泳ぎとへつり好きに贈る、木曽が誇る美渓・柿其川本流
日付 2017/8/4(金) 天候 晴れのち雨 参加 ガンマー(CL)、山口(投稿)
アルバム :https://goo.gl/photos/hzhHyxAnpExJEp5V6
【行程】
8:25 柿其渓谷駐車場→8:55 牛ヶ滝→12:30-12:55 霧ヶ滝→14:15 箱淵→14:50 溺石淵→15:30 大垂(突破出来ず林道)→17:00 雷竜(本降りの雨にて撤退)→17:10 林道→18:10 柿其渓谷駐車場
某沢本にて【泳ぎ 5+】という、5段階評価を更に飛び越えた数値を叩き出している柿其川本流は、泳ぎとへつりが大好きな早川CLにとって悲願の沢だったようで。
上ノ廊下遡行が迫っていることもあって数年越しに今回の柿其山行が実施されることとなった。
しかし平日敢行だったため残念ながら参加出来ないメンバーが出てしまい、最終的に不確定要素の塊の私だけがお供をする形になってしまい非常に心苦しい。
でも早川さんの胃腸の調子の不確定要素さもなかなかなもんなので五分五分ってことで。
湘南地方を3:30に出発し、柿其渓谷駐車場に着いたのは8:00過ぎ。遠・・。
平日ということもあって貸切の柿其渓谷を堪能しながら入渓点へ向かう。
入渓前からこんなキレイな沢がお出迎えしてくれる。テンションが上がらない訳がない。
遊歩道や林道がすぐ横を走っているので好きなだけ巻いて入渓出来るが、せっかくなので恋路のつり橋を越えたところからスタートすることに。
そんなわけで恋路のつり橋。
多分隣には先月行った丹波川のおいらん淵で口説き落とした花魁の霊がいるっぽい。
ヒューヒューだよ!
ちなみに泳ぎ5+のために前日、市民プールで入念な泳ぎのチェックをした早川さんはご覧のみなぎりかた。市民スイマーキック!!
柿其川に数年恋焦がれて、遂に今日アタックする早川さんの恋の行方(遡行完遂)はいかに。
入渓してすぐに泳ぎ。入水の瞬間は毎度心臓が縮みあがるが、すぐに慣れてくる。
そしてなんてったって灼熱の太陽が燦々と降り注いでいて、この沢の冷たさがちょうど良いくらいだ。
牛ヶ滝
入渓して30分、大きな釜を持つ牛ヶ滝 20m へ到着。トポ通り左岸のルンゼから巻く。
ガレ場ルンゼより。
木の根は腐っていて、浮石だらけの脆い巻きで結構悪い。
もうこんな巻きは嫌だな〜と思っていたけど、残念、この後こんな巻きが盛りだくさん。
上がれるところまでルンゼを詰めてから左にトラバースしていくとテープのある道へ合流。
そこから降りられそうなところを適当に選んでクライムダウンで沢ポチャ。
燦々と降り注ぐ太陽に、蝉の鳴き声、火照った身体を冷やす綺麗な沢。
この日にタイトルを付けるとしたら「納涼」で。
流されたら怖いところはロープを出してから飛び込み。
今回頻繁にロープを出してもらうこととなった。
白泡立つ淵。
今回は泳ぎでは突破出来なさそうなので右岸から巻く。
道無き道を。
高巻きしすぎないように注意しながら脆い斜面を藪漕ぎトラバース。
ルーファイが難しく早川さんに頼りっぱなし。
沢の流れは一向に強く、どうも降りられなさそう。そのまま高巻きを続け、流れが緩やかになったポイントで再び沢へ戻った。
「ココはドコ」状態でトポとにらめっこをすると、どうやら直瀑が連なる「ねじだる」あたりだろうか。
降り立った目の前には記録でよく見るスラブ状の岩が。
2人ともここが核心のつもりで今日やって来ました。お手柔らかに。
