早月尾根~劔岳登頂~早月尾根下山


日付 2018/4/28~30(2泊3日) 天候 晴天  参加 中村(CL)鈴木(SL)河野(宰)(投稿)
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前夜 バスタ新宿(高速バス)~富山駅

1日目 4月28日(土)  快晴 暑い。

富山駅~上市駅からタクシーで、馬場島荘7時55分~松尾平~14時15分早月小屋(幕営)到着。


高速バスで快適な夜を過ごして、富山駅で中村さん。鈴木さん。越野さん。越野さんの友人。河野。5人合流して電車とジャンボタクシーを乗り継いで、今回の山行のスタート地点の馬場島荘に到着。


出発前に、中村さんと鈴木さんが2泊3日のパーティーの食料を手分けしましょうと言ってくれたので、3人で手分けしましたが…それでもまだ個人の行動食とツマミや350缶のビール6本と水4リットル+他山道具を詰めた本日の私の相棒オスプレーの90リットルのザックが、体全体にのし掛かかってくるW。
荷造りを済まして、小窓尾根に向かう越野さんパーティーと別れて、7時55分馬場島荘(740m)~本日のテント場早月小屋(2224m)を目指して歩き始める。
それにしても今日は暑っちいーと呟きまくり歩き始める事。1時間30分後…私の体に異変が( ; ゚Д゚)。汗が帽子のツバを伝って滝のように顔に落ちてくる。立ち止まって顔とサングラスに落ちてきた汗をタオルで拭う。タオルを絞るを繰り返す。゚(゚^Д^゚)゚。。




そんな事をしていたら、前を歩く中村さんと鈴木さんの二人に遅れをとる。

中村さんと鈴木さん曰く『河野さん汗の量が半端ない!。』

早月小屋までの休憩のほとんどが、私の汗拭き休憩…。スマホのアプリ(山と高原地図)を確認したら早月小屋まで、3時間30分位歩くのか…2リットルのハイドレーションの水が半分位なくなった。

この時の私の心境は、後ろについて見守りながら歩いてくれた中村さん。休憩の時にポカリスエット差し入れてくれた鈴木さんの二人に対して、申し訳ない気持ちとありがとうございます。



初めて登る早月尾根ですが…




例年にない雪の少なさ藪こぎ木登り等々に苦しめられましたが、剣岳大好きな鈴木さんの絶妙なルートファインディングのお陰で




14時15分に早月小屋に到着。


この日の早月小屋のテント場は、私達茅ヶ崎山岳会パーティーの他にソロの方。二組でテント場貸切状態。


到着してテントを設営後。15時00分に体力充分な鈴木さんは翌日の劔岳へのルート偵察。中村さんと私はテントで、夕食の準備&水作り。



その後偵察から戻ってきた鈴木さん。留守番の中村さん。河野。3人で夕食の水炊きを食しながら翌日の劔岳登頂等々の予定を話して、

20時30分就寝。


満月と劔岳。

二日目 4月30日(日)  3時30分起床。テントを出てみると暖かい(手元の温度計で気温3度)。

テントに戻りシュラフを片付けて、昨夜の夕食の水炊きの残りに、うどん3玉を入れた朝食。お茶と荷造りを済ませる。


この日の服装は、冬用のゴアテックスのジャケットの下に半袖シャツと長袖のシャツの重ね着。ゴアテックスのパンツにトレッキングパンツ。


この時点で今日も暑くなりそうだ…日が昇って気温が上がり雪が腐る前が勝負だと思いながら、

5時00分テント場を出発。



前日に偵察してくれた鈴木さんの絶妙なルートファインディングがこの日も冴え渡る。

登りはロープを出さず。シュルンドを飛び越えたり、

雪稜をトラバースしたり、


雪壁を上ったり、





雪と岩場を上手く繋きながら、




、テント場~山頂までの標高差700mをどんどん登って行く。
 カニのヨコバイ




7時55分劔岳登頂。室堂から来ていたソロの方にお願いして、富山湾と能登半島をバックに3人の登頂記念撮影。


ドローンで動画を撮影している人と雑談したり、写真撮影したり、行動食を食べたりしながら、山頂周辺で30分位過ごす。

 8時35分~山頂からテント場へ向けて下山。
途中ルンゼ状のガレ場を懸垂1ピッチ。
               

雪壁を懸垂1ピッチ。
雪が腐りはじめている。いい感じの斜度ですからΣ(゚ω゚)滑ったら何百メートル落ちるか分からない。中村さん。鈴木さん。二人は問題なく下る。私はバックステップを多用しまくる○| ̄|_。





