2019.4.27-28 明神岳東稜

日付 2019/4/27(土) 天候 快晴 参加 武藤(CL)、久米、Kさん、Tさん(投稿)


1日目(4/276:00上高地明神館明神橋養殖場宮川のコル→12:00ひょうたん池第一段階→18:30らくだのコル(幕営)

2日目(4/286:00出発バットレス→10:00明神岳主峰奥明神沢岳沢→15:00上高地

 5:30沢渡から予約していたタクシーに乗り、上高地に入る。

上高地で行動用の水を汲もうとしましたが、蛇口から水はでませんでした。上高地まで道路は開通しましたが、広場の水はまだ開通していないようでした。

上高地から明神館までの道のりは、道がアイスバーンになっていました。時折、滑りながら進んで行きましたが、アイゼンを付けて歩いている人もいました。


明神館から明神橋を渡り、養殖場から入っていくとトレースがありました。そのトレースは宮川のコルまで続いていたため迷うことなく進むことができました。



ひょうたん池は雪で埋まっていたため、どこにあるのかわかりませんでした。
先に見える第一段階は思っていたよりも立って見えたため、レベル違いのところに来てしまったと少し不安に。
休憩を取りながら、ワカンからアイゼンに付け替えて、ハーネスもつけました。ここから、本番!

第一段階までの雪稜も交代しながらラッセルで進みます。



第一段階はMさんがリードで岩の右から巻き尾根上に上がりました。ロープ50mいっぱいに伸ばしたところにフィックスできる木があり、後続はタイブロックとフォローで登っていきます。第一段階には雪が付いていましたが、動くたびに雪がサラサラと落ちていき、アックスをさしても刺さらない状態でした。尾根上に上がるところは頼りない草付きと出ている岩にアイゼンをきかせながら上がり、落ちるかもしれないと思いながら、体を上げていきます。ひょうたん池から見たときの印象は間違いではなかったと確信した瞬間でした。



フィックス場所から上は長い雪壁が続きます。登り始めに岩を2箇所越え、岩の手前には大きなシュルンドがあり、そこをリードした私には岩にハーケンがあるのを気付かず、あれこれ不安なことを考えながら越えて行きました。
途中、トップを代わりながら雪壁、雪稜をコンテで登攀し、らくだのコルまで。


ひょうたん池かららくだのコルまで気が抜けず、飲まず食わずで行動をしたため、らくだのコルに着いたときにはヘトヘトになっていました。しかし日が暮れそうになっていたため、急いでテント設営をして、テントに入り、ホッとしたときには19:30でした。

温かい飲み物を飲みながら、つまみや食事をしました。珍しく、誰もアルコールを飲まない泊まり山行でした!

翌朝は4:00起床で6:00に出発。
夜中に突風が吹いたことが話題になりましたが、私は熟睡し全く気付かず朝を迎えました。

出発のときは青空が見えていましたが、バットレス基部に着いたときには青空はなく空は雲に覆われていました。
らくだのコルからすぐの壁は左の雪壁を登っていきました。


その上の一枚岩のフェースは右側の凹角ぞいをMさんがリード。他の人は第一段階のときと同様にタイブロックとフォローで登ります。
アックスを岩角に引っかけ登るようですが、私はアックスが岩角に上手く引っかけることができなく、A0で登りました。

その後は2ピッチ分ぐらいの急な雪壁をKさんがトップで登攀。途中に右へトラバーズして登っていくと残置支点があり、すぐ上が明神岳主峰で東稜終了。

下降路は明神岳主峰と前穂高岳の間にあるコルから奥明神沢を下る。コルまでに2回懸垂をしました。
奥明神沢の雪は固くもなく柔らかくもなく、下るにはちょうど良い雪質でバックステップをせずに下ることができました。
岳沢からはトレースがあり、トレースを辿り上高地へ。上高地の木道には雪がまだ積もっていたため、とても歩き辛かったです。
上高地の観光客はまだまばらで日本語よりも他の国の言葉がたくさん聞こえてきました。来週のGWからはにぎわいが戻るのだろうと思いました。
タクシーの待ち時間0分で、沢渡へ。

天候に恵まれ、一日目は雲一つない青空が広がり、二日目は雲が広がっていましたが見晴らしは良く雨の心配をする必要はありませんでした。  
今回の明神岳東稜は雪が多めだったようで、事前に調べていた過去の写真と比べても雪の付き方が違っていました。
雪壁、雪稜、岩壁と聞いていましたが、まさにその3つがしっかり出てくる登攀でした。緊張する場面もあり気を張りながらでしたが、荷物を背負いながらの雪山登攀ができたことは良い経験になりました。
また行きたいと思えるルートでした。

一緒に行ってくださった皆様ありがとうございました。

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