毎年恒例山菜山行

日付 2014/5/10(土)~11(日) 天候 快晴
 参加 塚越(CL)、伊三雄、水島一夫(会友)、青木ご家族、新井(顧問OB)、清水、橋元、重盛、宮崎、武藤、梅田、齋藤、秋元、梅野(会友)、大手、阿久津、佐々木(OB)、荻野、平林(投稿)
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茅ケ崎山岳会として毎年恒例となっている山菜山行に初めて参加させていただきました。山菜といえばゼンマイ!というイメージしか持っていなかった自分は結果的に度肝を抜かれた山行となりました。

9(金)21時過ぎに阿久津さんが手配してくれた10人乗りの車で辻堂、茅ケ崎から目的地であるテント場に着いたのは早朝3時過ぎでした。早速テントを張って就寝。隣のテントでは宴会が始まったらしくパッション溢れる熱いトークが繰り広げられていたようです。

10(日)、6時半頃に目が覚めると皆さん朝食や登山の準備をし始めているところでした。


朝食を摂った後、皆で車に乗り込んで林道をしばし走ります。
出発時の青木さんからの、「おでん作って待ってるから~。」の一言でメンバーの士気がガツンと上がったと思われます。

7時50分、林道の途中に駐車をしていよいよ山菜山行のスタートです。


しばらく歩いてまずはメンバー全体のショットを一発入れます。

そのまま林道を歩き続けて途中で道なき道へ突入して歩き続けてから無線の確認をします。

気持ちの良い樹林帯を歩きづづけて少しづつ高度を上げていきます。



途中で、「ここからはサングラスをかけた方が良いよ」との声を聴いてサングラスではなくゴーグルを持参していたことに気付き、場違いなゴーグルを装着…

ついでに報告しますとニット帽も暑さに拍車をかけていました…
その暑さを吹き飛ばすような気持ちの良い場所に一同は到着するのです。



伊三雄さんの「ここには水芭蕉があるんだよ」という言葉に吸い寄せられて尾瀬に想いを馳せつつしばし堪能いたします。



この場所で一息つきつつ、アイゼンを装着します。


後ろを振り返るとこれまた絶景!
前に目を向けるとこれまた白銀の世界!
春山で快晴だと気分も爽快になるもんだな~、と実感します。

アイゼン装着後は山菜スポットまで尾根をガシガシ登ります。
途中で藪漕ぎを強いられる事がぼちぼち出てきますが、皆さんの熱いハートを持った前進を止めることは藪には出来なかったのです。。。




11時頃、山菜スポットに到着しました。

この辺りで、ギョウジャニンニク、ウド、タラノメ他、様々な山菜を収穫されたとのことです。
そのおかげでこの日の夜と、翌朝にはたっぶりの山菜料理を胃袋ははち切れるまで頂くことができました。
山菜収穫していただいた皆さん、ありがとうございました!





山菜班と分かれて10名で山頂を目指すことになります。
藪をかき分けて雪稜を歩いて、また藪をかき分けて雪稜を歩いて…
を何度か繰り返します。
それにしても皆さんペースが落ちません。。。
さすがです(+_+)





それにしても最高な天気で気分の高揚が止まりません!



頂上を捉えた時の景色が一番印象に残っています。



ここまでずっと先頭を歩いて引っ張ってくださった塚越リーダー、後ろから見守ってくださった武藤さん、ありがとうございました。

12時35分、10名全員で山頂に到着しました。



昼食には途中で収穫してきたギョウジャニンニクに味噌を付けて食べたり、キャンプ地から持参したビールを空けたりして和気あいあいとのんびりした雰囲気で抜群の居心地でした。

40分のんびり休憩をして13時10分、下山を開始します。
しばらく下山してギョウジャニンニクを収穫!
数十分の間収穫してから雪渓を下るルートなります。
その下山途中にもギョウジャニンニクスポットがあるのを阿久津さんが発見してまたまた収穫(*^_^*)

その後は沢筋をひたすら下山です。


皆さん下山のスピードが速いです。。。
遅れないように気を付けましたが、普段自分は相当のんびり下山しているんだな~、と実感いたしました(ToT)
それでもこの斜面の下山は非常に楽しいものがありました!

沢筋から尾根に上がって林道に出たのが15時15分。
コゴミを収穫して車を駐車した場所に着いたのは16時。

早速、近場の温泉に阿久津さんの車で送ってもらいました!


