を目指す。ステップにピンが打ってあった。行きは良い良い帰りはこのステップを見失いやすい。つい歩きやすい信州側に引き寄せられるらしい。数パーティー頂上付近でうろうろしていた。

なんのマークかはよくわからなかったが、、、青ペンキを見ておいたら下降に迷うことはなかった。

12時20分、ジャンダルム登頂!

天使が北アルプスに水を注いでいた。

ジャンダルムを登ったルートを下降、その後は信州側をトラバース。写真は・・・なんのやつだったか?矢印はZ軸方向むいてるなぁ。

ジャンダルム以降は再度ペンキが多くなる。穂高岳山荘からピストンの方もいるらしく、人も増える。今日が平日でなかったらやはり渋滞か。ジャンダルムで険しい場所は終わった、と思ったら勘違い。ジャンから奥穂が一番悪かった。ここは鎖ないんだ、、、みたいな場所多数。Ⅲ級のクライムダウンも頻繁て感じ。2箇所懸垂支点のようなハンガーがあった。ルートでもあるのか?と思ったが、その直下のクライムダウンが難しい、だからか。。。今日一番の難所。3mもないが、ロープつないでいたら間違いなく懸垂にしていたと思う。
 
一呼吸おいてジャンダルムを振り返ると海坊主みたいだった。西穂側はどんどんガスが上がってくる。

馬の背にて。痩せた岩盤の信州側をへつるようにトラバース。高度感はあるが、手も足もしっかりあるので楽しく登れる。

14時、奥穂高岳登頂。立派な祠にヘルメットのまま一礼。

ジャンダルムとヤセ尾根を振り返る。

14時半、穂高岳山荘到着。先日登った前穂北尾根がよく見えた。ギザギザのあの尾根、やっぱりそそられる。涸沢から5・6のコルへの踏み跡がうっすら見えた。奥又白からよりも格段に近いのは一目瞭然。

今日の夕日。もう少し早いほうが良かったかな。寒くて相方は付き合ってくれず一人で。

***3日目
天候:晴れ

極寒の朝。気温2度、霜の降りる寒さ。寒すぎてシュラフから出たくない。
装備の違いか、冬よりも寒く感じた。朝日も相方は付き合ってくれず一人で。あたしも寒いので、ラジオ体操を3セット。暖まる。そしてシュラフから引きずり出し、7時半出発。

今日は帰るだけ。
A「北穂行ったことない。経由して帰ろうよ!」
W「また来たらいいと思うよ。」
と却下した後ろ姿。

ザイテングラートを下降し、

名残惜しく何度も振り返り、(涸沢槍かっこいい!)

涸沢へ。紅葉にはまだ早かったが、一歩一歩秋の気配。紅葉は1割5歩くらい。初めてきたが、こりゃいいところだ!数々の雑誌の表紙を彩るわけだ。

無事下山し、また名残惜しく穂高連峰を振り返る。あ~あれがジャンダルム。エライ稜線を歩いたもんだ。人間の足ってすごい。いつも思う。そして屏風岩を眺めては、行ってみたい、と振り返る。

ジャンダルム2回目ありがとう!次はどこへ行こうかな?

***参考***
・山と渓谷2014.7 NO.951 信州側、飛騨側どちらを巻くか等詳しく載っていてわかりやすい。
・落石注意箇所が何箇所かあるため、ヘルメットはあったほうが良い。
・鎖やクライムダウン箇所等渋滞予想区間多数。時間が読みにくい。小屋はないがツエルトを張れる場所は何箇所かあるので、ビバークに備え携帯必須。(あたりまえ)
・私見だが、見ていて怖い登山者がたくさんいた。事故が起こるわけだ、、、という感じ。Ⅲ級くらいの登下降が出来るともっと楽しめそうな気がした。

***おわり***

2018/10/2 キリマンジャロ、マチャメルート 4泊5日

日付 2018年10月2〜6日  永田英哉

10月6日、キリマンジャロ山頂に立ちました。山頂の標高は5895mで、自分にとっては人生でもっとも高いところに立ったことになります。とはいえ、キリマンジャロ登頂自体は当会では新井さんが2015年にやっていますし、登頂記録にしてもいくらでもブログを見つけられるので、ここでは割愛します。

