2018.9.1~9.2 茅ヶ崎山岳協会創立65周年記念、お月見山行

お月見参加者(敬称略)
新井 彰治 大森 塚越 竹沢 宮崎 中村 相原 越野 阿久津 瀬沼 濱野
鈴木 大熊 長野 抱 安井 信さん 海保 中西 安波 伊三雄


茅ヶ崎山岳協会は本年度で創立65周年を迎えました。
【記念山行】
1、エビラ沢沢登り(相原、阿久津、鈴木)

2、大岩沢沢登り(中村、塚越、瀬沼、濵野、大熊、長野)
【お月見】
毎年9月第1週の土日は神ノ川ヒュッテでお月見山行を行っている。
今年は創立65周年であるためお月見山行で記念イベントを行うことになった。
毎年お月見は雨が多く月を見たことがないが、今年も雨の中のお月見となった。




「茅ヶ崎山岳会」と「茅ヶ崎市役所山岳部」の茅ヶ崎山岳協会は1953年に発足。創立当時から安全登山の普及と啓発、親睦と技術向上を目指し活動している。春と秋にそれぞれ行う市民ハイキングと沢登り、今年61回目を迎えた市民富士登山を恒例行事とし、安全登山の講演や知的障害者施設が行う登山のボランティアも行っている。
長年先輩方が築いてきた『生涯スポーツ功労』が認められ2017年に文部科学省より生涯スポーツ功労賞を受賞することが出来た。

2018/9/1 神ノ川水系 エビラ沢

日付 2018/9/1(土) 天候 曇り→晴 →雨→曇り参加 相原(CL)、鈴木(崇)、阿久津(投稿) アルバム :https://photos.google.com/u/0/share/AF1QipN1GzGju_RQ7goaZMnXxHDClbhRO2NKZdLmFn-V8mb01touBmFYiWHwQRDbitzDVA?key=bkRVSDctRkdKM1Bid1BjX1ZhcExVbGZ4X2NCdjVn

工程:登攀開始7:00→袖平山山頂14:00→駐車場16:00

毎年恒例会山行(宴会)のお月見山行イベントとしてエビラ沢へ行ってきました。
参加メンバーを募集した時は4人で行く予定をしていましたが、家庭の用事等で急遽キャンセルになり、結果は3人で登攀を実施しました。
今回のエビラ沢は「東京起点沢登ルート120」に記載されている、トポ図とおりに登攀するのではなく、全ての滝を直登する目標を自分達に課して登攀しました。

エビラ沢橋から見える、F1の登攀を開始します。実際に間近で見ると、「これを直登できるの!?」と率直に思えるぐらい黒光りしている滝を相原CLがリード登攀。F1に残置ハーケンも無く(一部有るが腐食している)ハーケンを打込むリスが割れたりと、安定するF2前のテラスまで、一切気を抜けない登攀が続きます。とくに、テラス前のドスラブはフリクションが一切聞かない黒光り状態で、足だけでは取付いている事も出来ないため、膝と足の4点支持で通り抜けます。(個人的にはここが一番怖かった)
相原CL、魂の登攀でテンションを掛けることもなくクリアします。フォロの鈴木さんが、支点回収するにもルートが辛くて苦労したそう。

F2は特段難しい点もなく快適にクリアする。

F2を登攀してから白滝までの間は特に難しい点もなく全員フリーで抜けて行く。途中、先行で入渓していた釣り師の方々にお会いし、沢に入らず避けて行くことを伝え揉めることもなく通過する。
変わり映えしないゴロー帯をぬけて行くと、白滝が顔を出してくる。

今回、自分たちは左岸を登攀した。右岸の草付きも行けるそうです。
白滝は左岸は残置リングがあり、アブミを利用して難しい点もなくクリアできましたが、
残置ハーケンが登攀中に千切れたり、リングも腐食が進んで細くなっており、リード登攀して行くには、かなり怖い感じになっていました。今後の登攀は支点を作りなおさないと怖い状態かと思います。

白滝を超えてからも難しい箇所は特になく進んでいきます。
標高930mあたりで2段滝が出てきます。トポ図には、ボロイ、ヌメリの安定しない滝と紹介されており、実際に登攀すると岩はよく剥がれるしヌメリが凄く厭らしい滝でした。2段滝の上部は特に難しい点も無く抜けることができましたが、水量が多いみたいでかなり、水を浴びながらの登攀になりました。2段滝を超えてから稜線までは難しい箇所がなく、標高を詰めていきます。1,200mぐらいまで登って沢に水がなくなりました。丹沢の沢として珍しく、かなり高度まで水があり水も冷たい状態でした。
稜線にでるのも踏み跡も明瞭についており特段難しいところはありません。
稜線から袖平山山頂までは10分ぐらいで登ることができました。