いや~、登山の後の温泉はタマランチ会長ですね。
自分は今まで『登山⇒温泉』というゴールデンコースを基本的にやってこなかったので風呂のありがたさが身にしみました。

温泉から戻ると、青木さんがおでんを作ってスタンバイしてくれていました!

これがまた…ウマスギルスキルッ!
おでんの味に浸っていると次々に山菜料理が目の前に繰り広げられていきます!


個人的にこのコゴミがコゴミだけに好みの味でした。
しょうゆと鰹節で食べたら10カウント取られちゃうんじゃないでしょうか(ToT)/~~~

キャンプ地は次第に夕暮れへと景色を変えていきます。


そしてこの後、衝撃的な料理が目の前に現れるのです!!
それは。。。
ギョウジャニンニク入りの餃子!!

高なる鼓動を抑えつつ口の中に入れると、頭の中で10カウントが鳴りました。。。
完全にKOです。餃子が好物の自分ですがこれほどうまい餃子は滅多にお目にかかれるものではないと思いました。

続いて齋藤さんがギョウジャニンニク炒めを作ってくれました。

この炒め物…はっきり言ってご飯があったなら5kg入りの米が21人であっさり胃袋に吸い込まれてしまうであろう味でした!

お酒、山菜、美味しい料理、会話、景色、自然、それら全てを楽しんでいるとても素晴らしい雰囲気でした。

お腹が満腹に近づいてきたところにさらに焼そばがテーブルの上に!
尋常ではない量が作られていましたが、見事に完売御礼!
自分はあまりの眠気に21時前後にはテントで就寝しました(-_-)zzz

11(日)は5時半頃に起床!

朝食の準備にとりかかります。
なんと、朝から山菜の天ぷらを食せるということで下準備が始まります。

自分はこの間焚火にあたってボケーとしてました。ほとんど参加せずすみませんでした(+_+)

タープを張っていよいよ早朝天ぷら宴会の始まりです!


自分たちで採った山菜を翌朝天ぷらにして食べる。。。
贅沢なですねぇ。非常に贅沢なことだと思います。もちろんこの山菜天ぷらも大人気で皆さんの箸がウサインボルトよりも早く動いていました。
齋藤シェフが昨夜に引き続きさらにソーセージ入りのバージョンアップ炒めを作ってくれます!

食材がひと段落したところで片づけをして、締めの全体写真!

先月に茅ケ崎山岳会に入会をしたばかりなのですが、にも関わらずこういった山菜山行に参加することが出来て皆さんに感謝です。
一夫さんのおかげで続けられている山行だということ、青木さんの料理が皆さんに元気と笑顔を注入し続けていること、そのおかげでとても楽しく記憶に残る山行になりました。ありがとうございました!

20140510-03 春山合宿 剣岳 八ツ峰アタック

日付 2014/05/01(木)~03(土) 参加 高橋(CL)、伊三雄、塚越(投稿) Photo https://plus.google.com/photos/110771324764284100517/albums/6009812035763612449?banner=pwa
春の剣岳は3度目の訪問であるが、三の窓から本峰へと稜線を辿る上で、いつも憧憬となっていたのが八つ峰を登るクライマーであった。
去年一緒に剣尾根R4を登った高橋も似た思い抱いており今回のチャレンジとなった。完登後は後から来るメンバーと源次郎尾根も登るという少々欲張りな計画とした。



5/1晴後雨 扇沢7:30 室堂9:00 剣沢13:00
平日は始発が6:30ではなく7:30であったため、1時間待ってから乗車した。それにしても今年のGWは曜日並び悪く、まさに「平日」の扇沢であった。
室堂から歩き出す頃から天気は崩れ、剣御前の小屋を通過する頃には濃いガスと風雪に包まれた。本来であれば八つ峰の1峰、2峰間のコル
まで、前進する予定であったが夏の剣沢幕営地のトイレ横に幕営した。(御前小屋からトイレまでは赤布が整備、またトイレ掘り出し
されていたが、結局GW小屋の営業は無し。)



5/2晴れ 剣沢5:30 八つ峰1.5コル8:30 6峰手前のピーク14:30
昨日の雨から一転しての晴れだが、冷え込みは弱く長次郎雪渓までも結構グサグサ。朝挨拶した富山県警山岳警備隊の3~4名は源次郎尾根
にパトロールに行った。我々は夏と同様に長次郎を40分詰めた後、1.5峰へ上がった。トレースは先行している3人パーティのラッセル後
をありがたく使用。夏の記憶では1.5峰から1峰へは悪い這い松漕ぎで行ったが、雪に埋もれた今も、見た目結構悪く1峰往復は割愛した。




