穂高(夏合宿) 前穂北尾根、北穂東稜、第4尾根、第3尾根+ドーム中央稜

日付 2013/08/15~18(木~日)
天候 概ね晴れ
参加 伊三雄、塚越、武藤、重盛、岡田、宮崎、梅田、渡邉、高橋
写真 <
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合宿総評:水島伊三雄

今回の夏山合宿では、ベテラン組みは、屏風岩雲稜ルートのオールフリーでの登攀と新人教育。
新人は、確保技術習得と登攀技術の向上を目指し、北穂高岳東稜と前穂高岳北尾根を計画した。
しかし、今年は残雪が多く、パロラマコースが進入禁止となり、涸沢ヒュッテのテント管理事務所の方とも相談したが、パロラマコースを通ることは許されず、屏風岩の登攀は、断念した。

計画を変更し、2日目の前穂北尾根から北穂高岳までの登攀と縦走(登攀技術と確保技術の向上と持久力、精神力の向上)、3日目の北穂高岳東稜~滝谷の継続登攀(登攀技術、確保技術、精神力の向上)と、ベテランも新人も充実感のある合宿となった。

また、食事については、日替わりで食事当番をきめ、毎日、満足の行く充実した食事が出来た。

今後もアルパインクライミングを楽しもう!!



8/16(金) 前穂北尾根、前穂~北穂縦走(伊三雄、塚越、武藤、重盛、岡田、宮崎、梅田、渡邉、高橋)

報告:梅田
アルパインの入門ルート、穂高でも歴史あるルート、過去何回か涸沢から見上げてたあのギザギザ。2年ぶりのクライミングと言うこともあってとても楽しみ。

03:00に起床、夜中に雨が降ったようだが、全然気が付きませんでした。天気予報は午後から雨。昨日も14時ぐらいから山頂に雲がかかり雨がぱらついてきたので、午後からの天気にはちょっと注意。


0500に行動開始、雪渓を歩いて56のコルを目指します。

06102736m56のコルに到着。少し風がありますが、日差しが暖かくとても良いコンディションです。しかし、自分の体が動かない。昨日の飲みすぎで体が水分を欲しがっている感じ。でも奥穂小屋まで水は補給できません。飲みすぎに注意!


06:462870m5峰到着。ココまでは高度感はあるものの一般ルートとあまり変わらない感じでした。

07:362993m4峰到着。一般ルートとは異なり、浮石や落石に注意が必要だったが、特に苦もなくスイスイ快適に登ることができました。それにしてももの凄い青空。さすが3000m近くの済んだ空気から見える青空は下界のそれとは違います。久しぶりに見た青でした♪

さっさと下って3,4のコルで順番待ち。先行してたのは横浜の蝸牛。謎に苦戦している人がいたので予想以上に待ちました。ここでクライミングシューズに履き替え、ザイルを用意しました。2年ぶりと言うのもありますし、そもそもザックを背負ってのクライミングは初めてでした。クライミングシューズをはくと、足の指がきゅーと締まって心も緊張してきます。3峰が核心部と言うことです。岡田さんリード、塚越さん、自分が最後の3名で登りました。トポ図にはチムニーとか書いてありましたが、チムニー未経験なのは内緒。

いよいよ、自分の番。先に登っている人を見てると緊張感はなくなり、これなら余裕だろと言う気分になってきました。14年前に初めてかったカリマーの青ザッグの初のクライミングです♪



遠くに槍も見えます。ココから見ても今年の雪の多さが良く分かります。10時頃に3010m3峰を超えました。
リードじゃーないので、色々と参考にさせてもらったおかげで特に難しかったところも無くワシワシと快適に登れました。巨大な隙間(チムニーだったのか?)や大きな岩のトンネルなど、ダイナミックな登りを楽しみました。

2峰はクライムダウンも出来るようですが、せっかくなので練習のために懸垂で降りました。ATCへのザイルのセットなど、意外に覚えているもんですが、懸垂中の後ろの手の位置が悪いと言うご指摘を受けました~