さて、多くの方は、アドベンチャーガイズ、西遊旅行など、日本の会社が組んだツアーに参加するものと思います。私は現地に乗り込んで、現地のツアー会社と契約して登頂しました。こうすることで、日本のツアーで行くよりも費用を安く抑えられるからです。ここでは、その辺の経験談を書きたいと思います。

フライトはカタール航空を利用しました。ドーハ乗り継ぎでキリマンジャロ国際空港まで飛べます。計画時のExpediaでは、これが最も早く、最も安い(13万円弱)方法でした。余談ですが、行きのフライトでは左窓、帰りのフライトでは右窓からキリマンジャロを見ることができます。

タンザニアへの入国にはVisaが必要となります。私は日本のタンザニア大使館で取得してから渡航しましたが、キリマンジャロ国際空港で50米ドル(USD)を払えばその場で発行してもらえます。

タンザニア渡航に際してワクチンは必須ではありません。しかし、お隣の国(例えばケニア)では、黄熱病ワクチンを接種せずに入国すると、出国できなくなります。そのくらい黄熱病は恐れられています。タンザニア渡航に際しても打っておいて損はないでしょう。なお、黄熱病ワクチンは10日以上たたないと有効とならないため、渡航10日前には済ませておかなければなりません。ちなみに、私がこの事実に気づいたのは渡航1週間前だったため、ノーワクチンで渡航しましたが、10月のモシは蚊がほとんどおらず、虫除けスプレーも相まって蚊に刺されることは皆無でした。

空港から拠点となるモシの町までは車で1時間ほど。一番簡単なのはタクシーで、料金は50 USDが相場のようです。バス(数百円)で行く方法もあるようですが、私にはその度胸も気力もなかったのでタクシーを利用しました。なお値引き交渉を10分ほど頑張ってみたのですが、あえなく敗退しました。英語力と交渉力のなさが悔やまれます。

ツアー会社は18時くらいまで営業しているので、16時台にモシにつければ、その時間からツアー会社をまわることができます。事前調査によると、日本人に一番人気なのはKiliClimbers社です。私は同社を第一選択に決めていたので、他社と比較することなく契約してしまいましたが、2〜3社まわればもっとディスカウントできるはずです。なお、この日のうちに契約を終えれば、翌朝からの登頂が可能です。手間取った場合には、翌日ゆっくりとツアー会社をまわりましょう。

費用ですが、マチャメルートは全てテント泊になるため、私1人に対してスタッフ6人(ガイド1人、コック1人、ポーター4人)を6日間雇う必要があります。KiliClimbers社の場合には、300〜400 USDでコーディネートしてもらえます。その他に、マチャメルートの場合には入山料830 USDを入山ゲートで支払うことになります。本来クレジットカード払いもできるようですが、私が行った時はシステム障害によって現金払いのみでした。登頂後にスタッフに払うチップ問題もよく耳にしますが、これは6人に対して200〜300 USDが相場のようです。よって入山料+600 USDほど必要になります。ちなみに全て小屋泊のマラングルートの場合には、ポーターの人数も日数も少なくなるため、トータルで300 USDほど安くなるはずです。

多くのブログで見かけることですが、KiliClimbers社と契約する際には、契約内容を全て紙に書かせて、代表者のサインをもらいましょう。その際に、
◯◯ルートを◯日間で登頂する
ガイド、コック、ポーターの人数
装備のレンタルを含む
ゲートまでの送迎
これらは必須事項となります。後で気づいたことですが「空港まで車で送ってくれる」も盛り込むべきでした。これを契約していなかったため、私は40 USDを別途支払いました。飲み水まで契約に盛り込んでいる人もいるようですが、彼らは市販のミネラルウォーターをくれるわけではありません。スタッフ達は付近の水たまりで汲んだ水を平気で飲んでいます。私は途中で水が足りなくなり、スタッフから貰ったのですが、その中にはボウフラがピンピン泳いでいました(浄水器を持参していたのでイヤイヤながら飲めましたが)。必要な飲み水は、マチャメルートで8Lほどです。登頂前に販売店に寄ってくれるので、必要量だけ買っていきましょう。ただし、キリマンジャロにペットボトルを持ち込むことは禁止されているので、プラティパスなどを持参してゲートで詰め替えるのがオススメです。行動水以外はポーターが運んでくれます。