早川さんが左岸から中央のスプーン状の岩に乗り、カチを掴んでいとも簡単にフリーで突破。フェルトでも滑らずにバッチグーとのこと。
続いて私も。まずは左岸まで泳ぎ。
どうしても腹から着水してしまう・・。
案の定バッチグーではなかった。
私のフェルト捌きじゃスプーンの上でズルズル滑ってしまい、お時間頂きました。
落ちてもすぐに滝壺なので怪我はしなさそうだけど、水流がどうなってるか分からないのでロープは出したいところ。
ここの右岸にカメラを持った人がいて写真を撮ってもらった。遊歩道があるらしく沢装備なくともここまで簡単に来れるみたい。
良いカメラだったのでどこかに写真アップしてくれてないかなー。私たちほぼ肖像権のないフリー素材みたいなもんなんで写真アップOKですよ。
ちなみにこの直瀑を直登?した記録もあるようだが私たちは右岸の遊歩道から巻く。
適当なところで沢へ戻り、その後も泳いでへつって。
両岸が高く連続するゴルジュ帯。
一気にひんやりした空気に包まれる。
ここを簡単に詰めると爆音と共に現れる霧ヶ滝10m
霧ヶ滝
でかいっす。早川さんがちっぽけ。ここでしばしの昼休憩。トポを見るとやっと全体の3分の1まで来た感じ?
この先なげぇ…とお互い少しテンション下がる。
登攀要素の少ない沢ってことで安心して来たけど、高巻きという登攀はしっかりあった。
途中からロープを出してもらいなんとか抜けた。
霧ヶ滝を巻くと一旦林道へ出るので、下れそうなルンゼから再び沢へ。
巻くたびに泥だらけになるので早く沢に浸かって綺麗になりたい。
その後も増水で直進出来ない箇所があり、左岸から巻いたところで懸垂1P。
でもその先に降りられる踏み跡が続いていたので懸垂は必要なかった。
虹ヶ滝
箱淵
虹ヶ滝を超えるとすぐに泳ぎの核心・箱淵。流れも強いので右壁を頼りに泳ぎで突破。
私は全然泳げなかったので歩くが如く突破していった早川さんにロープを出してもらい引っ張ってもらった。楽しかったので時間があったらもっと泳ぎの練習をしたかった。
落ちたらどうなってしまうんだろう、、の考えに足がすくんでしまい、早川さんのお助けハンドで突破。
溺石淵
3つの淵が連なっている溺石淵。頭上にはもう使われていない古びた橋がかかっている。
途中ジャンプで左岸へ行き、極小ナイアガラの滝を右壁から突破を試みる。
頭をボコボコ殴られているような感覚に思わず笑いが出る。
水中に左足がしっかり乗るスタンスがあったのでそれに乗り上げ、あとはショルダーで抜けた。
抜けた先。水の流れがおかしいー。
私はそのまま前進したけど早川さんはこの水流を飛び越えて中央の岩へ乗り移るトリッキーなことをしていた。
この辺の力を合わせたパーティプレイは、関口宏の東京フレンドパークに番宣しに来た芸能人感を味わえてとても良かった。アクティビティ感満載。
飽きさせない様々な地形。
大垂
溺石淵を超え大垂へ。なんてことない場所に見えるが。。
なんとこの滝?に大苦戦。核心はスラブでも箱淵でもなければ大垂、お前だったか。
通常は滝手前の中央部に大きな岩が2つあるのでそれに乗って滝を突破するようだがそんな岩は水中に消え去ってしまっており使えない。というか近付けない。
なので左岸からショルダーやらなんやらで突破を試みるも、足が届かない深さに加え先ほどの溺石淵並の水量で歯が立たない。
早川さんがなんとかガバを探し当てたが私がフォローしきれず流される。あと一人でも馬力のある人がいたら突破出来ただろうけど、私じゃだめでした。
水中で粘りまくって2人とも身体が冷えきり、低体温症の文字が脳裏を霞む。
