2018/10/2 キリマンジャロ、マチャメルート 4泊5日

日付 2018年10月2〜6日  永田英哉

10月6日、キリマンジャロ山頂に立ちました。山頂の標高は5895mで、自分にとっては人生でもっとも高いところに立ったことになります。とはいえ、キリマンジャロ登頂自体は当会では新井さんが2015年にやっていますし、登頂記録にしてもいくらでもブログを見つけられるので、ここでは割愛します。

さて、多くの方は、アドベンチャーガイズ、西遊旅行など、日本の会社が組んだツアーに参加するものと思います。私は現地に乗り込んで、現地のツアー会社と契約して登頂しました。こうすることで、日本のツアーで行くよりも費用を安く抑えられるからです。ここでは、その辺の経験談を書きたいと思います。

フライトはカタール航空を利用しました。ドーハ乗り継ぎでキリマンジャロ国際空港まで飛べます。計画時のExpediaでは、これが最も早く、最も安い(13万円弱)方法でした。余談ですが、行きのフライトでは左窓、帰りのフライトでは右窓からキリマンジャロを見ることができます。

タンザニアへの入国にはVisaが必要となります。私は日本のタンザニア大使館で取得してから渡航しましたが、キリマンジャロ国際空港で50米ドル(USD)を払えばその場で発行してもらえます。

タンザニア渡航に際してワクチンは必須ではありません。しかし、お隣の国(例えばケニア)では、黄熱病ワクチンを接種せずに入国すると、出国できなくなります。そのくらい黄熱病は恐れられています。タンザニア渡航に際しても打っておいて損はないでしょう。なお、黄熱病ワクチンは10日以上たたないと有効とならないため、渡航10日前には済ませておかなければなりません。ちなみに、私がこの事実に気づいたのは渡航1週間前だったため、ノーワクチンで渡航しましたが、10月のモシは蚊がほとんどおらず、虫除けスプレーも相まって蚊に刺されることは皆無でした。

空港から拠点となるモシの町までは車で1時間ほど。一番簡単なのはタクシーで、料金は50 USDが相場のようです。バス(数百円)で行く方法もあるようですが、私にはその度胸も気力もなかったのでタクシーを利用しました。なお値引き交渉を10分ほど頑張ってみたのですが、あえなく敗退しました。英語力と交渉力のなさが悔やまれます。

ツアー会社は18時くらいまで営業しているので、16時台にモシにつければ、その時間からツアー会社をまわることができます。事前調査によると、日本人に一番人気なのはKiliClimbers社です。私は同社を第一選択に決めていたので、他社と比較することなく契約してしまいましたが、2〜3社まわればもっとディスカウントできるはずです。なお、この日のうちに契約を終えれば、翌朝からの登頂が可能です。手間取った場合には、翌日ゆっくりとツアー会社をまわりましょう。

費用ですが、マチャメルートは全てテント泊になるため、私1人に対してスタッフ6人(ガイド1人、コック1人、ポーター4人)を6日間雇う必要があります。KiliClimbers社の場合には、300〜400 USDでコーディネートしてもらえます。その他に、マチャメルートの場合には入山料830 USDを入山ゲートで支払うことになります。本来クレジットカード払いもできるようですが、私が行った時はシステム障害によって現金払いのみでした。登頂後にスタッフに払うチップ問題もよく耳にしますが、これは6人に対して200〜300 USDが相場のようです。よって入山料+600 USDほど必要になります。ちなみに全て小屋泊のマラングルートの場合には、ポーターの人数も日数も少なくなるため、トータルで300 USDほど安くなるはずです。

多くのブログで見かけることですが、KiliClimbers社と契約する際には、契約内容を全て紙に書かせて、代表者のサインをもらいましょう。その際に、
◯◯ルートを◯日間で登頂する
ガイド、コック、ポーターの人数
装備のレンタルを含む
ゲートまでの送迎
これらは必須事項となります。後で気づいたことですが「空港まで車で送ってくれる」も盛り込むべきでした。これを契約していなかったため、私は40 USDを別途支払いました。飲み水まで契約に盛り込んでいる人もいるようですが、彼らは市販のミネラルウォーターをくれるわけではありません。スタッフ達は付近の水たまりで汲んだ水を平気で飲んでいます。私は途中で水が足りなくなり、スタッフから貰ったのですが、その中にはボウフラがピンピン泳いでいました(浄水器を持参していたのでイヤイヤながら飲めましたが)。必要な飲み水は、マチャメルートで8Lほどです。登頂前に販売店に寄ってくれるので、必要量だけ買っていきましょう。ただし、キリマンジャロにペットボトルを持ち込むことは禁止されているので、プラティパスなどを持参してゲートで詰め替えるのがオススメです。行動水以外はポーターが運んでくれます。

