2017.1.21【敗退】阿弥陀岳北稜  ラッセルトレーニング

日付 2017/1/21(土) 天候 雪のち晴れ 参加 武藤(CL)、冨澤、山口E(投稿) アルバム :

降り行く雪が太陽に照らされ、一斉に輝きを放つ
幻想的な景色に思わず足も止まる


以前、阿弥陀岳南稜から御小屋尾根下山中(摩利支天辺り?)に見た阿弥陀岳北稜ルートがとても魅力的に見えたので、近々行きたいなと思っていた。
天空を散歩しているような、天気の良い日に登攀できたら最高だな、と。

それから約2ヶ月が経ち、その機会はタイトル通りやってきたわけである。
そしてタイトル通り敗退なのである。サスペンスドラマのラテ欄ばりのネタバレだがまぁしょうがないのである。
その辺覚悟して読み進むべし。

***

ここ数日で雪が降ったようで上までは入れないだろうと、八ヶ岳山荘前の駐車場に停車。
雪が舞う中準備を進め、7:00前に出発。
昨シーズンも暖冬で雪の少ない時にしか行かなかったため八ヶ岳山荘から歩くのはかなり久しぶり。
林道を歩いている際に四駆のブイブイいわせた車が何台か来たが、赤岳山荘前の最後の登りを越えられない車が多かった。
野次馬たちのガンバコールも虚しくスリップする車たち。歩いてきて良かった。

南沢経由で行者小屋へと進む。
トレースがあるから楽だが積雪量はそこそこあり。ちょっと外れると太ももまで埋まる。


そんなこんなでみんなで仲良くバテながら行者小屋着。
時間は押していたが中で休憩。武藤さんおごりのお汁粉とともに。


 ちゃちゃっと食って出発するつもりが1時間近く居座ってしまった。
椅子とお汁粉とストーブがあったらもうそれは必然の出来事です。


積雪量と時間の遅さから行者小屋の時点で今日はもう無理だろうねって話になってしまったが、まぁとりあえず…うん…ってことで出発。

赤岳との分岐まではトレースもしっかりあった。
が、分岐を越えたらすぐにノートレース。



性別も経験年数も関係なく交代してラッセル。



 初ラッセルの冨澤さん。ヒエーヒエー言いながらも立派なラッセル要員。
私は記録係なので基本後ろで…。


赤布があるルートを大人3人必死こいて進みます。時には泳いだり。
手で掻き分け、膝で押し固めるも雪がフワフワサラサラなので全然固まってくれず思うように進めない。
そんなもどかしい中、後ろから2人組がやってきたので、よっしゃ5人体制だ!と思ったら、うわーこんな状態なのー?帰るわーってUターンしていって絶望。SMAP結成ならず。
もう3人の頭の中には”北稜登攀”の文字はなく、あるのはただ”ラッセル”の文字のみ。


天気もずっと雪がチラついていて展望なし。
八ヶ岳ブルーの中、北稜のナイフリッジを歩く夢はどっちにしろ今日は叶いそうもない。
ただ風がないので寒さはあまり感じなかった。


灌木帯に差し掛かり、ここから北稜尾根上を目指し急斜面を登っていく。
積雪量もさることながら、かなりの傾斜があるので女性陣の顔面の高さまで雪がある状態。鼻で呼吸をすると雪が肺に入ってむせる。


ここが核心だな…と一同理解し、行者小屋でのお汁粉以来何も口にしていなかったので一先ず休憩をとることに。
それぞれホットポカリや甘酒などでこれから始まる顔ラッセルへの準備を整える。

ちなみにこの休憩後のラッセルは私からという流れだったんだけど、さぁ行くぞ!ってなったらマジで急に尿意がきたのでラッセル譲りました。ごめんなさい。


トイレから戻ってきたら大分先まで立派な道ができてた。


しれっと合流。


”14時までに第一岩峰取付に付かなければ撤退”と決めていたが、北稜の尾根上に着いた時点で14時過ぎ。(北稜JPはおそらくこの先?)
はい、撤退です。


敗退地点より素晴らしき仲間と。ラッセルありがとう。


この尾根を進んでいけば第一岩峰。
この深雪と、経験の浅い2人がいる馬力不足なパーティだったのでしょうがないっちゃーしょうがないんだけど、やはりこのラッセル試練を乗り越えての北稜登攀っていうのを実現させたかった。



この辺を下っている時に下から2人組PT(先ほどのとは別PT)がやってきた。
こんな時間から北稜?と聞いたら、行けるとこまで行こうと思う。との答え。
私たちの今日のラッセル行軍は彼らのための御膳立てラッセルだったのだ!
しかも後ろをご覧の通りこの頃から晴れだした。これがいわゆる「もってる」ってやつ?ラッキーな人たちだ。


あれよあれよという間に晴れてきて視界スッキリ八ヶ岳。文三郎道歩いているそこの君、丸見えだよ!
ただし山頂には雪煙が舞い上がり風の強さを物語っている。



行者小屋でも他の登山客たちがみんな外に出て八ヶ岳ブルーを堪能中。
泊まりの予定だったら私たちもまだ北稜粘ってた頃かな。
あれ?そうしたら八ヶ岳ブルーの中、北稜のナイフリッジを歩く夢叶ってたんじゃ…。


行者小屋から見える阿弥陀岳、そして北稜ルート。中央左の岩稜帯がそうらしい。その岩稜帯を左に巻けば雪壁から登頂することも出来るとか。



なんどもなんども振り返ってしまう。
 今日の天気はまだ全然いい方だけど、登山者の山における一生のうち9割は天気との闘いだなとふと思った。



雪が太陽に照らされて本当に綺麗だった。
ダイヤモンドダストってこんな感じなのかな。最後にいいもん見れました。

お疲れ様でした。


***


6:25八ヶ岳山荘6:51-7:40赤岳山荘7:55-10:40行者小屋11:30-14:10阿弥陀岳北稜尾根上(JP前)-14:38行者小屋-17:03美濃戸口

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