11時20分に早月小屋のテント場に戻る。

標高2224mのテント場は太陽の高さと雪の照り返しで、暑っちぃぃ~。

もちろんテント内はサウナ状態…。

天気が良いので…もちろん山男が3人も居たら、こんな時にやる事と言ったら1つですよね。外で宴会をしますかと盛り上がり宴会を始める(笑)。     

ビールうまぁ~体全体に染みるぅっ~(´ω`)。3人ツマミを持ち寄り、更に夕食のメニューの豚バラ肉と野菜の鍋と〆のラーメンを前倒しして食す(笑)。



その後は、劔岳方面からきたパーティーと話したり、テント場を散歩したり写真を撮ったり、荷造りをしたりと三人思い思いの時間を外で過ごす。気がついたら18時を過ぎてをりテントに戻る。
この日は19時30分位に就寝。

夕日に染まる小窓ノ頭


剣岳

能登半島と富山湾

この日は19時30分に就寝。

3日目 天気 快晴 3時30分起床 朝飯のラーメンを食べて、テントの外に出て全ての荷物を撤収。

この日も朝から暖かいが、雪はまだ締まっている。2泊3日分の食料が消費されザックの中身は軽くなった分歩きやすい。劔岳に一礼して早月小屋のテント場を5時15分に出発。

歩きはじめて1時間後、ソフトシェルジャケットを脱いで、半袖と長袖のインナーになる。



早月小屋から松尾平までは

雪が付いていい感じの斜面は滑ったら、何百m落ちるか分からない…これが幾つも出てくる。とにかく気が抜けない。鈴木さんと中村さんから、キックステップのレクチャーを受けるも

…私はビビってバックステップを多用する。


試練と憧れの像の前で記念撮影。

馬場島荘~タクシーでアルプスの湯へ、2泊3日の山行の汗を流し、上市駅~富山駅~北陸新幹線で神奈川県へ。

今回早月尾根の計画立ててくれた中村さん。山行中は、カメラマンの如くいい写真と常に後ろに付いて見守って頂きありがとうございました。

登りも下りも絶妙なルートファインディングで、パーティーを引っ張ってくれた鈴木さんありがとうございました。

今の自分の力量では劔岳はまだ早いと思いました。今回の山行を糧に今年は色々な山に登って修行を積んで、また来年劔岳に来たいと思います。

中村さん。鈴木さん。本当にありがとうございました。またよろしくお願いいたします。

4/28:富山 =富山電鉄= 上市 =TAXI= 馬場島 7:55 --- 14:15 早月小屋・幕営
4/29:早月小屋 5:00 --- 7:55 剣岳・山頂 8:35 --- 11:20 早月小屋・幕営
4/30:早月小屋 5:15 --- 8:45 馬場島・下山


2018/4/28~30 龍王岳Ⅲ峰南壁ジェードルルート

天候:晴れ
メンバー: Mさん(CL)、抱(投稿)

GW前半は不帰Ⅰ峰主稜へ行く予定でしたが、雪の状態があまり良くなさそうだったので、パートナーの提案で、龍王岳へ転戦しました。
龍王岳と言えば、良く登られているのは東尾根ですが、私達の今回の目的は「Ⅲ峰南壁ジェードルルート」。南壁は岩も固く、魅力的なルートが幾つかありますが、その中でもⅢ峰の中央にある、天に向かって真っ直ぐ伸びる美しいジェードルに惹かれ、このルートを選びました。

 4/28 快晴 
扇沢~室堂~室堂山荘~一の越山荘~龍王岳南壁(取付き確認)~龍王岳Ⅱ峰東壁~龍王岳東尾根~龍王岳山頂~一の越山荘~室堂山荘

晴天のGW初日とあって、アルペンルートは大混雑!始発の1時間前にチケット売り場に行きましたが、既に長蛇の列。なんとかギリギリ始発に乗れました。

今回のルートは情報に乏しかったので、お世話になる室堂山荘へ立ち寄り、荷物を軽くしてから、まずは偵察に。



穏やかな晴天。登山&クライミング日和です。





一の越山荘まで上がると、龍王岳東尾根の岩稜が見えました。左からⅠ峰、Ⅱ峰、Ⅲ峰、Ⅳ峰(龍王岳主峰)