無風快晴の中、いよいよ縦走開始。雪は朝から腐った状態だが、雪稜自体は5、6のコルまではそれほど悪く無かった。問題は各峰からの下降。
2峰、5峰は夏の支点が利用できたが、3、4峰では先行パーティー手製のスノーボラードを使用した。今回のような水分の多い腐れ雪でも使えることに関心。ただし完全に体重を載せるような懸垂をするとロープが喰い込み過ぎ、回収不能となることを学んだ。
要はクライムダウンのバックアップのイメージである。
5峰で2ピッチの懸垂で先行に追い付き、5、6のコルで一息。先行パーティにトレースの御礼を言った。彼らは余りにも雪の状態が悪いのでここでビバーグし、明日朝抜けることを決断したとのこと。
この頃伊三雄さんと私は体調変化に気づく、途中で暑さのため帽子を脱いだが、強い日差しにより熱中症になり始めていると直感。
帽子を被りなおしてみると、2人とも即快複した。




6峰への登りは5峰から見た時は相当悪そうに見えたが、コルから見た時は思ったほどの傾斜も無かった。ときおりチリ雪崩も発生して
いるが、悪条件の冬でも登られていることなどを考慮した結果、我々は先へ進むことにした。
ロープを出し1ピッチ目高橋リード、支点が要所に這い松で取れた。2ピッチ目変わるが急傾斜での雪崩しラッセル。
3ピッチ目急傾斜トラバースを終えた後、ロープはしまった。
          




6峰ピークまで行くと主稜線が近い、またハイライトとなる急峻なナイフリッジが続く。この先幕営地は無いと判断し一つ手前のピークにバックステップで戻り幕営することに。翌朝に備えスノーボラードを6峰に作成しておいた。
テントでは酔っぱらった高橋が、ここからの景色に何度も感動していた。そうであろう夏冬含め剣岳2回目で八つ峰の核心部で幕営なのだ。



 5/3晴れ後曇り 6峰手前のピーク5:30 八つ峰の頭7:30 剣本峰9:10 剣沢11:30
昨日作成済みのスノーボラードは朝の冷え込みでカリカリの状態。この状態であればロープの喰い込みも少なく、テンションを掛けても回収不能にならないと感じた。
6峰から7,8峰を経て八つ峰の頭へ至る本日のルートは素晴らしい。特に8峰を巻きニードル手前のルンゼを直上、八つ峰の頭直下に出た時には完登が近いことも有り、感動ものであった。
ちなみに7峰の下りでもスノーボラードを手製。堅雪でもピッケルのブレードで掘り込めばわずかな時間で作成可能であった。
ただし設計ミスによりやや小さいボラードとなってしまった。この後通過するパーティを不安にさせたかもしれない。




八つ峰の頭から池の谷乗越への懸垂はシングルでちょうどであった。長次郎左股を登って来たスキーヤーに昼頃前線通過有り、天気崩れる
ことを知らされ、本峰での乾杯もそこそこに下山。平蔵のコルからは平蔵谷下降を主張する伊三雄さんをなだめすかし、前剣経由で剣沢に
戻った。登り返しを考えるとこちらの方が楽で早いと思われた。





あとがき:今回昨春に続き剣岳のビッグルートを登ることができた。もう少し早く来たかった思いもあるが、同行してくれる仲間がいたことに感謝したい。また立場上、後に続く後進を育てて行くことも重要であると感じた。

20140426ー27 明神岳東陵

日付 2014/04/26(土)〜27(日) 天候 晴れ  参加 武藤(CL)、阿久津(SL)、塚越、高橋、宮崎(食糧)、秋本、大手(投稿)
Photo:https://picasaweb.google.com/110771324764284100517/2014042627
https://picasaweb.google.com/110771324764284100517/20140426

Comment:天気に恵まれ、穂高を一望するすばらしい山行でした。宮崎さんのキムチ鍋最高。


沢渡駐車場5時集合し、足湯に浸かって、武藤さんが予約しておいたタクシー2台に分乗して(5:40)、上高地に着(6:00)。好天の中、穂高と明神岳の姿にテンションアップ。準備して出発(6:20)。

