雪訓&五竜岳G0G2稜&一般登山ルート その2

日付 2015/4/11,12(土、日) 天候 初日、小雨のち曇り 2日目晴れ 参加  山口(美)、高橋、早川、穴井、渡辺、塚越、橋元、武藤相原、宮崎(投稿)

 GW合宿の訓練で、五竜遠見尾根に行ってきました。
スキー場からテレキャビンに乗り、遠見尾根を重荷背負って歩きました。
体力の有り余っている若い男子には先に行ってもらい、私達は地形図とGPSで現在地を確認しながら、無理のないペースで歩き、大遠見のテント場に昼頃に到着しました。



訓練にちょうどいい斜面があったので、まずは滑落停止訓練。
前向きに落ちた時、頭から落ちた時、の2パターンの体勢での滑落停止訓練を、各自、遭難対策リーダーの高橋さんのOKが出るまで練習しました。滑落停止は、とにかくスピードが出る前に、いち早く雪面にピックを刺して止まる事が大事です。後、ポイントとしては、アイゼンで足をひっかけないように、常に足は上げておく癖をつけておいた方がいい、と習いました。



 次にスタンディング・アックスビレイ。まずは足場を踏み固め、ピッケルのシャフトにスリングを通し、(スリングの長さに注意!)スリングに環付カラビナを通す。ピッケルを雪中に埋め、環付カラビナにロープを通し、肩がらみ確保の体勢を取る。スリングの長さは、ピッケルのヘッドを足で踏んだとき、環付ビナが足のすぐ横に出るくらいがよい。もう一本バイルがあるときは、それを使ってセルフビレイを取る。
 止め方は、無理に制動をかけて止めるのではなく、少し流して止めること。これも、各自、数回づつ訓練しました。



 後、腰がらみ確保の練習も行いました。腰がらみ確保は、フォローの確保に使う方法で、足で踏ん張り制動を利かせるので、最初に足場をしっかりと踏み固めることがポイントと教えてもらいました。肩ではなく、腰にロープを回して確保を行います。フォローの確保なので、ロープは常に張り気味で弛ませる事のないようにしなければいけません。実際にやってみて、思った以上に足場に力が加わるので、事前の踏み固めが大事な事が分かりました。

 その後は、雪上支点の実験をしました。
まずは、スノーバーです。縦埋めは、思った以上に効きませんでしたが、横埋めにして中央に長めのスリングをセットして引っ張ると、4~5人で引っ張っても全然大丈夫でした。



次に土嚢袋を試しました。もう少し雪をきちきちに詰め込んで、しっかり口を紐でしばっていたら、もっと強度があったのかもしれないですが、こちらは、2~3人で思いっきりひっぱっても大丈夫でした。以外に強度があり、十分、懸垂下降等でも使える強度だと思いました。



最後に、スノーボラードの実験をしました。水滴を逆さにしたような形(大きさは、幅1メートルくらい)を雪面に作り、ロープを通し支点にします。(ロープの当たる縁に、割り箸や木の枝を挟むと、もっといいようです)。茅ヶ崎のベテラン勢は、既にこのスノーボラードを実際の山行で多用しているようですが、私は、いまいち信用できないでしました。ところが、今回の実験では、このスノーボラードが一番強度がありました。山行参加者全員(10人)で引っ張っても大丈夫でした。





雪の支点に関しては、雪の状態によってまた違ってくるだろう、と皆が言っていました。また、来シーズンは、違う雪質で支点の強度を実験してみたいと思いました。
 
その後、寒かったのでテントに入って早々と宴会をし、食当の山口さんの手の込んだ美味しいタンドリーチキン丼を食して、翌日に備え就寝しました。
 

 翌日は、高橋さん、橋元さん、早川さん、私、はG0稜を目指しました。G0は、私の苦手な雪壁がずっと続いている斜面を登る感じでした。朝の早いうちは雪も締まって、快適でしたが、日が出てくると雪もぐずぐずになってきて、気の抜けない登りが続きました。
 雪壁があまり好きでない私は、どうしても藪に進路を取ってしまうのですが、藪こぎするよりも、雪面を繋いだ方が早いとよく分かりました。藪に入り過ぎて雪面に降りるのが大変になってしまった一カ所だけ懸垂にロープを出しましたが、後は特に確保なしで進みました。一般道に合流し、五竜山頂も踏み、最終のテレキャビンにはだいぶ余裕をもってスキー場にまで着きました。




 今回の山行では、GPSの操作確認、地図読み、雪上訓練、雪壁の登攀、とGW合宿に向けて、いい訓練ができました。参加の皆さま、どうもありがとうございました。

0 件のコメント:

コメントを投稿