ツアー会社との契約を無事終えたら宿探しになりますが、モシ泊の定番はKilimanjaro Backpackers Hotelで、一泊5 USDほどで泊まれます。私は快適性を求めてMbugani Hotelを利用しましたが、それなりの金をとるわりには低質のサービスでした。

あとは翌朝からの登山となるのですが、定番はマチャメ5泊6日、もしくはマラング4泊5日だと思います。が、実はそれぞれ1日削ることが可能です。実際、私はマチャメルートを4泊5日でこなしました。
スルーしたムウェカキャンプ
マチャメルートの場合、入山から4日間かけて4600mにあるバラフキャンプまで移動し、5日目の深夜0時頃から山頂アタック開始、午前9時頃にバラフキャンプに戻ってきます。その後3100mにあるムウェカキャンプまで降りてテント泊。6日目にゲートまで下ります。しかし私の場合、5日目の午前1時にバラフキャンプを出発し、6時に山頂到着。ご来光を拝んでバラフキャンプに戻ったのが7時半でした。ここでガイドから「このペースなら、ムウェカキャンプをすっ飛ばして今日中に下山できるよ」との甘い提案がありました。ガイドにしてみれば、6日分の給料やチップをもらいつつ5日目には家に帰れる。俺にしてみれば寝袋や不味い飯とオサラバできるのでwin winです(街での滞在費が1日分増えますが)。結果、13時にはゲートに到着しましたが、ゲートクローズが18時なので、富士山を日帰りで登れるくらいの人ならば、決して無理なオーダーではないはずです。ただし、最初から4泊5日で組んでもらうのは、おそらく無理でしょう。あくまでも心の中で6日目を予備日としておくのが妥当です。

服装については、2000〜3000mを昼間移動するぶんには気温25〜30℃の環境なので、ほぼ日本の夏山的感覚になります。それに対して、最終キャンプから山頂へはマイナス10〜20℃を登ることになります。よって日本の夏山と冬山の両方の装備が必要ということになります(クランポンやピッケルは要りません)。シェラフはモンベルのULスパイラル #0を持参しました。荷物は毎日出発する際にポーターに預けるのですが、次のキャンプまでは取り出すことができないので、行動中に必要な荷物は自分でかつぎます。ポーターは客から預かった荷物を丸ごと防水の袋に入れて頭上に担いで登ります。よって預ける荷物はザックである必要はありませんし、防水である必要もありません。私は預け用に100Lのザックを持参したのですが、仮に次回登るならば、巨大なボストンバッグを持っていきます。薬は、日本のお医者さんから高山病予防薬(ダイアモックス)をもらっておくことをお勧めします。朝昼晩0.5錠ずつのむので、約10錠必要になります。

最後に、仮に私がもう一度登るならば持って行くであろう荷物をリストアップしておきます。

サンダル(クロックス)
トイレットペーパー 2ロール
虫除け(予防接種を受けずに行くなら、なおさら)
日よけ止め(必須)
リップクリーム(必須)
シェラフ(モンベルのULスパイラル #0)
スリーピングマット
ヘッドライト(最終日は深夜行動です)
ヘッドライトの予備電池
水筒(1.5Lぶん)
プラティパス(8Lぶん)
薬(ロキソニン、風邪薬、ダイアモックス、止瀉薬)
ゴミ袋(大きめのジップロックが便利)
浄水器(SAWYER)
自分用ザック(30Lほど)
預け用のボストンバッグ
歯ブラシ
タオル
ウェットティッシュ(トータル50枚くらいほしい)
サングラス(必須)
エマージェンシー・シート(なんかのときのために)
傘(絶対に欲しい)
割り箸(日本人なら)
コッヘル(カップラーメンを食べるのに使いました)
どん兵衛やカップヌードル(リフィル)1日1個
エナジージェル、チョコレート、カロリーメイト等の行動食