上高地の樹林を抜けて、なかなか立派な明神橋を渡り(7:15)、薮を抜けて、枯れた沢沿いに、休憩を挟みつつ、雪渓とガレ場を登り、宮川尾根コルへ(8:50)。



宮川尾根コルからは、視界が開けて、左に明神岳、右に長七ノ頭を見ながら、ひたすら雪渓をトラバースし、ひょうたん池着(10:20)。前穂の三本槍を望みながらランチ休憩。


ひょうたん池を後に(11:20)、最初の岩場をロープを出して1P登攀。草付きの岩場を登りきると、その後は、雪壁と雪稜をひたすら登り、左右が切れ落ちたピークを慎重に超えて、今夜の幕営地バットレス基部に着(15:00)。

 

まずは、祝杯。持ち寄った豊富なつまみでお酒が進む。今回も宮崎さんのキムチ鍋が絶品。つまみでけっこう満腹なのに、別腹とばかりに食して就寝。




翌朝は、3:30起床で、キムチ鍋の残りにご飯を入れてキムチ雑炊をいただき、今回の核心バットレスに向けて出発(6:00)。バットレスでロープを出して1P登攀し、雪壁を登り、明神岳主峰へ。






明神岳主峰着(8:10)。みごとな天気の中、前穂、奥穂、西穂を一望に、しばし休憩。風もなく気持ち良かった。最高!

 なごり惜しくも、明神主峰を出発(9:00)。明神2峰に向けて、ロープを出して1P登攀し、2峰、3峰(10:00)、4峰(11:00)と縦走し、前明神沢へ下山開始(12:20)。※阿久津さんは5峰も登頂。


ひたすら雪渓を下り、岳沢を経由して(14:30)、無事上高地河童橋へ下山(15:20)。


タクシー2台に分乗して、沢渡へ。駐車場前の温泉でさっぱりして出発。満開の桜を愛でながら、途中、松本の洋食屋さん「十字路」で、うまい洋食をいただいて岐路へ。※十字路のハンバーグカレーは絶品でした。

今回も体力的には若干きびしく皆さんを待たせてしまいましたが、すばらしい天気、景色の中、雪陵、岩場のクライミングも楽しめて最高でした。
誘ってもらった武藤さんに感謝いたします。

20140502-04 春山合宿 剱岳

メンバー:武藤、宮崎、阿久津、原口(投稿)
行動記録:
52
辻堂出発:2100
53(天候:晴れから曇り、雨と強風)
扇沢到着:0200
扇沢出発:0630
室堂出発:0900
別山乗越:1200
剱沢BC(八ツ峰組と合流):1300
54(天候:晴れから曇り)
剱沢出発:0430
平蔵谷登攀開始:0600
剣岳:1000
剱沢BC1300
剱沢出発:1330
室堂:1600
扇沢:1900


春山合宿の一環として「源次郎尾根」が計画されました。現地で「八ツ峰組」と合流する予定で、「源次郎尾根組」には4名参加、予定としては、
室堂 – 立山三山経由 – 剣沢ベース – 源次郎尾根取り付き – I峰 – Ⅱ峰 – 剣岳本峰 –  前剣 – 剣沢ベース – 室堂
とされました。

2日の夜、待ち合わせの辻堂を出発、中央道を安曇野で下り、扇沢到着は2時ごろとなりました。連休中のため駐車場はかなりの車で埋まっていましたが、下部の無料区域に駐車でき、とりあえずは扇沢ターミナルの屋根の下での仮眠となりました。すでに酒盛りが始まろうかとも思われましたが、今後の行動を考え、ほどほどに…。

翌朝5時ごろ起床すると、すでにチケット売り場の前には長蛇の列。6時半の始発のトロリーバスに乗るため、遅れてならじと我々もよろよろとこの列に加わったのでした。(チケットはJAFの会員証を提示すると10%の割引が効きます。我々もこの恩恵に預かることが出来ました。武藤さん、ありがとうございました。)

6時半のトロリーバス、ケーブルカー、ロープウェイそれにトロリーバスと乗り継いでやっとのことで室堂に突き出たのが9時少し前、駅構内は登山客、スキー客、アジア諸国からの観光客を含む一般客でごった返していました。登山の届け出の際、我々の予定した立山三山はかなり風が強いから気をつけるようにアドバイスを受け、主眼は源次郎であるから、歩き出してみて状況を見ながら無理しないことを全員で確認。