トポに書いてある通り、テルモスにお湯の用意は必要だったと痛感した。
手前にある上がれそうなガレ場から巻くことに。
泳ぎの沢で突破出来ずに巻くことになった場合何が最悪かって、身体が冷え切って四肢がまともに動かないところよ。
しかも案の定ここの巻道も悪く、掴んでいたワイヤーが引っこ抜けたりで心臓があらぬところから飛び出そうになった。
そんなこんなで途中で動けなくなりロープを出してもらう。
林道へ出てトポ確認。
すぐ近くのルンゼから沢へ復帰(トラロープ付き)
沢へ戻り気を取り直して遡行を続けるが、この先早川さんが木の枝を掴みながらちょっとバランシーな落ちられないへつりをしているのを見て私が日和り左岸のガレ場から巻くことにしてもらった。
そうしたら残念ながらまた林道へ出てしまった。
しゃあないのでそのまま林道から雷竜を目指すことに。
この沢は林道と沢の往復で変な感じ。
トポには”どこからでも林道に上がれるわけではない”と書いてあったが、今回の遡行では割りと好きなように行き来ができたように思う。
雷竜(多分)
イマイチよくわからなかったけど多分雷竜。電光石火の如くうねる竜って感じでしょーか。乙な名前をつけるねー。
雷竜より先は難しいところもなく、伊勢小屋休憩所まで進むのみ。トポ図を見てももう大分終盤戦。
最初は全く終わりが見えなくて焦りが見えた柿其川遡行も遂に終わりが見えてきて、安心感と寂しさに包まれる。
かなりの恵みっぷりで、核心も過ぎていることもあり前進するか悩むも、時間もおしていることもありここいらで撤退することにした。
恋焦がれていた柿其川に降られ、フラれました。柿其川中流域完全遡行ならず。
適当なところから林道へ詰める。
林道で装備を解除して土砂降りの中駐車場へ。
別の沢で降られた時はあっという間に茶色い濁流になってしまい、そりゃ恐ろしい光景だったが、柿其川はいつまでも美しいままだった。
汚れを知らぬ柿其川、これはもうジェラシーですよ。
まぁ増水感が湧かないっちゃあ湧かない。
箱淵手前にあった虹ヶ滝を林道から。
ストリートゴルジュを満喫。
駐車場には18:00過ぎに着き、伊那までの長い長い下道1時間半を耐え、早川さん悲願のローメンを食す。
残念ながら21:00過ぎではやってる店は居酒屋しかなく。ちなみにここは焼きそばタイプ。
ソースや酢などの調味料を渡されて自分好みにカスタマイズするんだけど…味が全然決まらねぇ。
お互い最後まで試行錯誤しまくった結果、食べ終わった皿には行き場を失った調味料のスープが大量に残っていた。ローメンはコツのいる食べ物だった。
***
柿其川は噂に違わぬ超美渓の沢でした。
今回は増水の影響もあって、泳ぎよりも高巻きの印象が強くなってしまったけどそれでも最高な遡行が出来たと思う。
帰りの林道で、もし次来る時は私は一人林道を詰めて雷竜あたりからみんなと合流かな…とか言ってしまったけど、こうして写真を見返すとまたすぐにでも行きたくなってしまっている。もちろん次も恋路のつり橋から。
沢経験が少ない私の意見ですが、個人的ベストオブ沢かもしれない。
ただやはり木曽は遠い…。
私のフォローをしながらの遡行時間10時間に加え、片道4時間超の運転は早川リーダーにとって地獄の行軍だったと思う。本当に申し訳ない。
なので次は今回行けなかった人たちもたくさんいるので、日帰りでも泊まりでもなんでも良いのでみんなでワイワイ行きましょう。本当に最高の沢でしたよ!
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