下山ルートは風巻ノ頭から北西尾根に降りて作業林道を辿りエビラ沢の入渓点まで行くことができました。作業林道は踏み跡が明確で迷うことは無いとおもいます。
裏丹沢は山蛭が居ないみたいで快適だと語りながら下山して後片付けをしていると、各自の足元に山蛭が2匹以上着いており、やられたと焦りましたが、血を吸われている痕はなかったので、最後の入渓点あたりの草むらで取付いた模様です。
丹沢で900m差を詰める沢登は初めてやりましたが、非常に遣り甲斐のある沢でした。

直登登攀のアイデア出し&全リードをしてくれた相原さんありがとう。
あいかわらず最高のルートファインディングをしてくれた鈴木さんありがとう。
良い感じで纏まっていたチームに本当に感謝です。

2018/8/26-27 利根川水系 楢俣川ヘイズル沢左俣右沢

日付 :2018/8/26-27 天候:晴れのち曇り  参加:渡邉(CL)、安波(投稿)
アルバム : https://photos.app.goo.gl/hzcUYJR2kbMUvcZH8

関東の赤木沢とも表現されるヘイズル沢に行ってきた。変な名前。へつる→ヘイズルが語源とのこと。「イワナの塩焼きが食べたい食べたいたべたーーい!!!」と言い続け約2週間、本日を迎えた。
【行動時間】
1日目:駐車スペース(2時間10分)入渓点(4時間半)1180m二俣(10分)左沢右沢出会い(2時間)第一堰堤(1時間)第二堰堤(数分)幕営地
2日目:幕営地(30分)第三堰堤(20分)1:1の二俣(30分)涸沢との二俣(1時間半)登山道(5分)小至仏山(1時間半)鳩待峠(タクシー約1時間?)駐車スペース
***1日目

奈良俣ダムを過ぎてキャンプ場とゲートの別れ道に駐車スペースあり。昔はこのゲートは開放されていたらしい。ドコモは不安定ながら使用できた。

ゲートを乗り越え緩やかな登りと平坦な舗装路を歩くこと約2時間。飽きてきた頃、急に道が荒れたかと思うと水が流れてくる。崩壊箇所は2箇所。道が荒れてきたら沢靴に履き替えたほうがベター。その先はぬかぬかのグチャグチャで履き替えるのも一苦労だった。。。入渓はもうすぐ。「林道は軽井沢のようだ」とのブログに期待をしたが・・・

目印の監視小屋。ここで沢装備装着。橋を渡りほんの少し歩き、なんとなく下降できそうな踏み跡から入渓。

すぐにミニゴルジュ。蒼くない、、、濁っているのが残念でならない。昨日は20mm/1時間以上の豪雨。増水を懸念したが遡行は可能そう。今年は増水の沢ばかり。(蒼い画像は他ブログで見てみてください!キレイなはずなんですよ、ここ!)

名前の通りへつってへつって。泳いだり水に浸れる淵や瀞もある。割と明るく怖さはあまりない。

30分もへつれば明るく開放的な滑床へ渓相が変わっていく。

変形10m滝は右から。階段状になっていたはず。

3段12m大ナメ 滝を登ったと思うとまた景色が開けて渓相が変わる。

新装備、お助けロープ6mm×10m inチョークバック(水はけがよければ便利かも!)

3段15m大ナメ ここは快適だがスリップ注意。

水流左が簡単な7m滝。シャワーが強すぎて左岸から巻き。。。

ちょっと苦戦しこの後ドボン。かぶっていて抜けられない。諦めて右岸へ渡り水流左を倒木を利用しながら突破。倒木は渡邉の重さで沈みあたしは恩恵にあやかれず数メートル泳ぐことに。

4mナメと思われる。水流は重力に反して噴水状態。難しくはなかったはず。

食べたら美味しいツキヨダケ。(毒)

顕著な岩峰出現。アイヌ彫りってこんな感じだった気がする。

気持ちいい!赤木沢は行ったことがないがこんな感じ?デート沢に認定されてもいいと思う。ナメナメひたひたナメナメつるつる。そう、よく滑る岩でした。

上の写真のナメから10分後の10m滝。変化に跳んで実に楽しい。沢が色々な表情をみせてくれ飽きさせない、裏切らない!左岸から巻き。階段状の岩と心もとないトラロープあり。

登攀の後は幅広大ナメウォーキング!