東尾根の基部から南側に回り込むと、南壁の美しい岩峰がズラリと並びます。



今回のお目当ては、こちらのⅢ峰の中央に真っ直ぐ伸びるジェードルルート



雪壁を登って取付きへ。ルートを自分達の目で見て、明日持っていくギアと作戦を考えたら、取付きの足場を整地して、偵察終了。


登り易そうなⅠ、Ⅱ峰のルンゼから東尾根に乗ろうと詰めていくと、上部に亀裂が走っていたので、Ⅱ峰の東壁から登りました。
簡単そうに見えたので、安易に取り付いてしまいましたが、思ったよりも難しく、アイゼンでの登りは尾根に乗るまで緊張の連続でした。




東尾根に合流して、そのまま山頂へ。


龍王岳山頂2872





一の越山荘を経て、室堂山荘まで下山。

「たまには贅沢してもいいよね~」と今回は小屋泊。
お風呂に入って、美味しいご飯を頂き、暖かいお布団にくるまって眠れる幸せを感じながら、早めに眠りにつきました。

4/29 快晴
室堂山荘~一の越山荘~龍王岳南壁ジェードルルート~龍王岳東尾根~龍王岳山頂~一の越山荘~室堂山荘


いよいよ今日は目的のルートへ。朝から気温が高く、既に雪は緩み始めていますが、自分達が付けたトレースが残っていたので、歩き易く、偵察していたお蔭で、昨日より早く取付きまで辿り着きました。


取付きの足場があまり良くなかったので、取付きまでの雪壁を登る前にロープを結び、テーピングをして、コンテで上がりました。


1P目はMさんのリード。取付きの足場が雪なので、アイゼンを履いてのスタートです。
難易度が上がりますが、スイスイと登って行きます。ハイマツの中をトラバースして、安定したテラスに出るまでは気が抜けません。

1P目が終わった後、テラスでアイゼンからクライミングシューズに履き替えます。


2P目はいよいよこのルートの核心。リードを譲って頂きました。
長いルートなので、カムを沢山持ってスタート。


出だしの草つきに、クライミングシューズで慎重に乗って上に上がると、ハーケンが打ってありました。ここからは狭めのチムニーに始まり、太めのクラックが上まで続きます。

カムを沢山持って、登山靴やアイゼン等が入ったザックを背負っているので、身体を上手く入れられず、苦労します。早めの段階で、#56のカムを1セットずつ使いハングを乗り越えて、一瞬核心を越えたように思えましたが、その後も緊張する登りが続きました。



途中でレストを入れて、息を切らしながら、なんとかテラスまで上がる事が出来ました。カムで支点を作ったら、Mさんをビレイ。結局#562セットずつ、その他のカムもまんべんなく使いました。



3ピッチ目はMさんリード。ピナクルをくぐって、ジェードル峰の頭まで。
Mさんが登っている途中、岩が崩れる大きな音がして、一瞬身体が固まりました。
ビレイしている場所から、Mさんの姿は見えないのですが、声をかけると「大丈夫です」と明るい返事が返ってきて一安心。どうやら掴んだ岩が剥がれたようです。
南壁は比較的安定した固い岩ですが、人が殆ど登っていないマイナールートなので、浮石には注意が必要です。使える岩を良く見て触って、慎重に選んで登ります。

ジェードル峰の頭に着いたら、再びクライミングシューズから、登山靴&アイゼンに履き替えて、4ピッチ目をリードしました。尖った岩の間を登り、その先にビレイ出来るポイントがあるか分からなかったので、一旦ピナクルでピッチを切りました。



その後は雪壁を登り、東尾根に合流!緊張が解けた瞬間でした。

昨日と同じくそのまま龍王岳山頂へ。


お疲れ様でした&ありがとうございました。

4/30 快晴
最終日もどこか登って帰る予定でしたが、2日間で満足してしまったのと、帰りの渋滞を考え、朝一のアルペンルートに乗って、のんびり帰りました。


お天気に恵まれ、パートナーに恵まれ、北アルプスの山々をバックに、素晴らしい景色を見ながらの楽しいクライミングでした。
是非沢山の人に登って頂きたいと思える素晴らしいルートでした。