10303090mの前穂高岳山頂に到着。ここで岳沢から登ってきた一般ルートの人と合流します。お昼を食べて11時に山頂を後に下りはじめました。20分以上も下って吊尾根の分岐点へ。ここからは黙々と奥穂高岳を目指して歩きます。
そう言えば、前回は岳沢→重太郎新道→前穂高→吊尾根→奥穂と行ったことを思い出す。プチ高山病の友がいてペースが上がらなく長い吊尾根だったことを思い出す。

しかし、今回は山岳会のメンバー。あっという間に12:353190mの奥穂高岳山頂に到着。

涸沢槍もスルッとまいて、13:243103mの涸沢岳山頂に到着。ここで2名は明日の体力温存のためザイテングラードから涸沢へおりました。

意地の張り合いの7名は15:063106mの北穂高岳山頂に到着。雲が出てきて景色は見えません。山岳会だからという理由で奥穂から北穂まではトレーニング状態。そして予想以上に速いペースで着きました。自分の足はボロボロ。肩も悲鳴をあげています。ここからはキライな北穂高南稜の下り。涸沢のテントが見えるんだけど、なかなか近付いてこないところがイヤ。

自分は後ろ組でヒーヒー言いながら涸沢まで降りてきました。

17:00涸沢のキャンプへ到着。荷物を置いて、ヒュッテへ生ビールを飲みに行くもなんと売り切れ!缶ビールで祝杯をあげて、テント場へもどります。今日の晩御飯はマーボーなす丼でした。生なすが油をたっぷりすって今日消費したカロリーをあっと言う今に補給してくれました。おいしゅうございました。

最後に、携帯のGPSで取ったログをのせておきます。南稜の途中で電池切れでログは終わっていますが。長い1日が良く分かります。

Androidアプリの「山旅ロガー」と「地図ロイド」の組合せです。


★梅田



8/17(土) 北穂東稜、第四尾根(伊三雄、武藤、岡田、宮崎、梅田、渡邉

報告:渡邊

北穂東稜
南稜を1時間ほど歩き、稜線に上がった。
ほとんど一般登山道のようになっており、難しいところは巻けるようになっていたもののそれでは面白くないのでゴジラの背は行くことにした。
トップがフィックスロープを張りそれを使い前進し、ゴジラの背末端で懸垂下降をした後、北穂小屋に出た。

滝谷第四尾根
北穂小屋で休憩し、C沢を下るのを開始した。
浮石だらけで落石が酷く何度か自分も「ラーク!!」のコールと共に避けた。さっきまでいた場所に石が通過して行きかなりヒヤヒヤした。
幾度かの懸垂下降、ゴボウ、クライムダウンを経て下に降り
3尾根+ドーム中央稜組と別れ、4尾根に向かった。
小コルでクライミングシューズに履き替え、ちょっとした岩を超え、簡単な踏み跡を辿り、
スノーコルからAカンテBカンテと登攀していった。
Cカンテは 細かいがよく見ると、足場はあるのでそれを使い抜けた。
少々浮石が多いツルム正面壁を抜け、ピナクルを越たあたりから霧の酷さから岩が湿り足が信用出来なくなって来たので慎重に登った。ツルムのコルへ懸垂下降をした後続いて登攀を開始した。
この最後の2ピッチが核心ということで、
Dカンテは最後のほうはかぶり気味で悪くA0を混じえながら登った。

その後一般縦走路に出て途中暗くなったのでヘッドライトを点灯し、涸沢に着いたのは21時を過ぎてしまった。

8/17(土) 北穂東稜、第三尾根+ドーム中央稜(塚越、重盛、高橋(記))

快晴と渡邉くん特性のカレーうどんが、前日までの疲れが吹っ飛ばしてくれた。
朝一からの北穂南陵の登りはきつかったが、東稜へのアプローチ地点までは良いペース。

準備中、涸沢側へ振り返ると、八ヶ岳、世界遺産となった富士山も見え、気分は爽快。

北穂東稜へは、ガレガレのアプローチが核心(だと、自分は思っている)。
4年前、自分が入会したばかりに来た時も、東稜に出るまでが悪く、稜線直下で塚越さんのでかい落石を間一髪で避けた記憶が鮮明に残っている。

アプローチでは、同じく神奈川県の山岳会 蝸牛が先行していて、その後ろに付くと危ないと判断し、より右側(東側)から攻めたが、これが大正解!
足場が安定していて、あっという間に東稜に出られた。