9時過ぎに室堂を出発、室堂平から浄土山・雄山を目指しましたが。案の定、雲行きが怪しくなりだし、おまけに風も出てきました。この分では稜線上の風はかなりのものと予想され、すべての装備を背負った身には厳しい状況が予想され、明日のこともあるので、縦走は諦め雷鳥沢へと向かいました。別山乗越に出る頃には、霧とかなりの風が出てきて、少しの暖を取るべく剣御前小舎になだれ込んだのでした。隣では、すでにビールを片手に談笑する女性グループもいたりして、羨ましそうな目をしているメンバーもいたようです。

別山乗越から剣沢BCまで、霧と風の中を赤い旗に導かれ一気に下り、「八ツ峰組」と合流。この頃には雨風が強くなり、「八ツ峰組」の応援をうけ、天幕を張るべくブロックの切り出しにとりかかりました。荷物をとりあえず天幕の中に放り込み、ようやく宴会の支度が整う頃には、雨粒と強風が天幕のフライを叩くらいの天候となりました。外では、雷鳥が挨拶に来たのか、脅しに来たのか、ガーガーと鳴く声を聞きながら、「八ツ峰組」からその登攀の様子を聞き、我々は「おお!」「マジですか?」とひとしきり関心したものでした。中には、いずれ自分の課題にと心に誓ったメンバーもいたようです。明日は2時起床、4時出発の予定ということで就寝。天幕を叩く強風と寒さの中、ウトウトとすると、誰かのiPhoneの目覚ましが2時を告げました。天幕の外は、風もある程度収まり、星がキラキラと、絶好の源次郎尾根の登攀日和となるはずでした。


「八ツ峰組」のメンバー3人と合計7名で剣沢を源次郎尾根基部まで、アイゼンを効かせながら下って行きました。源次郎尾根へのルンゼにはすでに数パーティが取り付いており、さて我々も、というまさにその時、ルンゼ上部から二人の登攀者が滑落してきました。我々がいたルンゼ下部には上から流されたデブリが広がっており、二人は近くで停止、早速先を歩いていたメンバーが素早く対応、携帯がつながらないために、高橋さんがヘリを呼ぶために小舎を目指しました。この事故のため、予定していた源次郎尾根は中止し、塚越宮崎、阿久津、原口の四名で、平蔵谷から剣岳をめざすことになった次第です。



事故の興奮も冷めぬまま、6時ごろデブリの広がる平蔵谷を上部コルを目指してひたすら登りました。登り始めて2時間もしないうちに、ヘリの音が下から聞こえ、救出作業が始まったことがわかりました。太陽が雪渓を照らしだす頃には、稜線も近く、雪もキラキラと輝きます。足元の雪が緩くなってくるのを感じながら、右手に当初の予定だった源次郎尾根、頭上には稜線、またその上に広がる青空と広角の風景を満喫したのでした。平蔵のコルからは、がっしりしたハシゴを登り、雪の全くついていないカニのヨコバイをトラバース、あっという間に剣岳山頂につきました。周囲に広がる風景と、肺に吸い込む冷気を感じながら、行動食を胃袋に詰め込みました。源次郎尾根からは登攀者が到着し始め、コンディションの良かったことを話してくれました。中には、下で起こった事故について知っている人もおりました。



ひとしきり頂上での一時を満喫したあと、前剣経由で剣沢を目指しました。「行きはよいよい帰りはなんとか」で、特に前剣からの下りでは、ひとしきり緊張を強いられましたが、一歩一歩確実に下り、別山尾根を離れ、剣山荘の近くにたどり着く頃には、朝からの一連の出来事を思い出しながら、後ろにしてきた剣岳を振り返り、振り返り、幕営地を目指しました。

個人的には、すでにこのあたりから、もしかしたら今日撤収するかも、という予感を感じながら、へろへろになった足をひたすら引きずっておりましたが、この予感は見事的中し、室堂最終のバスを捕まえるべく、撤収作業、脇目もふらずの別山乗越、雷鳥沢経由の室堂到着となった次第です。ああ、疲れた…。


おまけ:今回、会に入会して初めての山行となりました。最後の撤収は、放電してしまった老体には厳しいものがあり、共同荷物を分担することができず、皆さん、ゴメン、ごめん、御免…。今回は突然の出来事で、予定のルートには取り付くことができませんでしたが楽しい山行をすることが出来ました。それにしても、団子がつくアイゼンはなんとかしたいとつくづく思った次第。今後共よろしくお願いします。