ツアー会社との契約を無事終えたら宿探しになりますが、モシ泊の定番はKilimanjaro Backpackers Hotelで、一泊5 USDほどで泊まれます。私は快適性を求めてMbugani Hotelを利用しましたが、それなりの金をとるわりには低質のサービスでした。

あとは翌朝からの登山となるのですが、定番はマチャメ5泊6日、もしくはマラング4泊5日だと思います。が、実はそれぞれ1日削ることが可能です。実際、私はマチャメルートを4泊5日でこなしました。
スルーしたムウェカキャンプ
マチャメルートの場合、入山から4日間かけて4600mにあるバラフキャンプまで移動し、5日目の深夜0時頃から山頂アタック開始、午前9時頃にバラフキャンプに戻ってきます。その後3100mにあるムウェカキャンプまで降りてテント泊。6日目にゲートまで下ります。しかし私の場合、5日目の午前1時にバラフキャンプを出発し、6時に山頂到着。ご来光を拝んでバラフキャンプに戻ったのが7時半でした。ここでガイドから「このペースなら、ムウェカキャンプをすっ飛ばして今日中に下山できるよ」との甘い提案がありました。ガイドにしてみれば、6日分の給料やチップをもらいつつ5日目には家に帰れる。俺にしてみれば寝袋や不味い飯とオサラバできるのでwin winです(街での滞在費が1日分増えますが)。結果、13時にはゲートに到着しましたが、ゲートクローズが18時なので、富士山を日帰りで登れるくらいの人ならば、決して無理なオーダーではないはずです。ただし、最初から4泊5日で組んでもらうのは、おそらく無理でしょう。あくまでも心の中で6日目を予備日としておくのが妥当です。

服装については、2000〜3000mを昼間移動するぶんには気温25〜30℃の環境なので、ほぼ日本の夏山的感覚になります。それに対して、最終キャンプから山頂へはマイナス10〜20℃を登ることになります。よって日本の夏山と冬山の両方の装備が必要ということになります(クランポンやピッケルは要りません)。シェラフはモンベルのULスパイラル #0を持参しました。荷物は毎日出発する際にポーターに預けるのですが、次のキャンプまでは取り出すことができないので、行動中に必要な荷物は自分でかつぎます。ポーターは客から預かった荷物を丸ごと防水の袋に入れて頭上に担いで登ります。よって預ける荷物はザックである必要はありませんし、防水である必要もありません。私は預け用に100Lのザックを持参したのですが、仮に次回登るならば、巨大なボストンバッグを持っていきます。薬は、日本のお医者さんから高山病予防薬(ダイアモックス)をもらっておくことをお勧めします。朝昼晩0.5錠ずつのむので、約10錠必要になります。

最後に、仮に私がもう一度登るならば持って行くであろう荷物をリストアップしておきます。

サンダル(クロックス)
トイレットペーパー 2ロール
虫除け(予防接種を受けずに行くなら、なおさら)
日よけ止め(必須)
リップクリーム(必須)
シェラフ(モンベルのULスパイラル #0)
スリーピングマット
ヘッドライト(最終日は深夜行動です)
ヘッドライトの予備電池
水筒(1.5Lぶん)
プラティパス(8Lぶん)
薬(ロキソニン、風邪薬、ダイアモックス、止瀉薬)
ゴミ袋(大きめのジップロックが便利)
浄水器(SAWYER)
自分用ザック(30Lほど)
預け用のボストンバッグ
歯ブラシ
タオル
ウェットティッシュ(トータル50枚くらいほしい)
サングラス(必須)
エマージェンシー・シート(なんかのときのために)
傘(絶対に欲しい)
割り箸(日本人なら)
コッヘル(カップラーメンを食べるのに使いました)
どん兵衛やカップヌードル(リフィル)1日1個
エナジージェル、チョコレート、カロリーメイト等の行動食

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