暫く巻き気味の踏み跡沿いに進んでから、稜線に出て、少し進むと核心のゴジラの背が現る。
塚越さんが先頭を切り、ロープをフィックスしてから、残ったみんなで一斉に突破。

その先で、懸垂下降(クライムダウンも可)したら、後は北穂山頂に向けて登るだけ。
予定よりも早く、北穂の山頂に辿り着き、全員で記念撮影。

準備を整え、松波岩の裏からC沢の下降を開始。
4年前に第四尾根に来た時も、ガレガレで怖い思いをしたが、「ドームを基部(第三尾根)から登りたい!」という、自分の我侭で、その恐怖をみんなにも味わってもらうことに・・・。
途中、何度も落石があり、なかなかペースが上がらないため、取付(C沢の分岐地点)まで、2時間以上も掛かってしまった。
ここで、武藤さんの英断(?)により、塚越さん、重盛さん、自分のパーティでドーム中央稜、他のメンバで第四尾根を登ることに決定。

他メンバと上での合流を約束し、塚越さん、重盛さんと一緒に、第三尾根を登り出す。
第三尾根1P目(Ⅱ~Ⅲ)は、100m程の長いピッチだが、徐々に傾斜が強くなってくるので、クライミングシューズに履き替える、ロープを出すタイミングが遅いと怖い思いをすることに・・・。
最後は尾根上に出る。

第三尾根2P目(Ⅲ)は、岩稜を登りピナクルの手前まで(写真は2P目上部から)。
途中、浮石が多く、落石に注意しながら登る。

第三尾根3P目(Ⅴ+?)は、C沢右俣側のフェースを登る。
ルート解説では、Ⅲ級となっているが、崩壊があったせいか、明らかにⅤ級以上ありそうだ。
ボルトも少なかったので、塚越さんがナッツも使いながらリードで突破。

今回が岩登りの本チャンが初だという重盛さんがここで大苦戦(笑)!
あらゆる手を駆使して、なんとか突破。

第三尾根4P目(Ⅱ)は、易しい岩稜を登り、草付きに出たら、踏跡を辿って左俣方面へ進めば、ドーム中央稜の1P目(凹角で上部がチムニー)の基部に辿り着ける。

中央稜1P目(Ⅳ)は、凹角のクラックを登り、最後はチムニーを抜ける。
ホールド、スタンスは豊富にあり、軽快に登れるが、チムニーで一気に息が上がる(笑)。

中央稜2P目(Ⅴ)は、リッジか左側のクラック沿いのラインが取れ、今回はクラック沿い。
リッジを登るなら、リッジの右側にでればボルトが豊富で登り易そうだった。

中央稜3P目(Ⅰ)は、正面の凹角がある壁を目指して回り込む。
あまり大きく回り込むとロープの流れが悪くなってしまうので注意が必要。

中央稜4P目(Ⅳ)は、1P目と似たような感じで、凹角を登り、最後はチムニーを越える。
最後に、CS頼りに登るので、少し勇気が必要。

中央稜5P目(Ⅴ)は、途中から左上する凹角を登り、最後は小ハングを越えると、ドームの肩(終了点)に出る。
重盛さん曰く、ここが一番快適に登れたそうだ。

という訳で、合計9ピッチに渡る登攀が無事完了。

登っている最中に、まだ下の方にいた第四尾根組を迎えに行くことに。
涸沢側に比べ、滝谷側がガスってて、風もあり、寒かったので、ビバークスタイルで待ち。

最初は届いていた声も届かなくなり、第四尾根組に「何かあったか?」、「時間切れでビバークを決めて、岩陰に隠れたか?」等と憶測したが、どうやら、終了点が待っていた場所と全然違っていたことが後で判明(笑)!

それでも第四尾根組が涸沢に帰ってきたのは21時半頃で、人数分のヘッドランプが確認できるまでは、かなり心配だった。

周りのテントが寝静まった時間に、宮崎シェフ特製のタコライスを御馳走になり、軽い宴会をした後、就寝zzz

かなり欲張った計画だったため、長い行動時間になってしまったが、その分、充実した1日となった。

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