1180m二俣 左俣へ。一段と青空が気持ちいい。大休止をしながら早くも今日を振り返る。イワナがいるのはこの辺りまでという話だったような。尺イワナがいるっていうのは都市伝説?魚影がなく竿を出すこともなく二俣までついてしまった。増水してるときのイワナはどこにいるんだろう?

塩焼き・・・と言いつつもご機嫌に記念撮影♪この一歩後ろ、めちゃ深い!足はつかず落とし穴かと思ったよ。。。二俣までもトラップに引っかかるように何度かドボン!



左俣に入ってからは特に沢床に陽が差し込んでキラキラきれい!時間は気になるがなかなか進まない。さっきまでより岩肌が白く映えている。

左沢右沢出会いの12m滝 右沢へ

2段12m 左から。釜を泳いで取り付こうとするが押し戻されてしまう。水流からそれて左の方にハーケン1枚あり。取り付けるならハーケンの方よりは水流の中の階段状が良さそう。



ずっとハイライトの装いが続く。楽しい~!

2段20m 左のⅢ+くらいをフリーで。水しぶきがなければあたしも登れる。この滝が出てくる前にテン場を探すはずが・・・というか探したし焚き火の跡もあったが、土地が低く断念。もう堰堤上を目指すしかない!

第一堰堤左から。

第二堰堤も左から行ったがちょっとイマイチ。

第二堰堤上の「極上のテン場」を探すがここらしい。整地はされているし快適だが、他パーティーがいたら厳しいかな。付近に薪は少なく、使い果たされているようだった。沢靴のまま上流に行くと拾えるかも。増水に耐えうるかは少し微妙?

***2日目

昨日頑張ったから、とゆっくりスタート。雨が振りそうなのでゆっくりもしていられないのだが。今日はこけなければあまり濡れないはず。

第三堰堤 左岸から小さく巻く。

1:1の二俣(1:1:0.5くらいだった)左へ

左岸涸沢筋を詰める。沢装備解除。

涸沢はⅡ級~Ⅲ-くらいの岩登りをしながら高度を上げていく感じだった。浮石はもちろんあるが登りやすいしアスレチック感覚でサクサク登れる。時折踏み跡出現。「登山道が見えたら右へトラバース」の予定がガスって視界不良。結果、登山道から10mくらいのところでちょいと右往左往。。。登山者に声が聞こえていたら怖かっただろうなぁ。

藪こぎなしに登山道!ザックをデポし山頂へ。

5分ほどで小至仏登頂!この山頂碑、立派すぎ!ガスで展望はなく、、、至仏山は見送り。

下山は鳩待峠へ。笠ヶ岳経由での下山は6時間越え。(記録を見ると4~5時間で下山しているようだが・・・)笠ヶ岳経由に下山路をとれば駐車スペースへ徒歩で戻れるが、ここは大人の力でお金で解決。(鳩待峠から駐車スペースまでタクシー利用)下山を始めると天気予報に反し青空。牧歌的な展望にハイキング気分であっという間に下山完了。下山まで楽しめて大満足◎立派な木道は東電様サマです。

アプローチの林道歩きはちょっと長いが、その後の遡行を考えればなんてことない。へつりに滝にナメへと変わっていく渓相には飽きることなく、ツメも極簡単な岩登りと歩きでとても良い。鳩待峠へ下山すれば下山の景色も楽しめる。本当に楽しみの詰まった沢でした!本に載っていない事が本当に不思議だが、それでいいのかもしれない。また行きたいと思います。釣り竿もって!

イワナの塩焼き・・・ありつけました^^;

リンドウ もう秋の気配です。

***ノート
・今回は日、月曜日で入渓、天気も微妙。タクシー待ちはなかった、普段はかなり待つとのこと。予約がベター。鳩待峠に止まっているタクシーは基本乗り合い用であり、行き先が決まっていた。奈良俣ダムへ行く人は沢屋でもない限りまずいない。(鳩待峠~駐車スペース¥12000)
・幕営適地が少ない。増水に耐えられるか微妙な所が数箇所。
・今回は増水のためか魚影はなかったが、釣れるらしい。釣り師も入渓。
・ツメは間違えなければ藪こぎなしに登山道。岩々しているため間違うと行き詰まりそう。所々に踏み跡があるため探してみよう。登山道から見ると、沢から上がったと思しき明瞭な踏み跡が多数あった。一般登山者からはヒンシュク者ではないかと・・・
・デート沢だと思う。

***おわり***